見出し画像

#140字小説『ある変態の青春』

 私は女に飢えながらも、心中は書きかけの死姦小説を、どう完結させるかと考えあぐねていた。

 海では、犬の散歩をする寒そうなコートの女性と、冬物の制服を着たいつもの二人組がいた。

 子供相手になんの邪な想いを描くのだ、と女学生の横を通り過ぎようとした矢先。

 鼻腔をくすぐる花のような香りが胸を打つ。