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通勤からリモートワーク、「すずめの戸締まり」と東京直下型地震まで

通勤
 パンデミックが起こってから、ようやく4年経った。もう過去の事になったのか、メディアではほとんど話題にならない。現金なものだ。
一方、この間学生だった子供達はリカバリー不可能なほどの影響があった。
仙台育英の須江航監督の言葉が「青春ってすごく密なので」
その通りで、全く最悪の4年間だったと思う。

 私の末っ子(娘2)の卒業は2021年3月。影響は最小限であったが、就活には影響大で、雇用が回復した今年転職した。これは良い判断だ。

 2024年4月、御茶ノ水辺りのマンモス大学では日本武道館での入学式が再開されている。さらに今年は桜も満開だ。
この時期、新入社員も本社へ集められる。千代田区界隈、新卒者達が沢山歩いている。懐かしい風景が戻ってきた。

 電車の混み具合などみると会社にも人が戻ってきたと思える。
結局、リモートワークにも限界がある。人はある程度の運動と外的刺激がないと頭が働かない。通勤も必要悪だと思う。

 通勤で街に出ると、仲間と飲食する。お店で買い物をする。馴染みの本屋で素晴らしい本に出会えることもある。
帰宅時にスポーツクラブを通えば、そこで出会いがあるかもしれない。とは言え、今は爺さんと婆さんしかいないスポーツクラブ。それでもいい出会いがあるかもしれない。

 一方、リモートワークしている身だと、敢えて電車乗って飲食、買い物など行かない。それは面倒くさい。
そしてスマホで通販(最近詐欺まがいのサイトが多い)とウーバー(美味いの?)となる。
スポーツクラブではなく、近所のコンビニやコインランドリーと一緒なった「ちょこ***」へ行く。アップなしのトレーニングは怪我するよ。特に30才過ぎたら気をつけよう。

リモートワーク
 リモートワークだけど、サボるつもりはないが上手く行かない場合もある。まず日本の住宅事情は非常に悪い。狭すぎる。出社した方がおそらく仕事に集中出来ると思う。
私も会社の仕事の都合(起業の会社)で、20年以上におよび自宅でリモートワークという形の残業をしていたが、家族には不評だった。

 人間、大体において仕事モードがある。
仕事するモードへスイッチを入れている状態で、家族に話かけられるとイライラする。テレビの音とか、工事の音とか、宅配便とか、とか、とかに苛つく。

 会社では同僚と上司、また客なので、仕事として割り切る事が出来るが、家じゃ無理だろう。
「うるさいなぁ、飯はあとでいいよ!」と怒鳴っている自分に気づく。

 家に仕事を持ち込むリモートワークは家庭を崩壊させる可能性がある。
「仕事は家に持ち込まない」
プライベートを大切にする。それが理想だったはずなのに何故リモートワークを推奨するのか不思議だ。
シフティング・ベースライン・シフト・シンドローム」だろう。

 昔、会社から携帯電話を渡された時、これを便利だとは思わなかった。
「これで会社の奴隷になった。何時でも呼び出される。自由を奪われた」と感じた。

 2001年、友達と沖縄旅行にカヤックを漕ぎに行った時、沖縄空港に着いたら直ぐに一斉に皆で携帯電話をOFFした記憶がある。
「せーので切るぞ!」
「これで自由だ!」
ところが今、会社にスマホを請求している自分がいる。この不思議。

 「何が何でも会社へ出てこい!」
 これも極論だろう。ただ私的には、仕事のホームベースは会社がいいと思う。個人で全てのデータとログを管理出来る状況はやはり問題がある。

 在宅仕事の理想と現実は違う。自分の状況で利点と欠点を考えて仕事をする。他人や国がどうこう言う筋でもないと思う。

付き合いのない世界へ
 それでも、世間は徐々に人付き合いのない世界へ移行している。人付き合いにコスパをあてはめるような論調もある。その時の損得で人はつき合うもの。「これも凄いな」

 私にはにわかに信じられない。それだと子育てと介護はやらないことになる。自分ですれば無料奉仕だ。
一方、他人の子供や老人を世話すればお金になる。
自分の仕事の賃金>子育て保育園料金 コストパフォーマンスが良いぞ。
そうなる。

 これで、もし災害が起こったらお互い協力して復旧できるのだろうか、心配だ。

地震の日
事務所のあった神保町、神田御茶ノ水の出来事
 ビルが倒壊するような揺れの後、静かなビル街にサイレンが鳴り響く。近所の九段会館では惨事が起き、周りの高層ビルがゆっくと揺れていた。テレビでは真っ黒い津波に襲われる東北地方の映像が流れる。同時にあの警報音がスマホから街中に鳴り響く。
 
