ころのすけ

東京出身、ロンドン在住。 アメリカとイギリスを合わせ、海外生活がもうすぐ20年になりま…

ころのすけ

東京出身、ロンドン在住。 アメリカとイギリスを合わせ、海外生活がもうすぐ20年になります。 旅の記憶、日々の暮らしなどを徒然なるままに。 スキのお礼には我が家の愚猫が登場します。

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誰かのなかで生きる

「朝のリレー」という谷川俊太郎の詩が好きだ。 こうやってふるさとから遠く離れたところで暮らし、テムズ川越しにのぼってくる朝日を眺めていると、しみじみとこの詩が沁みてくる。 日本で夕陽が沈むころ。 テムズ川に朝日が昇る。 ♢ 「命のリレー」というフレーズをnoteで目にしたとき、私たちが生きているなかで渡していくいろいろなバトンに思いがいった。 私のアメリカ妹は、アメリカ赤十字の緊急治療室で働いている。 彼女がカバーするたくさんの仕事のうちのひとつが、亡くなった方のド

    • Wrocław今昔

      Wrocław、どう読みますか? 答えはヴロツワフ。 ポーランド3番目の大都市。 私がヴロツワフを初訪問したのは2008年の冬のこと。 「今度は東欧だよ。よかったら遊びにおいで」 そう友達に誘われて、初めての東ヨーロッパへの旅を決めた。 今から16年も前のことだ。 東京からの直行便はもちろんなかった。 まずドイツにいき、そこから乗り換える。 成田からの全日空便は、よりによってラブラブカップルと並ぶ3人席。あーん、としあう機内食タイムに、手を取ってウフウフ言い合う睡

      • 私の世界征服計画

        「私には夢がある。 私の4人の子供たちが、いつか、肌の色ではなく彼らの個性そのものによって判断されるような国に暮らすという夢が」 と語ったのはマーティン・ルーサー・キング・ジュニアだが、私にも夢がある。 世界征服の夢が。 ♢ 附属の仲良しが、彼女の会社の「ちょっと変わった、面白いおじさん」を紹介してくれたのはいつのころだったろう。 たぶん、まだ20代。アメリカに行く前のこと。 その人は、真のギャンブラーだった。 スポーツ選手のお金で借金を払ったといわれているひとがや

        • マイナー好きなあなたのためのロンドンみやげ8選

          ちょっとだけシリーズぽく。 さて、ロンドンに住んで10年も過ぎると、だれもみな、「日本のおみやげカルチャー」に苦しめられるようになる。だってもうネタが尽きちゃったもの! ああ、今年も帰省の季節がやってきた。 トワイニングもフォートナム&メイソンも日本で買える。 東インド会社やらウィタードの紅茶もカバーした。 ショートブレッドもウォーカーズだってスーパーのPBだって買っていった。 料理好きの友達にマルドンの塩もあげちゃった。 さあ、今年は? なにをおみやげに買って帰ればい

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        誰かのなかで生きる

        マガジン

        • コロ旅日記
          42本
        • 月に着くまで13分。
          130本
        • 架空のとびら
          1本

        記事

          #私の作品紹介、させてください

          イースターとはキリスト教でクリスマスと並ぶ重要な祝日。 そして、イギリスでは唯一の金・土・日・月で4連休になる週末だ。 金曜日はキリストが十字架にかけられた日。なぜか「Good」 Fridayと呼ばれる。(一説にはGod's Fridayから転じたとも) そして一日おいた日曜日にキリストが復活した、ということでEaster Sundayと呼ばれる。 翌日のEaster Mondayはいわば振替休日の感覚だろうか。日曜が祝日なので、月曜がお休み、ということらしい。 ちなみに

          #私の作品紹介、させてください

          アコースティック・カフェ

          ミネソタ州のミネアポリス=セントポール国際空港。 そこからインターステート94号線をまっすぐ。 州境のミシシッピ川を越えたところに、小さな大学町がある。 そのメインストリートにあるのが、アコースティック・カフェ。 ドアを開けると、目の前には手書きのメニュー。 サンドイッチや、スープ。 コーヒーやホットチョコレート。 キャロットケーキやクリスピー・バー。 客席の真ん中には大きな暖炉がしつらえて合って、極寒になるこの町の冬には、カンカンに火がおこされたこの暖炉の前の席が一等

          アコースティック・カフェ

          ニッコリ笑って、うっちゃって

          「インディージョーンズ」の子役ショーティ。そしてなにより「グーニーズ」のチビッコ発明家データ役で、80年代に鮮烈な印象を残したあのキー・ホイ・クァン。 昨年「Everything Everywhere All at Once」でアカデミー助演男優賞を受賞し、その復活が話題になったけれど、彼の名前がこの春、ふたたびメディアにのぼることになった。 ちょっと残念な理由で。 ミラー紙やエクスプレス紙は見出しで「ロバート・ダウニーJrがオスカー受賞時のキー・ホイ・クァンへの'無礼

          ニッコリ笑って、うっちゃって

          ぜったい次に来る、カタルニアの焼きねぎ。

          15年くらい前にポーランドに行って、水玉の陶器を買ったり、おいしいスイーツを食べて「ぜったい次に来るのはポーランド」と思っていた。 数年前、帰省したときに二子玉川のショッピングセンターで「ポーリッシュポタリー」と水玉の陶器が並べられていたのをみて、やっぱりなと思った。ふふん、と鼻の穴が広がった。 ♢ もうひとつ、ぜったい次に来ると思ってるものがある。 思ってからもう7-8年経ってるので、来てないじゃんともいえるんだけど、コロナが間にあったからだと信じている(言い訳)。

