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肩もたれシーンがなければ神回!ファイトソング4話感想

《4話》

良かったです。

3話がラブコメ路線に走り内容が薄かった分、
脇役含め各々が抱える葛藤や背景をチラ見せした今回は、なかなか見応えがありました。

これぞ、岡田惠和さん作品!といった感じです。

ただ
正直に言うと、8割興奮ぎみに感動したものの、
2割は「これじゃない感」を抱いておりました。

自分は今作を好意的に見ていると言う前提で、
2点だけ、指摘させていただきます。

【1点目】
マネージャー(弓子)の行動がパワハラかつセクハラ案件!!!

デビューしたての春樹に対し
「(アーティスト人生を潰しかねないから)恋愛はするな。」と言い続け、
数年経ち、いざ売れなくなった途端に
「君は恋愛をした事がないから人の心が分からないんだ。期限は2ヶ月。恋をして、良い曲を作れ。」
と指示。

おまけに
「(恋の相手は)いざとなったら私がいるよ。」などと、冗談ではなく本気で考えているのです。

栗山千明さんがコミカルに演じてるおかげで、
"痛いけど憎めない不器用な女性像"に見えて、"可愛い"とさえ思えるのですが、
冷静に考えると、異常者です。笑

もう少しマネージャーとしての葛藤を見せてくれたら、見方がガラリと変わったかなぁと思います。

例えば。(妄想ですが)

春樹の才能に一目惚れ、
独断でスカウトし事務所を説得する

弓子の勘に違わず、春樹の曲は大ヒットする

せっかく掴んだ一流歌手としての道を
スキャンダルで台無しにせぬよう、
公私共に春樹を守ろうと躍起になる

春樹には酒も薬も運転も心配いらない為
「恋に気をつけろ!」とだけ口酸っぱく言い続ける

ヒットチャート上位を常にラブソングが占めるため、春樹達もラブソングを作るようにと、事務所から命じられる

この件が春樹のスランプの始まりになり、
デビュー曲以降1つもヒットを出す事なく、
バンドは解散に追い込まれる

春樹を守るつもりで言った言葉が結果的に
彼を追い込んでしまった事実に罪悪感を抱き
「今までごめん。
自由に恋をさせてあげてたら、
こんな事にならなかったのかもしれない。
次が最後のチャンスだね。
今更だけど、、、私が言うのも変だけど、、
恋をしてみたら?
恋をして、感じた事を、そのまま曲にして。」
からの1話ミッションスタート。

春樹に花枝という存在が現れる。
4話と同じシチュエーションで弓子と花枝が鉢合わせる。
花枝「この人は敵?味方?」からの、
弓子「味方よ。あなた(花枝)に全てがかかってるの。もう時間がないの。だから、私からもお願いします。春樹の心を、動かしてほしい。」
と頭を下げる。

密かに春樹に対し恋心を抱いていたので
帰宅後「なんで私じゃなくてあの子なんだろう、、、」と落ち込む。
失恋と過去の罪悪感と春樹の今後を心配する気持ちで涙を流す。



弓子という人間を、こういう純粋な設定として描いて
くれれば、栗山千明さんの演技力も相まって泣けてくると思うんですよね。

モヤモヤしてる千明さんが非常に可愛いので、勿体ないです。

【2点目】
何度でも言う、欲しいのはキュンじゃない!!!


今作のテーマは"心が動くという事"です。

4話は途中まで、見事にそれを体現した回でした。

"キス"というシチュエーションや、
"恋"というワードにはピンとこない2人ですが、
確かに互いの存在に心が揺れています。

ぎこちないデートシーンのやり取りや、
離れた後の花枝のヤキモキする行動で、
そういった感情が、ひしひしと伝わってきました。

極め付けが、花枝の空手シーン。

汗を流し、一心不乱に瞳を輝かせて戦う花枝を見て、
春樹の心が、大きく動きました。

「10年以上前に出た曲なのに、今でもずっと私の支えになってる」
と花枝に言われ、涙を流し歌ったあの日と同じように。

そう。
春樹の心を動かすのは

"恋"ではなかったのです。

"誰かの支えになりたい。
頑張る誰かに、エールを送りたい。"

そういう気持ちが、歌手としての彼の原動力だったのです。

覚醒したように曲を作り始める春樹と、
その姿を横目で見守る鳥丸のシーンには胸打たれ、
私の興奮は絶頂に達しました。

あぁ、この作品はラブコメとミスリードさせつつ、本筋はやっぱりヒューマンドラマなんだ!
ついにここで、タイトル回収くるぞ!!!

と思いながら、、、、

肩もたれシーンで、「ええええぇ?!」(がっかり)

となりました。笑

あの場は、
花枝の喜ぶ反応を、春樹は1ミリも逃さず、噛み締めるべきだったかと。

そして、
この曲が思い付いたのは
全て花枝のおかげだったという事実を、伝えるべきだったかと。

ついでに回想シーンを入れて

10年以上前、塞ぎ込む鳥丸にエールを送る為に考えた曲が"スタートライン"で、
自分が本当に作りたい曲は"ラブソング"ではなく、"ファイトソング"なんだと確信するような描写も、演出で見せて欲しかったです。

全てをキュンでまとめられてしまい、
悔しかったです。。。
あと、我々にも曲を聴かせて欲しかったですね。


とはいえ、
総合的な評価では1位をキープしております。

役者さんの等身大の演技と、
繊細な感情表現を後押しする上質な演出、
丁寧で刺さる台詞を程よく入れ込んだ脚本、
それら全てのバランスが美しく、
4話まで1度も飽きる瞬間がありませんでした。

ラブコメはラブコメのままだとしても、
最後まで楽しみたいと思います。

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