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寝取られの夏

 中二の夏、8年間の片想いの相手は同級生のヤンキーと付き合った。これが人生初の寝取られ体験である。

 高二の夏、初めての彼女はバイトの先輩と寝ていた。何気ない日常で起こった異常。壊れた心が夏の熱さを忘れさせた。言葉にできない想いを言葉で表せるならば殺人など起こらない。想像の殺人者となった私は歪んだ想いを彼女との性行為中にぶつけてみる。返ってくるのは甘い透いた声の咆哮。収まるはずのない気持ちに自身にやるせなさを感じているころ私は彼女に振られた。

 去年の夏、高校でクラスメイトだった女の子と同じバイトをしていた。毎日私が彼女のお弁当を作ってあげている。そんな彼女はバイト先で彼氏を作った。私が2人の仲を繋いだのだ。
 最近彼女の様子がおかしい。どうやら彼氏から私と会う事えの躊躇いめいた禁止令がでているそうだ。そんな彼女は今日で彼氏と9ヶ月目を迎えた。

 18の夏始めてのマッチングアプリで私は年上の女性とお付き合いをする事になった。やはり年上はいい。聖母のような包容感に私は包み込まれる日々を過ごす。彼女はその日も仕事で帰りが遅かった。夜ご飯の支度を済ませただ帰りを待つ。どうやら今日は帰ってはこれないらしい仕方がない。次の朝首元にアサガオのような色を残して彼女は帰ってきた。どうやら元から付き合っていた彼氏が居たらしい。そんな朝を迎え昨晩の冷めた味噌汁をすすり1日を始める。

 今年も夏がくる。太陽は日を増す事に大きな顔をだしてくる。最近一つ下の女の子とよくドライブに行く。彼女の話は殆どが愚痴ばかり。私の話などほぼ聞かない。それでいても毎回始めてのようなリアクションで夜景を見る彼女はとても愛おしいものがある。どうやら最近彼氏ができたらしい。そんな素振りなど一度も見せなかった。彼女がいつもより目を輝かせて言うものだから私は何も言うことなどない。そんな彼女をいつもより家の少し手前におろして私は家に帰った。

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