          ぜったい次に来る、カタルニアの焼きねぎ。

          マイナー好きなあなたのためのロンドン観光8選

          みごとにnoteの世界に帰ってきてくださったローローさんのこのエントリを読んで、ちょっと真似したくなりました。 かといって、もう私の知っているトーキョー地図は古すぎる。 かといって、誰もきっとミネソタ州セントポールの観光案内はいらなそう(いりますかね?)だし、ウィスコンシン州の観光案内なんてもっといらなそう。(失礼ですかね?) ということで、マイナー好きなあなたのためのロンドン観光8選。 1.高いところからはじめてみよう高校生の頃、大好きなデートスポットは浜松町にある貿

          マイナー好きなあなたのためのロンドン観光8選

          リス殺し

          小中学校のころ、夢中になって読みふけっていた大好きなアガサ・クリスティの小説に「アクロイド殺し」というものがあった。 最後のどんでん返しが冴える、いかにもクリスティというポワロもののうちの一冊だ。 きっと、それがいけなかったのだ。 「リス殺し」 そんな言葉に結びついたのは。 ♢ イギリスでの生活ではまったく耳にしたことがなかったので、「リ・スキリング」で区切るはずのことばを「リス・キリング」にしてしまっていたのだ。 いやはや。 ダボス会議がきっかけ、日本ではものす

          ドラマチックにモラハラな話。

          モラハラな話、なんて書いたら、ドキリとされるかもしれない。 いや、オペラの話だ。 今シーズン、「さまよえるオランダ人」がRoyal Opera House (ROH) の演目になったので、昨夜、初めて観てきた。 通常より遅い夜8時からのスタートで2時間半ぶっ通し。切れ目なくスムーズに場面が入れ替わっていく演出も手伝ってか、休憩がないこと自体には辛さを感じなかった。 むしろ2時間半のあいだ終始つらさを感じていたのは、時代とはいえ、いやワーグナーの女性観というべきか、あまりに

          ドラマチックにモラハラな話。

          餃子がすき

          餃子が嫌い、というひとにであったことがない。 アイルランド人、カナダ人、フィンランド人、スペイン人、スコットランド人、ウェールズ人、フランス人、イングランド人…。 「また、ギョーザ、つくってね!」とたいていお願いされるばかりか、この前なんて、日本食レストランのないバルセロナ郊外の小さな村で、「お父さんとお母さんに餃子を食べさせたいから」と、スペイン人2人と一緒に皮から手作りしてきたくらいだ。 ◇ 餃子は、ソウルフードだ。 子供のころ、夕飯の準備を手伝うなかで母から教

          餃子がすき

          おかやま 愛おし いとおいし

          それは今から20年ほど前のこと。 サンフランシスコから成田に向かうユナイテッド航空機の中だった。 日本人女性が追加料金を払って通路側席を予約していたのに、真ん中になっているから席を変更して欲しいとアメリカ人CAさんに交渉していた。そのやりとりを助けた結果、彼女が隣の席になり、自然と会話がはじまった。 そのなかで彼女がいった「もし私も東京出身だったら、次の都会はニューヨークやサンフランシスコだったんですけどね」という言葉がとても印象に残った。 それまで私は、自分が東京生ま

          おかやま 愛おし いとおいし

          ここ。これだよ。

          映画「Perfect Days」を母と観た。 年末の帰省からあまり日が経っていないが、仕事でまた日本にきている。 連休の渋谷は、お正月の静かな顔とはうってかわって、外国人観光客や日本人の老若男女で賑わっていた。 帰るたびに迷宮の度合いが進む一方の渋谷。 小学校時代プラネタリウムに通った東急文化会館はとって代わられ、大学時代にバイトした東急東横店も消え、Bunkamuraも改装中。 これまた宮益坂のふもとにあった東映の映画館が、いつの間にかBunkamuraの別館に変わって

          ここ。これだよ。

          絵を観て涙するなんて

          うちのチームはロンドン拠点とアムステルダム拠点のメンバーに分かれているので、アムステルダムオフィスに行くことは結構多い。 これまでスキポール空港から電車で市内に向かっていたけれど、引っ越して新しくなったオフィスは市内ど真ん中の運河サークルの中にあるので、最近は乗りかえなしで着く空港バスにもっぱら乗っている。(タクシーは所要時間の割に高いのだ) と、必ず前を通るのが「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ美術館」。 その看板を目にする度、いつも、ほろ苦い気持ちを思い出していた。 ◇

          絵を観て涙するなんて

          ごめん、今日は英国の勝ち。

          いっときは日本語教師だったくらいだから、日本語が好きだし、愛国心があるほうだと思っている。 けれど。 今日は、思った。 「英国の勝ち」だと。 今日は、愚痴です。 イギリスの永住権は、バイオメトリックカード(生体認証カード)と呼ばれる写真付きのIDカードで証明され、永住権を申請した時に提出した指紋情報と紐づけされている。 すでにイギリス政府は、2024年でカードを廃止しネット上で証明する方法に移行とアナウンスをした。 詳細を知りたくなってグーグル検索すると、結果の一番上

          ごめん、今日は英国の勝ち。