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彷徨うおっさん16 お金との付き合い方とは結局。。。(4/4) お金の声を聞け

 前回は自己認識を高めて理性を発揮し、その上でお金の価値を正しく認識すべしと述べた。最終回の今回は、お金には目的と意思が宿っており、その前提で大事に付き合う必要があることについて説明したい。


お金は、自分と目的を共にする、意思を持った伴侶と思え


③お金は目的を有していることを忘れてはならない>

 貯めるにしても使うにしても、お金には目的や意思が宿る。例えるならば自分に関わるお金は、目的を共にする意思を持った伴侶と思った方がいい。
 伴侶を人前で裸にするだろうか?他人に無為に見せびらかすだろうか?別の誰かと寝ろ(目的外に使う)というだろうか?普通の神経では考えられない。お金だって全く同じなのだ。

 また、お金を借りるという事は、分相応の自分に、美人で気立ての良い娘が嫁いできたようなものと同じだ。もしくは、先見の明で自分に惚れ込んでくれて、周囲の反対を押し切って一緒になったようなものだ。

なんという幸運、そして責任、プレッシャーであろう。

 こうした状況ならば、まともな人がとる行動はただ一つ、伴侶(お金)を大切にすることである。すなわちその人だけを愛すること(支出目的がブレないようにする)。想いを遂げさせること(利潤を出してきちんと返済する)。喜ばせること(より意味のある投資や事業にすること)だろう。

ところがそれを見失ってうまく行かない人が時々いる。

再び、おっさんの体験を話す。

 ある人(Bさん)の息子さんが数百万円単位の奨学金を抱え込んでいた。息子さんは好きなことをやって生きると称して収入は安定せず、もう限界なので破産申告したい。その前に専門学校に行くので、もう百万円をとBさんに普請したそうだ。

 Bさんもまた、事業に失敗して借金だらけであったが、どういうわけか借り入れた事業資金を、言われるままに息子さんの学費に充てていた。。。
 しかも一方で息子さんに対して破産は絶対に許さないなどとも言うのである。

 Bさん本人はまもなく60歳になろうという方である。破産しないという事はなんとしてもお金を返すという事だが、現状で何年かけて息子さんの数百万円、そして自身の事業の借金を返すというのだろうか。。。聞いていて開いた口が塞がらなかった。

 お金には必ず目的がある、事業のために貸し出されたお金は、利子をつけて戻すことが約束されている。また、経済活動を通じて世の中を幸せにすることが期待されている。そしてお金を借りた人は、最低でも前者は守らなければならない。

 だがその事業費を家族の学費に使う事はとんでもない浮気者である。増える見込みどころか返す見込みすらない。単に銀行から騙し取ったに等しく、あまりにも節操がない。

 また、お金が本当に工面できなければ、破産申告はやむを得ない。それは伴侶で言うと離婚と例えられる。不名誉ではあるし辛いが、お互いのためにも最終手段として受け入れるしかない時もある。
 特に事業をやっていると莫大な固定費が毎月発生する。未練たらたらでは負債は拡大する一方である。当然、事業を畳むという決断力が必要である。


 この例は少々極端ではあるが、事業主でなくても普通のサラリーマン家庭の家計であっても、お金には目的が必ずある。
 老後、子供の学費、マイホーム、月々の家計予算など。。。それらに垣根を設けないことも一応は可能ではあるが、目的を持たせて運用管理しないと、達成は非常に難しいだろう。いつまで経ってもお金が貯まらないし、貯めている最中も、目標のどこまで届いたか見えない状態が続くのはしんど過ぎる。

<お金は悪くない>


 また、お金を悪いものと認識している人がいる。人の欲望に結び付けることによって、汚い、悪いものであるかのように言う人がいる。

だが真理として。。。
お金は(良い悪いにかかわらずあらゆる)欲望を叶えるための手段の一つである。だからこそお金には目的や意思が宿るのである。
人間が欲望を持つことは自然なことであり、それ自体は善悪とは無縁である。
お金の持つ目的や意思は人間の欲望の中身によって決まる。
お金に罪はない。むしろお金からすれば、その意思を阻害する使い方をする人の方が余程筋違いである。


 お金を悪者と捉えると、欲望に正しく向き合うことができない。だから妙なお金の使い方をしてしまう。例えば「セレブが催すような分かりやすい慈善活動」などにお金を費やしてしまう。だが、紹介してきたように、こういう使い方をすると、心が空虚になって逆に欲望を増幅させてしまう。

 お金の声を聞いてほしい。このお金は商売のために動きたい。このお金は明日の糧のために動きたい。このお金は貸主の想定する目的を背負っている。例えるならば各々がそのように意思を持って存在しているはずだ。
 お金を悪いものと捉えていると、こうした声が聞こえなくなってしまう。何度も言うがお金には目的や意思が宿っているのだ。
 いい加減、お金を悪いものと言うのはやめにしたらどうだろうか。むしろ悪いのはお金の使い方が分かっていないあなたなのである。

<結局、正しいお金の使い方とは>

 近年はお金持ちになる方法や、節約法、少ないお金で幸福になる方法など、分かりやすい反面、不十分かつ危うい教えが蔓延している。
 だがお金の使い方は自分にしか決められないのだから、事情が異なれば、他人のメソッドは参考程度でしかない。小手先のメソッドに振り回されるよりも、お金の本質を理解し、伴侶としてどう付き合うかを考えた方がいい。

まとめると。。。
 ①見栄や依存を捨てて不幸になる支出をしないこと
 ②お金の声(意思)を聞くこと
 ③それらができたら理性的にお金に意思を宿らせること

どうか忘れないで欲しい。

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