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漫画万歳!(16)~雪人YUKITO~

マザーブレイン社の月報に投稿した記事を紹介していきます。2019年4月からスタートしたシリーズを多少の修正を加えて掲載します。気ままな個人的な感想ですので、ご意見は大歓迎ですが、あまり真剣なご批判は、泣きたくなるのでご容赦願います。

MOTHER BRAIN MONTHLY REPORT

(2020年7月号)

バスケットの名門、能代工業が合併によってその名が消えることになりました。そんな話題がFACEBOOK秋田県人会で盛り上がっていたら、誰かが「ちょうど雪人という漫画で、鹿角(かづの)という店で能代と言う酒を飲んでいるシーンを読んでいるところです」という書き込みがありました。なぬ!? 秋田が関わる漫画を読み逃していたとはなんたる不覚・・・と、早速、購入しました。(ちなみに私は、秋田県鹿角市出身)

大沢在昌の小説「北の狩人」をもんでんあきこが漫画化、「ビッグコミックスペリオール」2011年18号から2013年23号にかけて不定期に掲載された作品です。大沢在昌といえば、ハードボイルドものばかりで、なかなか手にすることはなかったのですが、20年前にバンコククリスチャン病院に入院した時、ナースが前の患者さんが置いていったと「新宿鮫」を持ってきてくれました。携帯も何もない時代でしたから、すごくありがたく読ませてもらったという思い出があります。あやうくハードボイルドにハマるところでしたが、退院後の忙しさでそのまま月日は流れました。

この漫画の主人公、梶雪人は、12年前に警察官だった父親が殺された事件を追って秋田から上京します。秋田弁もろだしなんだけど、とにかくカッコイイ。祖父がマタギで、祖父に連れられて山に入って、獣とのギリギリの闘いをしてきたせいか、とにかく勘がよくて物事に動じないのです。刑事やヤクザとからみながら真相を探っていきますが、さすが大沢在昌、ヒリヒリするようなヤクザの世界が描かれています。ヤクザものは苦手なのですが、この漫画は、画もきれいで、登場人物が惚れたくなる人ばかりで楽しめました。秋田がからむということで読み始めたのですが、いい漫画に出会えて得した気分です。


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