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ポメラでつくったファイルをPC上でもシームレスに使う WZ editorとの連携を思索する

ここのところ仕事で、ポメラのアウトラインモードを利用して草稿をつくった上で、他の人とディスカッションしながら書類を仕上げる 、ということが増えてきています。

小理屈野郎は草稿をつくる係になることが多く、そうなるとポメラのアウトラインモードは無双だと考えているので、当該機能を最大限利用しながら草稿をつくっています。
草稿をつくること(原稿の内容を吟味すること)に時間をとりたいと考えていて、それ以外(書類の体裁を整えること)についてはあまり時間をとりたくない と考えています。体裁を整えることも大事ですが、その時間も草稿をつくったり推敲したりする時間に回したいのです。

さて、今回はポメラのアウトラインについて少し思索した上で、
その先の使い方について考えていきたいと思います。

ポメラのアウトラインモードのあらまし

ポメラのアウトラインモードは、記憶が正しければDM200から搭載された機能だと記憶しています。
アウトラインモード(アウトライナー)については大きく分けて2種類あるのですが、そのことについては一度note記事でアップしました。

この記事をまとめる前後はアウトライナーについての著書も含めていろいろと情報収集をしていました。
そのときに、ポメラのアウトライン機能はWZ editorのそれをほぼ踏襲している 、ということを知ることに至りました。

VZ editorとWZ editor

Windowsになる前、VZ editorというエディタソフトがあって、それを使用したこともありました。この両者について混乱しそうだったので、VZ/WZ editorについて調べてみました。

VZ editorは、確かシェアウェアだったと思います。それなりのシェアを得ていて、私も試用ということで使った 記憶があります。
軽快で使いやすい(そのときはアウトライナーなど気にしていなかったときですが)、という感触を持っていました。

ネットで調べてみると、私が試用したあと作者の方が諸般の事情により開発を中止する、という話になったようです。そのあといろいろな経緯があったようですが、機能などを継承する方向で新しく別の作者の方がつくったのがWZ editorだ とのことでした。
つい最近までのかなりの長期間、書類を作成する必要がない時期が続いていたので、特にこのあたりは情報を集めたりせずだったのですが、ここのところ職場でも書類の作成が多くなっていること、そして、アウトライナーを使った文書作成が非常にやりやすく、それなりの文章構造を持った文章を作成できる、ということに気づきましたので、ポメラだけではなくPC上(Windows上)でもある程度ポメラと似た環境をつくっているとポメラと連携できて便利ではないか 、と考えていました。
そんなところ、今年の8月頭に自分自身がコロナに感染し、2週間弱の出勤停止がありましたので、そのときに突っ込んでいろいろと調べてみました。WZ editorのホームページを訪れたり、その機能について詳細にチェックをしてみました。
ポメラのアウトライン機能については上記のようにWZ editorと(ほぼ)互換、ということなので実際にどのレベルまで互換性があるのかをチェックしてみることにしました。

WZ editorをインストールする

まずは、WZ editorのホームページを確認。ライセンス料は個人で7,800円(税別)とのことでした。
値段を一見したとき作者の方には申し訳ない(現在はそんな認識はありません )言い方ですが、単品のソフトとしては少しコストが高いな、と思いましたが、もし試用してよければ、今後も継続して使うこととし購入も視野に入れての試用 でした。

実際のところ、かなり使い勝手がよかったので、程なくしてライセンスを購入し、正規ユーザーと相成りました。

細かい設定をしてみる

ソフトをダウンロードして、そのあとインストールを行いました。
まずは起動してみて画面を見ましたが、非常にシンプルです。しかし設定などを見るとかなり細かいところまで設定ができる のでなかなか全部を把握することができません 。(すべてを理解した上で設定するのはワードの機能をすべて網羅して把握するのとおなじぐらいたいへんそうに思えました)
また、ここまで設定が細かくできる、ということはおなじエディタを使ってもアウトライナーとして使うユーザーもいれば、プログラミングのときに使おうというユーザーもいるし、ホームページを記載する(HTMLベースでテキストファイルを記述する)人もおり、その人たちのすべてに、プレインな状態でソフトとして提供したあと、設定で自分の用途に追い込んでいくソフト だと考えました。
以上のようなことから、小理屈野郎の場合はポメラのアウトラインモードで記載したファイルをそれに近い形で表示・編集(ポメラから離れても編集できて、またポメラに戻っても編集するという意味です)できるように 設定を変えてみことにしました。
小理屈野郎も、悪戦苦闘しながらポメラでつくったアウトライン文書をアウトライナーとして使えるように設定をいじってみました。
正しく最適なの設定をしているかどうかは自分で確認できそうにない のであえて設定については今回は触れないでおこうと思いますが、もしご希望があればまた記事にしてみようと思いますので、お声がけください。

