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イエローカレー(แกงกะหรี่ ゲーン・カリー)☆タイカレーあれこれ(4)☆

身近なタイ料理としてタイカレーについて解説します。
「タイカレー」とは、外国人が使っている料理名で、タイ人は、スープも含め汁物全般をゲーン(แกง)と呼んでいます。では、タイカレーとは何かというと、辛くて少しとろみがあってご飯にかけて食べられるゲーンのことを外国人が称したものということになるでしょうか。ここでもあえて「タイカレー」という言葉を使いながら話を進めていきます。
Mother Brain

タイの三大カレーとして、グリーンカレー、レッドカレー、そしてイエローカレーがよくあげられます。日本人だけでなく、欧米人にとっても「カレー」のイメージに最も近く、辛さが抑え目なので食べやすいからでしょう。でも、実は、一般的なタイ人はマッサマンカレー同様、あまり積極的に食べません。もともとターメリックが苦手というか、好んで使いませんでした。ですから日本のカレーも昔は食べようとしませんでした。タイ人を日本料理でおもてなししようとして、カレーを出して、ゲーッと言われた方もいるでしょう。 

そういえば、日本食レストランが今のように乱立する前は、ふつうの日本のカレーが食べたくても食べられないことがありました。日本食レストランに行くと、工夫して粉から作って、あんまり美味しくないカレーを出すところが多かったです。当時は、カレールーを買うのも一苦労でしたので無理もないのかもしれません。

そんな事情でしたから、在タイが長く昔を知っている人たちは、ココ壱番屋が進出してきたときに、正直タイでは無理ではないかと思っていたようです(私も)。日本ブームでタイ人が日本食を食べるようになり、日本のカレーも好んで食べるようになりました。まさかここまで抵抗なく日本のカレーを食べる人が増えるとは、本当に思いもしませんでした。


今回、この記事のためにイエローカレーを検索しようとして「แกงกะหรี่(ゲーンカリー)」という単語を入力すると、もっぱら日本のカレー「แกงกะหรี่ญี่ปุ่น(ゲーンカリー・イープン)」が上位にあがってきて、ふつうにイエローカレーについて調べるのに苦労しました。イエローカレーをタイ語にした「แกงเหลือง(ゲーンルアン)」と呼ばれることもありますが、ゲーンソムというスープもゲーンルアンと呼ばれたり、ココナッツミルクを使っていない南部の辛いゲーンルアンもありますので、なんだかちょっと混乱してしまいます。まあ、そんな事情もあるというのを心にとめておいてください。
 
イエローカレーは、インドの影響というか、インドの影響を受けた外国人の影響を受けたカレーなのかもしれません。ターメリックを使ったカレーが、インドからイギリス、そして世界各地にひろがって、タイにやってきたらこういう形になりました!ということでしょう。しっかりとタイ独特の味わいがあります。もっとも特徴的なのが、ココナッツミルクを使っている点でしょう。
 
地域によって多少の違いがあり、中央はマイルドでまったり、北部は少し水分が多めのさらさらした感じがします。南部もさらさらタイプですが、イスラムの影響が強く、チキンやシーフードをメインとして、ジャガイモを使うことがあります。ジャガイモは、本来、タイにはなかったものですので、一般のタイ人はあまり食べません。また、マイルドで食べやすいはずのイエローカレーですが、南部のものはしっかり辛いのでご注意ください。
 
タイらしいイエローカレーを手軽に味わってみたかったら、レトルトを試してみてはいかがでしょう。ヤマモリのタイカレーシリーズの中で、やはり日本人には、このイエローカレーは人気です。パッケージを見るとジャガイモが使われているようですね。ぜひタイ料理レストランでみかけたら注文してみてください。タイ人と一緒でしたら、いろいろウンチクを聞いてみるのもいいでしょう。
 
まだまだタイカレーネタは続きます。このネタがどこまで続くか私も自分でドキドキだったりします。次回はなんのカレーかな? どうぞおたのしみに!

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