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漫画万歳!(19) ~あさひなぐ~

マザーブレイン社の月報に投稿した記事を紹介していきます。2019年4月からスタートしたシリーズを多少の修正を加えて掲載します。気ままな個人的な感想ですので、ご意見は大歓迎ですが、あまり真剣なご批判は、泣きたくなるのでご容赦願います。

MOTHER BRAIN MONTHLY REPORT

漫画を買ってつまらないものにあたって失敗することが増えると、つい完結を待って評価をチェックして買うようになってしまいます。そんな自分をなんだかつまらないなあとは思うのですが、評価が高いのは、それなりの理由があるようです。自分の印象だけでは、絶対読もうと思わなかったのに、その面白さにうならされることもありますし、気にはなっても買うほどとは思っていなかったものが大当たり!ということもあります。

「あさひなぐ」は、「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で2011年1月から2020年9月まで連載、最終巻の34巻が9月30日に発売されてSNS上で話題になっておりました。高校生の部活モノでテーマは薙刀(なぎなた)という渋さ、主人公が背が低くてメガネで何をやってもダメで運動神経もほとんどないというところが、連載中の「弱虫ペダル」に似た感じかなあと思いつつ、買うまでの決心がつかずにおりました。評価を見ると絶賛の嵐という感じで、「泣いた」「感動した」という言葉が並んでいます。これは、買うしかないでしょう。買ったらイッキ読みしちゃいました。

主人公の東島旭(とうじまあさひ)は、地味でまじめな性格でひたすら努力を続けるタイプなので、それだけではつまらないのですが、周りのキャラクターがとにかく強烈で、運動部らしくみな口が悪いのがまた気分がよいほどです。仲間や先輩、先生、ライバルたちのそれぞれが丁寧に描かれていて、どの登場人物のことも応援したくなってしまいます。スポーツは、勝ち負け関係なく、誰もが主役だと知らされます。設定こそマイナーですが、主人公が努力して強くなり、チームも強くなっていく、王道のスポ根青春漫画で期待を裏切りません。

何よりテンポがいい! 34巻で終えてしまったその潔さもいい! スポーツものは、3分の話が何話にもまたがってじれったくなることがありますが、薙刀の試合時間が3分、2本先取で勝敗が決まるので、それもストーリーのテンポをよくしているようです。

それにしても薙刀というスポーツのマイナーっぷりには驚かされました。「薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム!」という言葉につられて主人公が入部を決めることから物語りが始まるのですが、初心者でもインターハイを目指せるほど競技人口が少ないということなのです。「乃木坂46」のメンバーが多数出演して映画化にもなったそうですし、この漫画のヒットで薙刀人口が増えるといいですね。



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