実際の使用例

では、ポメラでつくったアウトライン文書を、WZ editor上で実際に印刷する 、というシチュエーションで利用してみたので、そのときのこと状況を書いてみます。

ポメラのアウトラインモードで作成したテキストファイルをそのまま印刷したところで、見出しの「#(設定によっては「.」)」が入っているだけで段落構造は慣れてこないと全く見えません (慣れてくるとなんとなく、こんな構造だな、ということが分かりますし、ポメラの場合は左のペインに構造が見えるようになっていますのでそれを見ながら編集するのに慣れてくるとその様になってきました)。
また、テキストがベタで入っているだけの印象で明らかに他人に見せる文章ではありません
見出しのスタイル設定を少しいじることでかなり見やすくなります 。見出しについてはWZ editorである程度デフォルトでスタイル設定をしてあります。それを利用してそのまま提出しても文章構造は少なくとも理解してもらえる程度の体裁にはなります。
どんな感じかを例示し、PDF形式でファイルを作成してそれをこのページに貼りこもうとしたのですがうまく行きませんでした。
ダウンロードしていただければ確認できます。ご不便をかけて申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

アウトラインモードでドラフトを印刷する

上記のように、体裁を考えた見出しの設定になっているので内部文書であればそのまま流通させることは可能と考えます。
印刷は、他のソフト同様メニューがありますのでそちらから印刷することで出せます。

実際に使ってみて

実際に今回は、画面上問題ないだろう、と思った内容を印刷をしてみて、そのあと思いついたことをWZ editor上で追加して再度印刷しました。その後そのプリントアウトを使用したミーティングがあり、内容を追加するために今度はポメラで編集してみたのですが、WZ editor上で追加されたものについてはポメラでも特に問題なく表示され、そのまま編集できました。

思ったよりスムーズである意味拍子抜け 、というところもありました。

これなら何度もポメラとWZ editorを行き来しつつ文章を推敲して、クオリティーを上げていくことができそうです。

まとめ

ポメラでできたアウトラインテキストをそれなりに見栄えがするように印刷するために、PC上のソフト(WZ editor)を使ってみることとし、設定等についても言及しました。
設定をしっかりすれば、ポメラでもWZ editor上でもほぼシームレスに作業ができました。
ポメラは特に集中して内容を考えるときによいですし、印刷などの外部に出す(紙に出力する)、アウトライン構成をもう少ししっかりしたいなどの少し広い機能を使うときに非常に便利だと言うことが分かりました。
更に、WZ editorのページを見ていると、Mac用のそれも出ているようです(価格はWindows版と同価格)。
おそらくポメラ界隈の方はMacユーザーが多いと思われます。その方たちにもおすすめできる、パソコンとポメラの連携法であると考えら得れました。


ポメラがWZ editor互換としているのは慧眼 だなという感じがしました。

ポメラはプロダクト型のアウトライナー ですが、WZ editorは基本的にはプロダクト型アウトライナーとして使用しますが、モードを変えると(アウトラインの中でもモードがいくつかあります)、ほぼプロセス型のアウトライナーとして利用することもできます
まずは、ポメラでアウトラインを組んで、思索的に少し積んでしまった、もう一息膨らませたい、深化させたいというときにWZ editorでポメラでつくった当該テキストファイルを読み込んでアウトラインモードを適切に変更して思索してみる のも一つの手かも、と思いました。こうすると思索する環境が変わるので気分転換もできる 、というのも大きなところです。
WZ editorで思索を継続し、できたファイル(追加のアウトラインを含んだテキストファイル)を再びポメラに戻せば、ポメラ側は純プロダクト型のアウトライナーですのでガシガシ執筆することができるのではないか?と考えます。
たいていの場合はプロダクト型とプロセス型のアウトライナーは両立しない のですが、ここまでシームレスに動けるのはすごいと思います。
おそらくWZ editorの設計思想が優れていて、たくさんの機能すべてを表に出さず、設定で引き出す構造になっているところがポイント なのだと考えました。
ポメラは最低限の機能にこだわりつつ、周りの機器で機能を拡張できるようになっている場面が多いと思います。KINGJIMがマニュアルなどで言及しているのは、メール送信、それに伴うプリント、pomeraLinkなどですが、それ以外の使い方として大きなヒントになりました。

ポメラ、ほんと、よくできていると思います。

少し出費はありますが、かなりいけているコンビだと感じました。

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