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東京サルベージ

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勤続20年のサラリーマンであり、突如宝塚に目覚めた妻とポメラニアンと暮らす脚本家…日々のよしなしごとを哀愁たっぷりに綴ります。 【月2回更新】by 大空ピョートル
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記事一覧

東京サルベージ【第41回◾️味噌ってこれかい?】

私の楽しみは昼飯である。朝職場に着くとあとは(何を食べようか)と考えている。昼間の間も電…

東京サルベージ【第40回◾️影武者】

「ピョートル、俺な。事務所とは更新しないこととしたよ」 学芸大学のビストロでKさんはそう…

東京サルベージ【第39回◾️手相と納骨室】

先日、伯母の49日の法要に参加してきた。 93歳の天寿であったから、湿っぽい雰囲気ではな…

東京サルベージ【第38回◾️断・捨・離】

 引っ越すことになり、必要に迫られていろいろな物を捨てている。  まだ使えるし、捨てるに…

東京サルベージ【第37回◾️いきつけの珈琲】

最近コーヒー屋でぼーっとすることが増えている。 休日や早めに仕事から帰ってきた平日に、妻…

東京サルベージ【第36回◾️背中】

少し前のことだが、夏に母が脚の付け根を骨折してひと月ほど入院した。 雨の日にスーパーのフ…

東京サルベージ【第35回◾️美容室の蟷螂】

かれこれ20年近く同じ美容院に通っている。 その美容院には、脚本を書いた作品のプロデューサーの紹介で通いだしたのだが、当時の私は東京に住み始めたばかり・・・というのは言い訳にすぎないが、有り体にいえばマッシュルームカットの亜種のような変な髪型になっており(癖でそのようになってしまうのだ)、見るに見かねたのだろう。着席するや否や、「あのう、お任せで切らしてもらっていいですか?」といっさいの注文は聞かずに、スポーティな髪型に変貌したという経緯がある。 何で、映画のプロデューサーに

東京サルベージ【第34回◾️帽子】

帽子のコレクションが増えてきた。 いい年になってきたので、できればボルサリーノやらKNOXや…

東京サルベージ【第33回◾️自戒】

根はどちらかといえば楽天的なのだが、あまり希望的観測は口にしないのが性分である。 とりあ…

東京サルベージ【第32回◾️懺悔】

シスター。 本日は懺悔にやってきました。 ええ。 彼女がダンスの名手だということは知ってい…

東京サルベージ【第31回 ◾️鳩レンジャー】

ヒーローや戦隊ものといわれるジャンルに興味のない子供だった。 母は兄弟の多い家の末の方で…

東京サルベージ【第30回◾️春の夜の夢】

海外で働いているKから”武蔵坊”の連絡先を知らないかとの電話が来た。 突然のコンタクトに…

東京サルベージ【第29回◾️ピョートルとボウリングシューズ】

 春めいてきたので、薄でのベージュコートに白い靴をあわせてコーヒーショップにでかけた。こ…

東京サルベージ【第28回 ■ ピョートルと黄金の靴 】

金色の靴を買った。 何を血迷ってと自分でも思うが、買ってしまったものは仕方がない。 私は、つくりのよいモノが不当な評価を受けているところに遭遇すると、つい血が騒いでしまう性分で、つい、「おじさんちに来るかい?」と声をかけたくなってしまう。 下駄屋の丁稚小僧だった祖父の遺伝子がそうさせるのか、この傾向は靴に対して発動されてしまうことが顕著なのだ。 そんなわけで、金色の靴も売れ残って捨て値がつけられていたのに出くわしたのだが、派手な姿こそしていたが、これがつくりの良いものだと