古書アオバ

福岡で古本屋をやっております。 23/10/28実店舗開業しました。

古書アオバ

福岡で古本屋をやっております。 23/10/28実店舗開業しました。

最近の記事

地下の煙たい喫茶店にて

「 いやー調子が悪いですよ、すこぶる。 平均すると残り80年くらい生きるわけでしょう。めんどくさいですよ。 どうしてだろう。 子どものころはいつかたぶん私よりも先に祖父母も両親も死ぬんだと考えると夜眠れなくなって泣いたりしてたんですけどね。 とにかく今は早く死にたい。 いや、死にたいは少しニュアンスが違いますね。 そんな積極的ではないです。 生きるのが面倒なので切り上げたい、ですかね、近い感情は。 朝起きたら思うんですよ『ああ、今日も起きちゃったな』って。 なんかあったでし

    • 35 冬

      雪は積もる様子もなく、風にさらされ砂のように道路を走る。 大人になっても雪が降るのはうれしいねと言う人もいるが、あまりわからない。ものごとを楽しむ気持ちが減ってしまったのだろうか。悲しい。 前職であれば大雪で会社休みという制度もあったので(実際には7年勤めて一回もなかったが)、そういう点で雪に期待することもあったが、今は完全在宅勤務なのでその恩恵はない。 毎日のお店通いと、一緒に住んでいる愛犬ずの散歩が少し辛くなるだけだ。悲しい。 今月は2回読書会で使っていただいた。嬉しい

      • 34 ジャズ

        小学校中学校と音楽の成績は3か4だった。 実技はあまりできず、記述ではそこそこの点を取っての総合成績。 小学生の時6年間もピアノを習わせてもらったのに、今は少し譜面が読めるだけ、とかなりもったいないことをした。 (公務員の父と非常勤の母の下で育てられた典型的な中流家庭だったが、今思えばかなり贅沢をさせてもらっていた。大人にならないとそのありがたみはわからない) 昨日は会社の社長と忘年会があり、福岡の赤坂で飲んでいた。 2軒目行ったことがないところに入ってみようと、その界隈を

        • 33 余白

          土曜。朝。雨。 コーヒーを淹れ、カウンターから目の前を通る明治通りを見下ろす。 天気のせいもありまだあたりは薄暗く、通りを走る車はヘッドライトを明々と点け忙しそうにしている。 お店をしている以上誰かに来てほしいが、一人静かに音楽を聴きながら本を読むこの時間も好きだ。 スマホを意識して手放さないとという危機感を最近猶更感じる。 2~3分あけばSNSやニュースサイトを開く。 YoutubeやSpotifyのせいで(おかげで)作業をしながら耳を使えるようになってしまい、情報を遮断

          32 幽霊

          最近読んでいる本。 古くは『竹取物語』から、直近で安部公房、北杜夫などまで、日本文学史上で幽霊がどのように描かれてきたか、その系譜を辿る。 1972年に発行された。 沖縄が返還され、田中角栄内閣が発足し、札幌オリンピックが開催された、華やかな年だ。 固い人文学系の本かと思いきやパンチの強い著者の言葉で始まる。 この文章の前で、上記の姉が衰弱し容姿が崩れていく様を容赦なく書き記している。 1931年生まれの著者は少年時代を戦中に過ごし、思春期で戦後手のひらをひっくり返す大

          31 最近の毎日

          朝6:00に起床し、身支度を整え6:25に自宅を出、自転車を10分こいで店に到着。6:45に開店。 8:45まで営業しそのまま店内で9:00から在宅の仕事。 12:00に一回家に帰って昼食を食べ昼寝。 13:00から18:00まで在宅仕事を自宅で。 犬の散歩を30分してから18:40に自宅を出て、再度店舗へ、19:00開店そのまま21:00まで。 21:15に帰宅して晩御飯を食べ犬と遊んで、家事をいくつか済まし、23:00寝る。 冒頭へ戻る。 景色が変わらな過ぎさがえぐい。

          31 最近の毎日

          30 ホットレモン

          眠い。頭が重く、奥の方が鈍く痛む。 AM7:17、セブンイレブンで買ったホットレモンをちびちびと飲む。早朝にかったため温めきれてないのかぬるい。口内炎に沁みる。 昨日はだいぶ久しぶりに遅くまで飲んだ。 福岡エリアでの高校の同窓会があった。50歳上の方が参加するような、私が最年少にあたるタイプのものだ。 幹事の方が気を利かせてくれて私と同世代の数人が自己紹介させてもらうタイミングがあった。 昨年まで野球の職員してまして、古本屋やりたくて転職しまして、今もダブルワークしてまし

          30 ホットレモン

          29 叱られる機会

          今朝も6:45からもくもくと一人で検品、出品作業を行っていたが、前職の先輩が仕事終わりに立ち寄ってくれて久々に朝人と話せた。 出品作業自体も大事な売上が上がる工程だが、やはり実店舗をやっている以上人と話したい。 お互いのお店の状況や前職の方々の近況など聞けて朝から楽しい時間だった。 とてもありがたい。 今勤めはさせてもらっているが、この古本屋に関しては自分ひとりで運営している。 100%ワンオペだ。コロナ、インフルにかかったら終わる。 一人でやることのリスクのもう一つは「誰

