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映画「花束みたいな恋をした」ティーン向けの作品かとナメてたら号泣した

「花束みたいな恋をした」という言葉を、SNSでよく目にしていた。
少し調べてみると「有村架純」「菅田将暉」「恋愛」…
ほーん。なるほど。よくあるあれね、中高生がみるやつね。
と完全に思い込んでいた。鑑賞後の今は謝りたい。偏見すみませんでした。


これは20代以降、社会人にこそ響く作品

よくよく考えてみれば、メインキャストの二人、有村架純(絹ちゃん)も菅田将暉(麦くん)も20代半ば。勝手に学園物ばかりやっているイメージだったけど、もう大人なんよな。

見に行こうと思ったのは、単純に暇つぶしである。要するになにひとつ期待していなかった。
なんならレディースデイで安くなっていると思っていったのに、定価だった(その割引のない映画館だった)ので、見るのを一瞬ためらうくらいには興味がなかった。


内容はよくある話かもしれない

学生から社会人への過渡期、価値観が変わっていき、恋人間の空気や関係も変わっていくよね…という、まあよくありそうな話。
というより、私たち社会人の多くが経験してきた話であると思う。恋人に限らず、学生時代気の合った友人と、大人になってから会うとしっくりこない..というのは、誰にでもあること。

映画では、二人がいい感じになり、恋人になるところもしっかり描かれる。
見ていてニヤニヤしてしまう。「ああ、これはくっつくな」と本人たちも予感しているのが見て取れる。

以下ネタバレあり

恋愛感情が薄れ、価値観の変化によりすれ違いが多くなる二人は、最終的に別れを選びます。
しかし、麦くん(菅田将暉)は言うのです、「結婚しよう」と…。
恋愛感情はなくても結婚ならうまくやっていける、だから別れなくてもいいと思う、と言うのです。
その言葉を受けた絹ちゃん(有村架純)は揺れます。それでも、二人は別れを選択します。


ここから感想 変化したのは麦くんだけか

本編では主に、麦くんが変化したように描かれています。
好きだった本を読まなくなり、夢を追わなくなり、気づけば仕事ばかり。
一方で絹ちゃんは、学生時代と変わらず、好きなことやものに時間を使っている描写がありました。

だけど、変わったのは絹ちゃんも一緒です。

一番それを感じたのは、「絹ちゃんの対応の仕方」です。
麦くんと知り合った日、居酒屋で麦くんは知人女性に遭遇します。
それを目の当たりにした絹ちゃんは、不機嫌になります。

しかしその数年後、転職を考えていると麦くんに打ち明けるシーンでは、麦くんのバカにするような言動に反応していません。
「そうだね、ダサいなって思うよ」と一度相手の煽りを飲み込み、うまく返すシーンが描かれています。

社会生活の中で、彼女もまた変化した..ということだと感じました。

ふたりの出会いは特別だった?

偶然居合わせた二人が、周りにあまり理解されない共通の趣味をもち、話が盛り上がり..観ていると、まるで本当に「出会うべくして出会った二人」のように感じました。

でも、そんなことはない。という監督からのメッセージのように感じるシーンがありました。
最後、ファミレスで、過去の自分たちのような男女の会話を聞くシーンです。

「君たちのような出会い方は普遍的だ」と見せつけられているようにも感じ取れました。もちろん、「もうこんな時の二人には戻れない」というメッセージもあるのだと思いますが..。

世の大人たちに見てほしい作品だった

学生時代に恋をしていた人、恋人との価値観の相違でうまくいかなかった経験のある人、誰かを好きになったことがある人..すべての人に見てほしい映画です。
私自身、この作品を見て色んなシーンで涙しているので、逆に何も感じなかった人の感想もぜひ聞いてみたいです。

恋愛映画を映画館にまで観に行ったのは多分初めてでしたが、今後は偏見なくいろんな素敵な作品に触れたい!そう感じられる素敵な作品でした。

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