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漫画万歳!(6)高台家の人々

マザーブレイン社の月報に投稿した記事を紹介していきます。月報の空きスペースに挿入しているので、月によって長さがいろいろです。この連載は気ままな個人的な感想ですので、ご意見は大歓迎ですが、あまり真剣なご批判は、泣きたくなるのでご容赦願います。

MOTHER BRAIN MONTHLY REPORT

今回もストレス解消におススメの女性漫画をご紹介します。2016年に綾瀬はるか主演で映画にもなった「高台家の人々(こうだいけのひとびと)」です。思わず笑いがこみあげるので、電車の中やおしゃれなカフェで読むのは要注意、私は腹がたったり落ち込んだりするとよく読み返します。「ごくせん」や「研修医なな子」「あしガール」の森本梢子の作で、この方のギャグはいつも面白いのですが、高台家の人々では、ぶっとんだ「妄想」が秀逸なのです。

主人公の平野木絵は、30歳過ぎて何の取り柄もない地味でうじうじした性格のダメOL。唯一の趣味ともいえる妄想を日々楽しむ毎日でしたが、そこに心を読めるテレパスの超イケメン高台光正(こうだいみつまさ)様が転勤してきます。光正様は、好むと好まざると人の心が頭に入ってくるので疲れてしまっているのですが、木絵の妄想は純粋無垢でぶっ飛んでいるので、いつの間にか癒されていきます。テレパスってかっこいい気もしますが、読みたくなくても頭に流れてくるのってつらいよね~と光正様に同情しつつ、現実だったら心を読まれるのはやっぱりイヤよね~と思ったり。いつ彼のヒミツがバレるのか、バレたらどうなるのか、ずーっとハラハラしながら、木絵の妄想を光正様と同じようにのぞきみして楽しませてもらっているような、そんな感覚になります。

何をやらせてもダメな木絵が、イギリス貴族の血をひく高台家とかかわって、さてどうなっていくか? ネタばれになったらごめんなさいですが、ある意味シンデレラストーリー的なワクワクもあって夢中になれます。綾瀬はるかの主演も木絵のイメージにピッタリ、光正様は斎藤工くんで、とてもよくできていました。でもやっぱり、妄想にブブッと吹き出してしまうあの快感をぜひとも味わっていただきたいので、漫画を読んでいただきたいなあと思います。

2019年9月号より


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