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ターゲットを選定しよう②~新しい市場を切り拓く方法~

こんばんは。コウイチです。
本日のテーマは「ターゲットを選定しよう②~新しい市場を切り拓く方法~」になります。以前、ターゲットを決めるSTP分析の最初のプロセスである、「セグメンテーション」について書きました。

今回はさらに踏み込んで「マーケットセグメンテーション」について書きたいと思います。「ブランディングの教科書-ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる(羽田康祐 k_bird 他 (著))」では「隠れた市場機会を発見する方法」として「マーケットセグメンテーション」が説明されています。

今回は本書で書かれているマーケットセグメンテーションの4つの方法について一部を要約して書いていきたいと思います。

1,市場を細分化する

市場にジャイアント企業が競合として君臨している場合に、その市場を切り出して新しいセグメントを提案する方法になります。切り出す際の軸としては下記のものが挙げられています。

・シチュエーション
・時間、タイミング
・人
・人の気持ちや価値観
・人と人との間柄

本書ではコーヒー市場の事例が取り上げられ、わかりやすく解説されています。その中の一つの事例として、家庭用コーヒー市場でのジャイアント企業、ネスレに対して果敢に切り込んでいたAGFの事例を取り上げたいと思います。AGFは従来の「家庭用コーヒー市場」を「自分用」対「ギフト用」に市場を細分化し、ギフト用市場に機会を見出しました。そしてギフト用市場にマーケティング資源を集中させ、成功を収めました。

この方法を梅干しのビジネスに応用すると、紀州の「南高梅」がまさに市場のジャイアントと言えるかと思います。もしあなたが他地域の梅農家でこのジャイアントに対抗するのであれば、上記のような軸を参考に自社が勝てそうな切り口を探してみることが有効です。例えば梅を食べる時間帯で切り出してみると「夜のお酒に合う、香りの強い梅干し」「お昼のおかずとして楽しめる、濃い味の梅干し」など色々案が出せるかと思います。ただしそれらのセグメントが前回触れた、「4つの要件」を満たすかどうか検討することが必要となります。

2,プロセスに割り込む

人が何を実現したいと思って行っている「行動のプロセス」について着目し、そのプロセスに割り込んで新しい市場を創造する方法になります。

本書では、スキンケア市場の事例が取り上げられています。従来のスキンケア行動において、まず洗顔をしてから化粧水を使い、その後、乳液や美容液を使うというプロセスであったのに対して、そのプロセスにある美容液を化粧水の前に追加することで肌の吸水性が良くなるという「導入美容液」という新カテゴリーの提案を行い、大ヒットしています。

3,市場を拡張する 

この市場を拡張する方法は、市場を細分化する前に「市場の定義そのものを広げる」ことで、競合不在のブルーオーシャンを開拓する方法になります。

本書で挙げられている事例の中の眼鏡市場について、ここで触れたいと思います。これまで「視力が悪い生活者」のための商品やサービスの市場であったのに対して、ある企業が「視力が正常な生活者」へ市場の定義を拡張した事例があります。その企業はPCやスマホなどからのブルーライトから目を守りたいという人に向けてブルーライトカット眼鏡の提案を行い、眼鏡市場を席巻しました。

4,市場をリフレーミングする

市場を定義し直す方法として、市場のリフレーミングがあります。この方法では市場と市場の間にこれまでなかった市場を創出することができます。その結果、自社がトップシェアとなることができるのです。

本書で挙げられている事例の中で、クイックルワイパーについて触れたいと思います。従来、家庭での掃除は「掃除機でゴミをとる」「ぞうきんで床を磨く」の二つに分かれていました。その二つを一度でできる商品として、ある企業はクイックルワイパーを発売しました。その結果、クイックルワイパーは大ヒットし、今や定番のアイテムとなっています。

まとめ

今回、マーケットセグメンテーションについて「ブランディングの教科書-ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる(羽田康祐 k_bird 他 (著))」の内容から一部を要約して書いてみました。マーケットセグメンテーションは市場を新たに創造することで競合との競争を回避することができる、という点で非常に重要な考え方だと思います。

なお、本書はセグメンテーションだけでなく、マーケティングについて実務に即した方法論が多数掲載されていますのでとてもオススメです。

お読みくださり、ありがとうございました。


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