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58. 希望の運転手/ chofer con esperanza(2)

この便に乗ることができないとどうなるか。


こういう時は、すぐに頭が働く立川です。


僕がカウンターに行っている間に、いずみに最悪のパターンを考えて、


別の飛行機、長距離バスでアスンシオンに帰る方法と値段を検索しておいて欲しいと伝えました。


ちなみに、飛行機の場合は同日の夜23時発で一人200ドルくらいだったそうです。

バスは調べていませんが、おそらく100ドルくらいかと思います。


僕は最後尾の並ぶ前に、整理レーンの入り口の若い女性スタッフに尋ねました。


軽く6人近くのお客が彼女の周りに群がり、相談をしようとしています。

(確かに綺麗な女性ではありましたが・・・)


「あと1時間で飛行機が出発します。特別に新しい時間のチケットを発行してくれませんか。」


「いえ、これだけの人が並んでいます。特別扱いすることはできないので最後尾に並んでお待ちください。」


「でも、あと1時間で飛び立つんですよ。間に合うわけないじゃないですか。どうしてくれるんですか。」


「・・・。並んでお待ちください。」


非常に冷たい対応にがっかりでした。


でも無理はないです。あれだけの人相手に話しかけられていたら、

イライラで客への対応も適当になってしまうでしょう。。。

おそらく対応の半分近くはクレームだったと思いますが。


そして、肩をガクッと落としながら、僕らは最後尾に並びました。




ですが、諦めの悪い僕は最後まで悪あがきをします。


0に近いとはいえ、希望はありました。まだ。


オプションは2つありました。


特別料金を追加で払うから優先レーンに通してもらい、

チケットを発行してもらう。


それもダメなら、

再度ゲートの入り口まで行って、事情を説明した上で、

なんとか無理やり通してもらう。


それもダメなら、その頃には飛行機は出発しているでしょうから、

別便かバスで帰ることとなります。



あの長い長い行列を僕は最後尾から、カウンターまで早足で駆け抜けていきました。

並ぶ人々の顔は苛立ちと不安の表情が入り混じっています。


やはり軽く100人以上が並んでいたでしょう。


一般レーンを通り過ぎ、特別レーンに目をやります。


3組しかいませんでした。


これはいける!


一気にレーンに入り、自分の番になって、

なぜか暇そうにしていた若い男性スタッフに事情を説明しました。


「最初はあなたの同僚に、このまま上に上がって問題ないと言われた。でも、さっき上がったら、新しいチケットが必要とのことです。どうか今発行してもらえないか。そうしないと1時間後の飛行機に乗れない。」


彼の顔は、割と冷静でした。


「わかりました。パスポートを出してください。」


やった〜!めちゃついてる。

希望はほぼないに等しかったですが、やりました。


すぐにいずみに電話をして、カウンターまで走ってきてもらいました。


無事に新しいチケットを発行してもらい、

僕らは出国レーンまで入っていくことができました。


こんなことあるんですねえ。。。


いずみは、僕のあまりの強運に若干ひいていました笑


「もち過ぎてて怖いわあ・・・。」と。


もちろん喜んでいましたけどね。


やはり格安チケットはお勧めできないですね。



最後のトラブルは、また明日!


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