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【現地0泊】大分・別府へフェリーで弾丸旅行【往復1万円から】

旅行に行く際の交通手段で真っ先に思い浮かぶのは電車や飛行機かと思いますが、場所によっては「フェリー」という選択肢もあります。先日、温泉で有名な別府へ行ってきましたが、大阪・南港からフェリーが出ており一晩で到着します。数年ぶりとなったフェリーの旅、満喫することができたので今回はその時の様子をお話ししようと思います。

①乗船券は往復10,000円!?

別府へ行くにあたってまずフェリーの予約をするのですが、お得な乗船券の存在を知りました。最寄りの駅から南港のフェリー乗り場を往復するための大阪メトロ2日乗車券とフェリー「さんふらわあ」の往復乗船券がセットになった「弾丸フェリー@大阪メトロ版」、別府現地で宿泊せず到着したその日の晩にフェリーで帰る場合はこれらを10,000円で購入できるというもの。ただし、部屋のグレードは雑魚寝の部屋となり、グレードの高い部屋に変更する場合は追加料金が必要となります。詳しくは以下のリンクをご参照ください。

行きは「ツーリスト」と呼ばれる雑魚寝の部屋で船旅を満喫しますが、帰りはゆっくり過ごすために個室の部屋を予約しました。電話予約が必須だったため緊張しながらも3~4回かけ直してようやくつながり無事予約に成功。予約をする際はネット予約が主流となっており、私もネットの方をよく使うのですがいざ電話予約がうまくいくとちょっと嬉しかったですね(笑)

②往路の旅路

乗船当日、船の出航は夜7時過ぎだったので自宅を出たのもかなりゆっくりめでした。南港に到着したのは夕方の4時半前。待合室はこの通りガラガラだったのですが、出航までここで過ごすわけにもいかないので買い出しや食事に出かけます。

待合室。出航直前になるとほぼ満席になる

出航の約1時間前となる6時ごろに乗船が開始となり、いよいよ船内に入ります。フェリーでの旅は数年していないので胸が高鳴っていたと思います。木曜日にも関わらず乗船されるお客様はそこそこ、中には大学のサークルとみられる団体も乗り込んでおり、船内はにぎわっていました。乗り込んでから早速部屋に向かい、貴重品以外の荷物を置いて船内を探索することにします。雑魚寝ということでスペースがそんなに取れないのではないかとハラハラしていましたが、この通り想像以上にゆったりできそうで安心しました。

雑魚寝部屋のひと区画

出航までは十分に時間がありますが、船上からの南港の景色を見てみることにします。ちょうど日の入りの後で夜の帳が下りており、街の灯りが真っ暗な海を照らしている光景はなかなか見事なものでした。めったに体験しない船旅ということでテンションが上がっており、「ここはドバイだ」と言われても疑わない状態でした。出航してからも別の角度から南港の様子を撮影しましたが、よりドバイ感が出ていました。

海の上からの南港

出航してからは海上の風も強まり、外に長くいると風邪をひきかねないので携帯を充電したり船内をぶらついて売店で物を買ったりフェリーでのひと時を楽しみました。そして出航から1時間が過ぎたころ、「明石海峡大橋の下を通過する」とのことで再び外に出てみますと、鮮やかにライトアップされた大きな橋が見えてきました。

ライトアップされた明石海峡大橋

このフェリーに乗船していると大阪側から順に明石海峡大橋・瀬戸大橋・しまなみ海道と3つの橋の下を通りますが、時間的に一番見やすいのが明石海峡大橋となります。橋見たさに多くのお客さんが集まっており、皆さん橋に向けてカメラを傾けていました。海の上から橋の下を通るというのは船乗りでないとなかなかできない体験ですもんね。

橋の真下から

外に出ると体が冷えたので、自販機でカップヌードルを買いそれを夕食代わりにすることにしました。船内にはレストランがあってそこでバイキング形式の夕食も食べられるのですが、帰りの船のお楽しみに取っておきます。冷えた体に温かいものは五臓六腑に染み渡るもので、普段食べるカップ麺とはまた違った味がしました。

冷えた体に沁みるカップヌードル

時計を見ると時間は20時半ごろに。船は翌朝の7時着ですが、なんやかんやで朝はバタバタするので早くも就寝。雑魚寝部屋では映画が上映されていましたがそんな中でも寝ている方がちらほらといらっしゃいました。私も音が出ている明るい部屋で寝られないタイプですが、掛け布団を顔まで被って半ば強引に眠ります。おやすみなさい…

