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ゲーン・タイプラー(แกงไตปลา)☆タイカレーあれこれ(8)☆

身近なタイ料理としてタイカレーについて解説します。
「タイカレー」とは、外国人が使っている料理名で、タイ人は、スープも含め汁物全般をゲーン(แกง)と呼んでいます。では、タイカレーとは何かというと、辛くて少しとろみがあってご飯にかけて食べられるゲーンのことを外国人が称したものということになるでしょうか。ここでもあえて「タイカレー」という言葉を使いながら話を進めていきます。
Mother Brain

ゲーン・タイプラーは、タイ南部の伝統的なカレーです。タイ語がわかる方は、ここで「タイプラ―」を「タイ(ไทย)の魚(ปลา)?」それとも「南(ใต้)の魚?」と思うかもしれません。このタイプラ―は、表題にもある通り、ไตปลาと書きます。ไตは、腎臓のことで、タイプラ―はつまり魚の腎臓でもありますが、内臓を発酵させた調味料のこともタイプラ―と言います。ゲーン・タイプラ―はこの発酵調味料を使ったカレーです。
 
南部は魚が豊富に獲れます。タイプラ―に使われる魚は、サバ、ハコフグ 、ナマズ 、ライギョなど様々で、魚を料理した後に捨てる部分は捨て、内臓は塩漬けして10〜30日間発酵させます。魚の内臓の発酵調味料…ご想像の通り、なかなかに強烈なニオイです。南部料理は、激辛なのですが、その中にもほんのり酸味を感じます。魚臭いのが苦手な人には、なかなかきつい料理で、好き嫌いもすごく分かれる気がしますが、苦手なはずの私はちょっとハマってしまいました。日本人的には、魚の風味より、辛さで断念しそうですね。
 
南部料理と一言で言っても、県によって微妙に違うようで、材料は魚と野菜、ウコンやレモングラス、コブミカンなどのハーブ類ですが、エビが使われたりココナッツミルクが使われるところもあるようです。ですから、一度、食べてちょっと合わないなあと思っても、別の場所でもう一度挑戦してみていただきたいです。日本人ならクセになってしまう何かがあります。ただ、やはり問題は辛さなんですよねぇ。。。ご飯にも合いますし、カノムチーンという麺で食べてもいいと思います。食べたことがない方は、とにかく一度、トライしてみてください! バンコクでも南部料理店を検索していただくと、食べられる場所はいくつもあります。


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