我輩はころである
ころの名前はころっていうの。
じかんをきめる線があってゆうめいな東ロンドンのグリニッジでうまれたよ。
くろ、ブチ、キジのきょうだいとお母さんといっしょにぶりーだーさんのおうちにいたら、ぺったんこな顔をしたニンゲンが「ようやく会えた~」といって、ころのことをアミアミのかばんにいれて車にのせました。
こうして、今は、そのぺったんこな顔のにほんっていうとおくの国からきたニンゲンといっしょに、ロンドンでくらしてます。
にほんっていうのはね、ちゅーるがあって、まぐろを食べる国らしいよ。
いいとこにちがいないね。
グリニッジのおうちとちがって、ずっとのおうちのまわりはみっしりいえがつながってるの。
ころはへいをつたって近所のおうちのやねに登るのがだいすき。
でも、おかげで近所のねこもしょっちゅうころのテリトリーにくるからまいっちゃうよ。
ころ、自分のテリトリーに関しては、とっても、びんかんなの。
赤毛のハリーがきせつごとにガールハントにくるのはまあしかたないとして。
8ばん地のクロッコがうちのやねにきたり、12ばん地のネーサンがかってにうちの出窓のそとでひなたぼっこしてたり。
このまえなんて24ばん地のキジねこのミラがうちの庭のまんなかでゴロンしてにおいつけて。
しかも、ころんちの中にいれてっていってきたんだよ。
かんがえらんないよね。
しっぽいっぱいふくらませて、ちゃんところのテリトリーだっておもいしらせてやったんだよ。
なのにうちのニンゲンてば「あら可愛い、おやつ一緒に食べたら?」なんて、ころのためにニンゲンのお友達がにほんからもってきてくれただいじなカツオあじカリカリをミラにわけやったのよ!
ほんと、かんがえらんないよ。
うちのニンゲンがつけたほんとのころのなまえはコロナっていうんだって。
せかいじゅうのニンゲンをこわがらせたでんせんびょーのなまえ、らしいよ。
うちのニンゲンは「それがなかったら、自分で猫を飼おうと決心できなかったから」といってます。
これってドウブツギャクタイってやつじゃない?
だいじょぶ?
ニンゲンは「でもコロナは王冠を表す女性名詞だから」っていってた。
ちょっといいわけだよね。
じゅーいさんにも「コロナっていうと驚かれちゃうから」といって、ころでとうろくしたんだって。
うちのニンゲンは、にほんでもねこと住んでたの。
どのねこも、なまえのあとに「すけ」ってつけてよばれてたんだって。
「だからころもキテレツ大百科のコロ助さんをみならって、ご主人に忠義心をしめすんだよ」と、さむらいロボットさんをしょうかいされたよ。
ちゅーぎしんってなんなんだろ。
ま、でも、このうちでいちばんえらいのは、ころだけどね。
それにさ。
さいきんイカ耳にはさんだんだけど。
どうやら、ころのなまえをつかって、うちのニンゲンは、のーとっていうのをかいているらしいの。
こまっちゃうよねえ。ほんと。
いただいたサポートは、ロンドンの保護猫活動に寄付させていただきます。ときどき我が家の猫にマグロを食べさせます。