③別府に到着、地獄めぐりへGO

そして翌朝、5時半ごろに起床。朝食もバイキング形式ということでこのようなメニューをいただきました。なぜかサラダを食べた後の写真となりましたが、健康的なメニューですね。

朝食。朝はパン派だが、外に出るとごはん派

船は定刻通り、7時ごろに別府港へ。雨の予報が出ていましたが予報通りにガッツリ雨。船を下りたお客さんはほとんどがバスで別府駅方面へ向かって行きました。一方の私ですが、地獄めぐりで知られる鉄輪方面へ向かおうと思います。フェリーの案内所で別府観光に便利な亀の井バスの一日乗車券を一枚1,000円で購入して鉄輪行きのバスに乗り込みます。

別府港から30分ほどバスに揺られて鉄輪に到着、雨の平日ということもあり人出はまばらでした。早速地獄めぐりを開始するのですが、すべてを紹介していると長くなるので印象に残ったところだけ紹介します。まずは鉄輪のバス停に最も近い地獄が「白池地獄」。ここで七つの地獄をめぐるために必要な共通券を購入して地獄めぐりのスタート。白池地獄では白く濁った池から煙が立ち上る姿を見ることができます。その姿はまさに「地獄」、このような光景があと6回続きます。また、白池地獄ではその地熱を利用して熱帯に生息する淡水魚の飼育もおこなわれています。

白池地獄
白池地獄の熱帯魚①
白池地獄の熱帯魚②
白池地獄の熱帯魚③

また、ここにあったゴミ箱が非常にユニークなものでして、「美を護る箱」と書いて「護美箱」。その手があったかと感心してしまいました。

「護美箱」と書いて「ごみばこ」

続いての地獄は「鬼山地獄」。こちらも地熱でワニの飼育が行われており、頭数にして約80頭。また、ここの建屋は噴気成分のナトリウムによる腐食に強いとされる「ボルネオテツボク」という木でマレーシアの伝統家屋を再現したものになっています。噴気の迫力とワニの威圧感をダブルで楽しむことができます。

鬼山地獄

その次の「かまど地獄」では、外国人観光客の方がたくさんいらっしゃいました。「一丁目」「二丁目」といった感じに番地が分かれており、番地によってそれぞれ異なる雰囲気を味わうことができます。中でも目を引いたのが「飲む温泉」、これを飲むと健康に良いとされていたので少量と書いていたのにコップ半分以上に入れてしまいました。気になるお味ですがほんのりとした塩気があり、おかゆの汁に似ていました。このほか、地獄の噴気を吸うことで呼吸器に効くとされる「吸う温泉」というのもありました。

かまど地獄

この後は「海地獄」「鬼石坊主地獄」、少し離れた場所にある「竜巻地獄」「血の池地獄」の順に地獄をめぐりました。海地獄はその名の通り真っ青な池から噴気が湧き出る姿から、鬼石坊主地獄も白く濁った池から噴気が湧き出る様子が坊主の頭に似ていることからその名が付けられました。

海地獄
鬼石坊主地獄

さらに、地獄周辺をうろついてみるとこんなものが。全国各地で見られる「足湯」とは違い、蒸気で足を温める「足蒸し風呂」。蒸気が溜まった木箱に両足を突っ込んで10分ほど温めると冷えた足が驚くほどポカポカになりました。足湯とはまた違い、膝上まで温めることができます。

足蒸し風呂。蒸気が逃げないようにタオルを敷き詰めている

竜巻地獄と血の池地獄はここまで挙げた5つの地獄とは2kmほど距離が離れているので車かバスでの移動が必要となります。竜巻地獄は数十分に一度、5~10分ほど真上に迫力ある大きな水柱が吹き出ます。血の池地獄は海地獄と同じ感じで真っ赤な池から噴気が湧き出ているので、名前も相まって最も「地獄感」を味わうことができるかもしれません。

血の池地獄
龍巻地獄

ここ鉄輪一帯の地獄ですが、千年以上も前から噴気や熱湯が噴出していたと伝えられています。この様子から、近寄ることもできない忌み嫌われた土地であったと言われており、現地の人が「地獄」と呼び始めました。この一帯に昭和3年、日本初となるバスガイドが添乗した観光バスを走らせ、海地獄や血の池地獄といった地獄を周遊する「地獄めぐり」が確立されたということです。別府が観光地として脚光を浴びるようになったのはそれ以降のことだと言われています。

