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大切なのはキュンではない!心が動く事だ!!ファイトソング2、3話感想

《2、3話》

"人生は、どれだけ心が震えたかで決まると思います。"

こちらは、【問題のあるレストラン】という2015年放送のドラマ内で出てくる台詞です。

まさに今作のテーマにピッタリな言葉だと思い、使わせていただきました。

幼い頃から絶対に泣かない花枝が、春樹の前では号泣しました。一度ではありません。春樹のメールを読んだ時もまた、泣きました。

花枝自身は、その理由が分かりませんでした。

それを知った直美は言いました。

「運命の人かも。心が大きく動くのはいいこと。よかった。」

と。

"恋=キュン"という、一辺倒な見せ方をするラブコメ作品が多い中、今作は違いました。

恋の始まりを、1人の人間として、純粋に"心が動いた"という描写だけで見せてくれたのです。

花枝と春樹、それぞれが抱える孤独や苦悩を、
1話でじっくり尺を使って見せてくれたから
2人が初めて出会った日、
互いに心が動き、惹かれる様子に説得力がありました。

さらに、
春樹と出会ってからの花枝の笑顔や軽い足取り、
花枝と出会ってからの春樹の生気を取り戻した澄んだ瞳を見ていると、
"お試し恋愛"という突拍子もない設定でも、
素直に応援したい気持ちにさせてくれました。

まぁ一歩間違えれば
ファンに手を出した売れないゲスバンドマンなのですが。笑

そこは脚本による丁寧な心情変化の積み重ねと、間宮祥太朗さんの繊細な演技、清原伽耶さんとの心地よい化学反応のおかげもあって、気になりません。

また前回(2話)
恋敵である春樹に
「ありがとうございました。アイツ、泣かせてくれて。」
と頭を下げた慎吾には、胸打たれました。

通常、当て馬との対峙は物語こそ盛り上げるものの、本質のヒューマン要素を汚して「好きだからって何でも許されると思うな!」と突っ込みたくなる場合が多いんですよね。

だから
慎吾が個人的な感情を抑えて、春樹の良さを素直に認めた瞬間、私の今作への信頼が、グっと高まりました。

あと今回(3話)、
美容室に来た花枝に、凛が言った言葉。

「何かあるのは分かる。
それが何かはわかんない。
そして、どんなに問い詰めたって
言わないと決めたあなたは言わない。
でも、何かあるなぁと、私は思ってるから。

そのつもりでいな。」

凛にとって花枝は憎き恋敵でもあるのに、
それ以前に2人は良き親友なんですね。

私の場合は親友を想うあまり、
つい前のめりになってしまうタイプなので、
これからは凛を見習おう、と思いました。


最後に、
これは冒頭の文章とは矛盾するのですが、一点だけ気になる事を書きます。

1、2話で、せっかく"心が動く"事を強調して話を進めていたのに、
3話では、手繋ぎやキスという、心よりも身体が先行した描写になっていたのが気になりました。

ラブコメあるあるなキュン要素で、
キャストが美しいだけに、見応えがあったのは確かです。

でも、この2人の場合は、必要ない気がします。

言葉、表情、ちょっとした仕草や反応、
お互いに、相手の些細な変化を見て、
心が揺れ動く様子を、
もっとゆっくり見ていたかったです。

まさに、3話冒頭の食事シーンみたいな。

目先のキュンは、まだまだおあずけして欲しかったですねぇ。

とはいえ、
全体的な評価としては、現時点で今クール最も星を付けたい作品です。

今後も楽しみですね。

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