10分の1にかける想い
昔狼人間の話が好きだった。昼は善人夜は悪人という自身の意に反し苦しむ狼人間。そんな主人公とも敵ともとれる人物に酷く魅力を感じていたのだ。
私は狼人間である。というのも本来の狼人間とは少し異り、毛が生え顔が変わることなどない。ただ夜になると自分の意に反し肉を欲する狼のように性欲が高ぶる。それは正しく獣とも呼べる性の狼の姿がそこにある。私が昔憧れた者に思春期という必然により偶発的にも近づくことはできただろうか。だが現実は厳しいものである。絵本の中では肉つまり人間を襲う事など単純