④まだまだあるぞ、別府の魅力

七つの地獄をめぐってお腹が空いてきたところで、バスを使って山の方にある明礬(みょうばん)という地区に向かいます。目当ては「岡本屋売店」というお店の地獄蒸しプリン。別府ではかなり有名だということで、食べてみたいなと思っていました。プリン以外にもカレーやうどんなどのメニューも充実しているのでここでお昼ご飯を食べることにしました。私が食べたのは大分名物のとり天をのせたカレーライスと地獄蒸しプリン。とり天は衣がサクサクで鶏肉も非常に分厚くカレーとマッチしていました。そして、気になる地獄蒸しプリンですが、固めに作られているにも関わらず滑らかな口触りでとてもおいしかったです。

昼食を食べ終えたところで別府の市街地に戻り周辺を観光しようと思います。バスを降りて最初に向かったのは別府タワー、1月末に改修工事を終えて営業を再開したばかりの別府を代表する名所の一つです。朝から降り続いていた雨は止みましたが、依然曇天の空模様で遠くを見渡すには至りません。それでも、港に停泊している「さんふらわあ」が見えるなど別府の街並みを楽しむことができました。

別府市街を一望
緑色の屋根の上に見える船が「さんふらわあ」
別府タワーと別府の街並み

続いて向かったのは街中にある「竹瓦温泉」、別府に来たからには温泉に入らないわけにはいかないでしょう。明治12年に創設され、正面は唐破風造の屋根を持つ外観を持ちます。普通のお風呂と砂湯を楽しむことができますが、以前に指宿の砂蒸し風呂に入ったことがあるので今回は風呂のみ楽しむことにします。今風のスーパー銭湯とは違ってシャワーはなく、頭や体を洗う際は浴槽のお湯を汲んでやらないといけないので、若い人には少し手間かもしれません。私は風呂に浸かるのを楽しむため、サウナのように5分風呂→上がって5分休憩を3セット繰り返しました。ピカピカのお風呂に入るのもいいですが、昔懐かしの公衆浴場の雰囲気を楽しむのもたまにはいいものですよ。

竹瓦温泉の外観①
竹瓦温泉の外観②

⑤復路の旅路

温泉から上がると、帰りのフェリー出航まであと2時間半ほどになっていましたので名残惜しくもフェリーターミナルに戻りますが、帰りのフェリーは個室を取ったのでそれを楽しみにしています。また、船内での夕食はバイキング形式ということで、それも非常に楽しみです。

この日は週末の金曜日ということで行きの船よりも人の数は多いように感じました。学生の団体もいましたが、それよりも家族連れの方々が多いという印象を受けました。「雑魚寝にしなくてよかった」と優越感に浸りながら個室の扉を開けました。窓はないものの、脚を伸ばせるベッドがあるだけで安心感は段違いでした。

乗船してから間もなく、この日2回目のお風呂に入ってからお楽しみの夕食。1,500円でバイキング形式の夕食を楽しめるのですが、乗船受付の際にもらえる船内商品の1,000円引きクーポンを使って500円で食べることができました。電気代が高騰しているということで節約生活を送っている中、500円で食べ放題というのは非常にありがたいですね。

大分名物のとり天やりゅうきゅうといった郷土料理中心のメニュー。刺身が好きな筆者は2回ほどご飯とおかずをおかわりし、さらにデザートやフルールも食べたので、おかげさまで腹八分目をゆうに超えて吐きそうなくらいでした。強風で揺れがすごかったので余計にそう感じました(笑)

あまりにもお腹が膨れたおかげで、食後は全く動けず。ベッドに横になるなりそのまま寝てしまいました。往路での眠りが浅かったせいか深い眠りに就くことができたようです。

⑥旅のまとめ

今回はあまり経験のない船旅となりましたが、船での移動も現地での観光も十分に楽しむことができました。初めて訪れる場所で、最初はどのような計画を立てていけばよいかわからない部分もありましたが、地獄めぐりを入れておけば間違いはないなと感じました。実際に見てみるとその光景に圧倒されること間違いなしだと思います。

さて、改めて船内での過ごし方ですが、個室を取らない限り自分の時間を過ごすことができるスペースの確保は必要だと感じました。雑魚寝部屋を取った往路では、携帯の充電をできる場所が限られているため共用スペースのコンセントを使うかモバイルバッテリーを使うかという選択を迫られます。また、静かな場所でないと寝られないという方は追加料金を払ってでも個室を取ることをお勧めします。ただ、船の上で非日常を感じることができるのは非常に魅力的で、船内も豪華なので十分に楽しむことができるかと思います。

日本で船旅ができる場所は限られていますが、お金と時間に余裕があれば一度楽しんでみるのもありかと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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