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僕の人生〜初めてのパチンコ屋編②〜


前回までのあらすじ的なのを少し書こうかと思ったけどめんどくさいので気になる人は前回から読んでくれ


とりあえず続けていく



初体験の相手の名前はシオラー30


僕が取った係長というフダが刺さった台、ソイツの名前はシオラー30という沖スロだった

シオラー30

今見てもゾクゾクしちゃう コイツは俺の思い出のパチスロだ
後告知も無いしリーチ目的なものもない 完全100%先告知 非常に硬派な台であった
初心者の俺には丁度いいデビューマシーンだった

※ちなみにこの頃のパチスロは同じ機種なのに店によっては仕様が違うという明らかに法律的にアレなアレが横行していたが、俺の行った店は県内でも数少ない【ノーマル】のシオラーが打てる店だった


まぁ当時の俺はそんな事気にもしてなかったが



とにかく俺はドキドキして座っていた


2.3分くらい経った頃だろうか 馬鹿が俺に指示を出してきた


「メダルを入れてレバーを叩いて遊ぶんだよ。やってみな」





俺は一瞬この馬鹿をブン殴ってやろうか迷ったが辞めた 師匠なので


あのな??そんな事くらい分かるんだよ 中坊の俺ですら明らかにメダルを入れるっぽい所があるのは分かる レバーだって見りゃわかる とにかく構造は分かるんだよ 舐めるな

俺はな、メダルが何処にあるか分かんねーんだよ 馬鹿はなぜそれが分からないのか

本当にコイツと居ると疲れる 次からは1人で来よう

そんな事を考えているとやっと俺が何に戸惑ってるのか気付いたのか馬鹿がメダルの借り方を説明してきた あと数分放置されてたら殺す所だった 危ない危ない



まぁとりあえず馬鹿は許した 次はないが




よし、始めるか…



そう思い俺はまず財布の中から500円玉を取り出した 中坊の500円は大人でいう5000円くらいの価値がある 大金だ 心臓が破裂しそうになる



でもめげない 男の子なので



俺はあまりの重圧に泣きそうになりながらも500円玉を投入しようとメダル借り機的な物に手を伸ばした

しかし無い 500円玉が入りそうな所が どういうことだ?? まだ何か越えなきゃいけない壁があるのか??

そう思いながら俺が機械を良く観察していると横に座っていた南国系の国出身っぽいカタコトの陽気なババァが話し掛けてきた


「ニイチャンハジメテ??? コレセンエンカラシカハイラナイヨー」




俺に衝撃が走った 









何故なら1000円札は1枚しか持っていないからだ



1000円札1枚と500円玉2枚、そして100円玉が多分9枚、あとはカス硬貨の集合体というアレで構成された俺の財布の中の全財産約3000円


なんと実質的な戦力は1000円1枚だけだったのだ


俺は本当に震えた 今から俺はこの唯一の1000円札をメダル借り機に入れる事になるのか…(ちなみに中坊の1000円は大人にとって10万円ぶんくらいの価値がある)

※なぜ500円玉と比べて価値が跳ね上がってるかと言うと財布にお札が入ってるか入ってないかは雲泥の差である為


さすがに躊躇した いきなり1000円札を入れるのは 本当はチマチマ100円玉で遊ぼうと思っていた 初手500円玉は俺なりの“見栄“であった


それすら許されない これが大人の遊び場…




行くしかないのか…



これが無くなったら俺はまた兄のパシリで稼ぐか、親父の財布からルパンするしか残されてない





「くっ…ええい!!!ままよ!!!!」




俺は1000円札を入れた





ガッシャガッシャガッシャガッシャ




溢れんばかりのコインがメダル借り機から出てくる やってしまった 俺は放心状態だった


しばらく動けずにいると横のババァに怒られた 早く自分の台にコインを移動させなさいと。(この頃のパチ屋はサンドは2人でひとつが基本だった。つまり俺がコインをどかさないとババァはコインが借りられない状態だったのだ。)


なんだコイツ…

そう思いながらもとりあえず俺は怒られたからコインを全部自分の台へ移動させた


覚悟は決まった あとは見よう見まねでいける コインを投入口的な所に入れてレバーを下げるだけだ









……手加減なしだ いくぞ!!!!!!



















コインが無くなった







俺は途方に暮れた 





特に何かが楽しかった訳でもない たまに3枚とか8枚とか戻ってくるけどそれがなんだというのだ 意味がない

この感情をどうすれば良いのか俺には分からなかった


いっそ馬鹿を殴って1000円返して貰って帰るか真剣に悩んだ 



それほどまでに俺の心は乱れていた








パチ屋の中で俺の時間だけが止まっている 








そんな時だった




横のババァの台がピカピカ光り出して陽気な音楽を奏で始めたのだ


ババァの方に視線をやると




777が揃っている





するとどうだ、ものの数分でババァの台から大量のコインが出てきたのだ








生まれて初めて見た大当たりだ 俺もこれをやれば良いんだと思った





そうだ 俺はまだ舞えない訳じゃない もう少し頑張ってみよう

そう思い立ち馬鹿の所に行った



しばらくして馬鹿を見つけると俺は500円玉2枚を渡し1000円札に替えてもらった


馬鹿はニヤニヤしていた 本当に手が出そうだった



苛立つ心を抑えて台に戻る 




大丈夫簡単だ、スロットていうのはババァみたいに7を揃えればいいだけなんだ 



よし、毎回狙ってみよう きっといつか揃う


俺は深呼吸をした









いくぞ!!!!これが俺の物語だ!!!!













コインが無くなった






しばらく動けなかった 意味が分からなかった

何度か俺は完璧なタイミングで押していた様に思える なぜ揃わないんだ







本当に終わりだ 俺は二度とパチンコ屋さんに行かない そう思った



帰ろう



フラつく身体を何とか起こし俺は馬鹿の元へ行った


「俺帰るわ。あと1週間は顔見せないでくれ。多分殴っちゃうから。」


俺はそう言い残しその場を去ろうとした








「ちょ待てよ!!」



俺が振り返ると馬鹿は

「そんなすぐ出るもんじゃねーよ。これをお前に貸す。出たら返せよ」

そう言いながら一万円札を渡してきた



意味が分からなかった 中坊の俺にとって一万円札というのはお年玉の時にしか見る事の出来ない御伽の国の紙幣だ 


そんな幻の紙幣を馬鹿は俺に渡してきたのだ なんてイケメンなんだろうか


今まで心の中でずっと馬鹿呼ばわりしててごめん 俺、心入れ替えるよ


そう思えた


するとどうだろう 俺はまたチカラが湧いてきた まだ戦える、俺はまだ戦えると 全身がそう言い始めた





「ありがとう師匠…」



そう伝え俺は台に戻ろうとした


すると師匠は

「あ、お前さっきずっとコイン1枚で回してたろ。絶対777揃わないからコイン3枚で回せよ」


そう言ってきた







マジで殺してやろうかと思った




やはりコイツはダメだ 馬鹿すぎる


一旦外に連れてってボコるか悩んだがせっかく貰った一万円を返せと言われるのが怖かったので「ありがとう。助かったよ」とだけ伝えて台に戻った たぶんあとでコロス 覚悟しとけ



とにかく俺の最後の勝負が始まろうとしていた…





とりあえずまた長くなってきたのでここで一回区切る事にしよう




次回感動の決着編だ









これが俺の物語だ







ザーメン

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