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ゲーン・パー(แกงป่า)☆タイカレーあれこれ(11回-最終回)☆

身近なタイ料理としてタイカレーについて解説しています。
「タイカレー」とは、外国人が使っている料理名で、タイ人は、スープも含め汁物全般をゲーン(แกง)と呼んでいます。では、タイカレーとは何かというと、辛くて少しとろみがあってご飯にかけて食べられるゲーンのことを外国人が称したものということになるでしょうか。ここでもあえて「タイカレー」という言葉を使いながら話を進めていきます。

Mother Brain

「ゲーンパー」のゲーンは、スープやカレーのこと、パーは森という意味なので、「森のカレー」とか「ジャングルカレー」「ワイルドカレー」という名で呼ばれています。ココナッツが採れないようなジャングルの高地で、猪や鹿など狩猟した動物を使って作ったカレーと言われますが、ナマズや雷魚などの魚もよく用いられます。臭みを消すためにたくさんのスパイスを使って、グラチャイ(ショウガの仲間)が入るのも特徴です。

グラチャーイ/Fingerroot

とはいっても、今の家庭で猪や鹿肉を使うことはまずないので、各家庭や店の好みというか都合ということで、鶏や豚を使ったゲーン・パーも普通です。日本人はなぜかイサーン発祥というイメージを持つ人が多いようですが、他のタイカレー同様、タイ中部生まれです。タイ語のwikiによると、県によって特徴があるようで、たとえばペッチャブリー県では、カレン族のトウガラシとガピという海老のペーストを使います。ラチャブリー県は、バジルの葉やスターアニス、クローブなどのいろんなスパイスを入れるようです。スパンブリー県では、乾燥トウガラシとフレッシュなトウガラシを両方入れるのがこだわりのようです。
 
私が初めて食べたのは、カオヤイ国立公園に旅行した時で、「猪肉があるぞ、猪ならゲーン・パーだ!」ってことで勧められたのでした。猪は、タイ語で「ムー・パー」、森の豚という意味で、その経験から、ゲーン・パーとは、猪カレーなのだと、長い間、勘違いしておりました。私のように猪カレーとは思わなくても、森のカレーだと思っている人は多いようですが、実は、名前の由来は他にあるとも言われています。森に住む人がわざわざ「森のカレー」と名付けることはないので、名づけ親は都市の人ではないかと。タイには「ปากะศิลป์(パーガシン)」というレシピ本があり、その中で紹介されていたので「ゲーン・パー(ガシン)」と呼ばれていたのが、いつの間にか森と一緒になって「ゲーン・パー」となったとも言われます。
 
私の印象では、カレーというよりスープだったのですが、その辺もいろんなバージョンがあるのでしょうね。どんな味かと言うと、これも定義があるようなないような・・・? とにかく辛い!というのがまず浮かぶのですが、やはり獣臭さを消す工夫でもあるのでしょう。レッドカレーに近いという人が多く、実際、レッドカレーペーストで作る人もいるようですが、さらに追加でいろんなスパイスやハーブを入れます。

Lobo公式サイトより

Loboシリーズにしっかりゲーン・パ―のペーストがありました。英語では、Country Style Red Curry Pasteとなっています。ココナッツミルクを用意する必要がないので、料理にするには、他のカレーよりも作りやすいと言えるかもしれません。日本でタイ料理やタイカレーを恋しがっている辛い物好き向けのお土産になるかもしれませんね。 

いい味、ヤマモリ♪ 幻のカレー

驚いたのが日本でもヤマモリと無印良品から販売、ずいぶんな冒険をしているもんだなあと思ったら、ヤマモリは数量限定販売で、今現在は生産していないようです。一度、食べてみたかったです、残念!
無印は、がんばっているんでしょうかねぇ。「激辛だけど具沢山で美味しい!」との評判のようです。


タイカレーあれこれ

さて、これまで11種類のカレーを紹介してきました。知らなかった、食べたことないというカレーもあったのではないでしょうか? これからタイ料理屋に出かけたら、食べたことのないカレーに挑戦してみてはいかがですか? また、地方に旅行する時の楽しみの一つになったらうれしいです。

カレー作りを学んでみたいという方は、プライベートレッスンもありますので、下記の連絡先からお問い合わせください。

Mail: saladee.aosawa(@)gmail.com   =(@) のカッコははずしてください
TEL/SMS: 081-836-6350
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青澤まで

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