 その後、6時間歩いて帰宅する。深夜に外堀から帰宅する群れは、都市生活者の難民だ。

 翌日、会社へ出て、散々たる惨状の事務所を片づけ、SEはお客のシステムをチェックし復旧させるために働く。人付き合いから生まれた義理と人情が人を動かしていた。

「すずめの戸締まり」を観る
 これが本題、得意の周回遅れで、「すずめの戸締まり」 新海 誠 脚本監督をNetflixで観た。
ほぼ内容を知らずに観る。地震の映画だった。これを題材にするのか、なんと強気な映画なのだろう。それが第一印象。

 地震が起こる=ミミズが暴れる。となっている。
そのミミズの出口となる扉に鍵を掛ける事、これを生業としているイケメン男子と主人公の女の子「すずめ」が出会う。
そして色々あり、すずめがその仕事することになる。
だから「すずめの戸締まり

 すずめは宮崎の南に住んでいる。そこでまずミミズが暴れる。そのミミズを抑える猫柱(人柱?)が逃げだし、戸締まりの専門職であったイケメン男子が椅子にされる。
それを追うすずめと動く椅子(イケメン男子)。
雑な説明だが、そんなロードムービーだ。まず宮崎弁が心地いい。九州の方言、特に女子の話言葉には癒やされる。

 まず愛媛でミミズが暴れる。そこで初めてすずめは戸締まりをする。
次に神戸へ行く。そこでも危機一髪で戸締まりをする。
そして東京御茶ノ水、聖橋から見える、地下鉄丸の内線のトンネルからミミズが出てくる。今回はデカいミミズだ。ここで惨事が起こる。椅子になったイケメン男子今度は人柱になってしまう。

御茶ノ水聖橋から見た丸の内線

 そして、最後は宮城県南三陸へ向かうすずめ、新たな仲間と一緒に今や彼氏になったイケメン男子を救う為に。

 私は子供の悲しむ姿を見ると、爺さんだから泣けてくる。
子供を持つ人間は、自分の子供達にその出来事を重ねるので致し方ない。
それが感情を増幅させる。
観を終わったら、思ったより感動していた自分がいた。

関東大震災は直下型地震ではなかった
「すずめの戸締まり」を観た後、最近起きた地震と妙な一致をしている。
宮崎、愛媛、根底に言霊信仰のある日本人は不気味に感じてしまう。
今度は東京御茶ノ水だろう。

宮崎の地震 2024年
四国の地震 2024年

 そこで関東大震災を調べると、少し自分の思いと違っていた。
関東大震災は相模湾沖にある「相模トラフ」を震源とするM7.9の海溝型地震
だから神奈川横浜の方が酷い揺れだったようだ。
現在の基準では、相模湾岸地域や房総半島南部は震度7、東京(千代田区大手町)は震度6と推定されている。

相模トラフ

 つまり関東大震災は内閣府地震対策本部が想定する「首都直下地震」(30年以内に70%の確率で発生するM7級の地震)とは違う海溝型地震だった。

 だったら、どこの地震を内閣府地震対策本部は考えているのだろう。
マップがあった。
これは酷い、逃げ場無し。

震源マップ

首都直下のM7クラスの地震
①地震発生のいくつかのタイプ
 首都及びその周辺地域では、複雑なプレート構造を成しています。このため、この地域で発生する地震の様式は極めて多様です。発生しうるM7クラスの地震は、地震の発生場所に基づいて次の6タイプ19地震に分類されています。([]内の番号は、南関東地域で発生する地震の発生場所の図に記載されている番号と対応しています。)

 なお、以下で挙げられている地域は、震度分布や被害を推定・検討するために想定された地域であり、これらの地域以外で大きな地震が発生する可能性もあることに注意が必要です。

〇都区部のフィリピン海プレート内の地震[③]
 都心南部、都心東部、都心西部の直下
〇都心部周辺のフィリピン海プレート内の地震[③]
 千葉市、市原市、立川市、川崎市、東京湾、羽田空港、成田空港の直下
〇北米プレートとフィリピン海プレートの境界地震[②]
 茨城県南部、茨城・埼玉県境
〇地表断層が不明瞭な地殻内の地震[①]
 さいたま市、横浜市の直下
〇活断層の地震[①]
 立川断層帯、伊勢原断層帯、三浦半島断層群主部、関東平野北西縁断層帯
〇西相模灘(伊豆半島の東方沖)の地震[①]
 西相模灘

 こうなると運命論になる
 養老孟司先生が、災害は想定外。想定内は危機とは言わない。そこまで自然、地球は甘くはない。
私もそう思う、しかし、その後の復旧とか生活に向けての対策は可能だ。

 最近の対策として2拠点生活がある。逃げる場所は確保したほうがいいと言うことだ。これも一利あるが、人はそう簡単には動けない。

 我が家の問題として、私も娘も病気を抱えている。震災時は薬と医療器具の確保が必携である。その対策の研究会にも出たことがある。
結論として、都市から離れた地方、過疎地域へ行くほど、その確保は難しくなる。

私の戸締まり」よーく考えよう。

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