見出し画像

実写化の幸せな形はどこにあるのか

以前、浅田次郎さんに取材したときの話。

僕が宝島社でアルバイトをしていた20代後半、まだ浅田さんはブレイク前夜だった。僕にとって浅田作品との出会いは別冊宝島197『裏ギャンブル読本』(1994年刊行)に掲載されたポーカーゲーム屋を開いたときのエッセイだった。それがもう面白いのなんの。その後、競馬読本シリーズの担当編集者・黒須田守(現ボートボーイ編集長)に勧められて『プリズンホテル』を読んでずっぱまり。

それから20年以上の月日が流れ、ようやくお会いできたときはホントに嬉しかったな。浅田作品が98年の『ラブ・レター』以降、間断なく映像化されていることについて聞くと。

自分の作品はアテ書きのようなことは一切しない。今の作家は映像を思い浮かべてそれをそのまま原稿にするからムダに長くなる。そういう意味でいえば自分の作品は映像化に不親切だけど、そこが映像作家たちのイマジネーションを喚起させて、やりがいがあると感じてもらえるのかもしれないね。

要約だけど上記のような話をしてくれてド納得。だから脚本の話がきても全部断っているとのこと。こんな形で実写化と相性のいい作家もいるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?