          29 叱られる機会

          28 永沢さん

          ポッドキャスト番組「夜ふかしの読み明かし」を毎週楽しみにSpotifyで聞いている。 今回の読書会は『ノルウェイの森』が課題図書。 かなり盛り上がっており4回目に突入している。 パーソナリティ達と同じ時代を過ごした身として、村上春樹の冷笑的な見方が定着しつつあるタイミングで読んだ、思春期のため性描写に過剰に反応してしまい本筋をとらえ損ねていた、といった考察や感想に膝を打ち打ち聞いていた。 その中で永沢の言葉が紹介されていた。 一言一句同じではないが、このニュアンスはずっ

          27 ピザまん

          ピザまんがうますぎることに最近やっと気が付いた。 これまでピザと肉まんは別々で食うわいと謎の意地と偏見から、生まれて32年手を出したことがなかった。 逆にすごい気がする。 寒くなってきて朝からお店を開けると、あたたかいもの(かつ匂いが店内に残りにくいもの)を食べたくなる。 そのため近所のファミマで肉まんを一つ買い、店内でコーヒーか紅茶を淹れて朝食とするようになった。 こんな朝に看板もない古本屋に来てくださる方はあまりいないので、ボケーっとしながらゆっくり朝食をとることができ

          26 人に会って会話するって人間として大事だ

          ※「トレジャーボックス」様HPよりトップ画像をお借りしました※ 平日は朝と夜に店を開け、日中はリモートワークで勤務をしている。 この生活を続けていると極端に人に会う機会が減る。 対面で会話をするのは、コンビニの店員さんと奥さんだけという日も珍しくない。 これ自体不満はない。というかこれを許してくれる関係者、環境にむしろ感謝しかない。 ストレスの原因はすべて人間関係に帰着するという言葉(出典忘れた)もあるくらいなので、他人との接点をなるべく減らしたい人も一定数いると思う。

          26 人に会って会話するって人間として大事だ

          25 利他

          いただきました、冷蔵庫と電子レンジ。 前職の友人が引っ越しを機に家電の買い替えを行うとのことで。 開業祝いにお店に来てくれた時、「お祝い何がいい?」と聞かれ。 冷蔵庫とふざけてお願いしたら「あ、いけるわ」と。 しかも転居先が徒歩圏内で先週末引っ越しとのことで諸々ラッキーが重なった。 捨てるにも金かかるしとのことでお互いにとってよいタイミングだった。 ほんと言ってみるものやな。 思えば人のお恵みばかりでこのお店がやれている。 椅子はいただきもの、安価で譲ってもらったものばか

          24 保健所行ってきました

          久しぶりの雨を横目にマクドナルドで朝マックのセットを食べながらPCを開いている。 ソーセージマフィンは変わらず大好きだ、朝から糖と脂肪と油の塊で口内と胃をぶん殴ってくれて良い。 しかし、時代の趨勢とはいえ紙ストローは好きになれない。環境配慮のためと聞いてはいるが、慣れないものは慣れない。 頑張って順応していくか、マイストローを持ち歩くかだ。 勤め先に休みをいただき、保健所へ行ってきた。今の店舗で飲食を提供できるようにするためだ。 実際に図面や写真、動画を見てもらいながら相談

          24 保健所行ってきました

          1102 凝縮

          なんで本が好きなのだろう。 両親が教員だったこともあり、幼いころから身近に本はあった。 絵本の読み聞かせをしてもらった記憶もかすかながらあるし、基本的に本を買うのであればお金は出してくれた。 (仮想歴史ものにはまったときに「まず正史を学んでからの方がいいのでは?」という指摘をもらうようなことはあった。) とても恵まれた環境だったと思う。 小さいときからずっと触れてきた単なる慣れ、習慣ということは当然ある。 例外はもちろんたくさんあるが、日本人はみんな基本米が好きだ。 好きと

          1101 コンテンツに触れること

          村上春樹の長編代表作の一つである『1Q84』は少し(10年くらい?)前に読んでいたはずだが、この一文が深く頭に残ることはなかった。 意識したのは映画『The Big Short(邦題:『マネー・ショート 華麗なる大逆転』)』の冒頭に登場したからだ。 映画の内容は2008年リーマン・ショック前後の金融マンたちの悲喜こもごもで、実話に基づいて制作されている。 誰もがその潜在的な危険性を理解しておきながら、圧倒的な儲けを生み出すため黙認(肯定)されていたサブプライム・ローン。 ラ

          1101 コンテンツに触れること

          1031 朝早くしかできないので

          ダブルワークであるため、平日は早朝と夜しか営業できない。 (土曜日はまともな時間に開けるけれど) 普通に本屋として営業するにはなかなか難しい条件だと思う。 これを逆に奇貨とし、店のカラーとしてやってかないと続けていくのは難しい。 まずは飲食の提供が第一。 近所のコメダ珈琲は7:00からお客さんが並んでいる。 お客さんたちは一日の始まりに一息つき、心を整えるために、新聞や本、スマホを片手に熱いコーヒーの入ったマグカップを傾ける。 家の中でも同じ所作は可能だ。 それでも、家庭

          1031 朝早くしかできないので