蝶々結び



今回、ひょんな事から

お声掛けいただき

女優業復帰と相成りました。




だけど、

私の心の奥では

糸屑のようなわだかまりが

ずっと引っ掛かっていて。



それは、公演中止という不安。




本来、2年前に板の上に舞い戻る予定だった。


だけど公演1週間前に、


公演中止になってしまった。



稽古の帰り道に、深いショックを受けたことを今でも覚えてる。



そこからコロナが全世界に蔓延して、


演劇界が収縮して、


戻る場所も、世界も失った。



それから、2年間


私はがむしゃらに働いた。


どんなに仕事に行きたくなくても


毎日朝6時に起きて

8時にタイムカードを切って、


先輩に嫌な顔されても

笑顔で接客して。

時には裏で泣いて、


とにかく、そんな何もない日常を直向きに送り続けた。



そんな事をしているうちに、


私はもう芝居をする事は無いのではないか。


と思うようになった。



これが人間としての当たり前の生活。


週5日、なんなら6日

ひたすら同じ生活を繰り返して


生活に困らないくらいお金を稼いで


たまに欲しい洋服を買って、


たまにそんな洋服を着てお出掛けをして、


これが当たり前なんだと知った。



そう考えたら、


今までの自分が如何に幸せ者だったか気づかされることが沢山あって


自分は何のために生きてるのか分からなくなる時があった。



そんな時、

宮岡(マイベストフレンド)から、


「金渕、2.5次元好きだったじゃん、なんかそんな感じの舞台の制作手伝い一緒に行かない?」


って、声をかけてもらって


なんとなく、気分転換に、行くことにした。



そこで出会ったのが、


今回出演させていただく舞台のプロデューサー
吉田さんでした。


人見知りの私が、ホイホイ自分語り出来ちゃうくらい、人当たりの良い優しい女性で、


ひょんな拍子ではあったけれど、

私に復活のチャンスを与えてくれました。



ずっとずっと、復活の日を夢見ていた私は即答して出演させていただく事にしました。



正直、私が次、舞台に立つときは


自分の引退公演だと思ってました。



何なら構想まで練ってました。



だけどそれは、


待っててくれてるファンの方のため、


応援し続けてくれた親のため、


でした。


私のためという概念さえ忘れて


ただただ、恩返しの為だけに舞台に立とうと思ってました。



だけど、そんな私に


出たい、


また輝きたい、


と思わせてくれたのが


蝶々結びでした。





久しぶりの感覚に心が躍ると共に


コロナに罹ったり

最愛の家族を失ったり、


正直、心はめちゃくちゃになりました!!!



だけど、やるしかないんです。



役者である以上、


本番を無事に迎え、


お客様に感動を与え、


無事に千穐楽を終える


事が、最低限の仕事です。


私は8月、最高の仕事をします。




四年ぶりの舞台、

板の上に乗るまでに


たくさんたくさん、苦労があったけど、


辛い事を乗り越えてきたからこそ、


想いは強いです。



まだ安心はできませんが、


とにかく、私達は上を向いて


来る本番までに、素敵な作品を創り続けるしかないのです。



心の根底には


公演中止の不安が眠っていますが、


座組のみんなが居てくれるから


待っててくれてる人がいるから


私は頑張れます。



頑張るって言葉は好きじゃないけど、


金渕、頑張ります。






ハトシへ


こっちゃん輝いてお空を照らすからね。




この作品が、


沢山の人に繋がって、


大きな輪を作って、

綺麗な蝶となりますように。



I can fly!!!!!
(最後ださ)



おわり。



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