なんせんす

料理好きな19歳

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最近の記事

プライド人間  1

「書くか」そう思い恥しくも意志無く列に属するだけであった蟻が悲しく間際無垢な子供に悪気も無く砂を掛けられる。それほど何気のない気まぐれだ。ただしこの突発的また、ただの気まぐれがこの今の絶望的な生活にたどり着いた1番の要因なのであろう。  「だって自分には」これは少し前息を吸うにしては図々しい程までに染み付いた私の言い訳であった。当時の私には幸か不幸かガールフレンドがいた。と言っても今考えれば優越感に浸りたいだけであった自分の欲を満たすだけの存在。当然相手からしたら迷惑この上

    • 寝取られの夏

       中二の夏、8年間の片想いの相手は同級生のヤンキーと付き合った。これが人生初の寝取られ体験である。  高二の夏、初めての彼女はバイトの先輩と寝ていた。何気ない日常で起こった異常。壊れた心が夏の熱さを忘れさせた。言葉にできない想いを言葉で表せるならば殺人など起こらない。想像の殺人者となった私は歪んだ想いを彼女との性行為中にぶつけてみる。返ってくるのは甘い透いた声の咆哮。収まるはずのない気持ちに自身にやるせなさを感じているころ私は彼女に振られた。  去年の夏、高校でクラスメイ

      • 殺し屋さんチェーン展開はじめました。

           今日母が暗殺されました。私がいつも働いてるお店で注文したサービスが早速執行されたみたい。思っていたより早かったなと床についた体液を掃除しながら思う。  殺人が当たり前の世界で私は今日も学校に行く。多数が作る当たり前や常識からずれた人を消す合理的社会。そんな無駄のない世界に自分を生きた母は私の願いによって殺されました。それでも世界は対して変わらないらしいです。耳障りな母の非合理的な心配の声が聞こえなくなっても私の日常すら変わりません。  生前母は理想をよく私に押しつけ

        • 想い違いの初ドライブ

           初のドライブ。選んだのは親友の女の子。現彼氏との仲を繋いだほどの親友。  私達はよく二人で遊ぶ。少し前まで泊まりで旅行に行くほどの仲であった。  今日いつもと違う事は風を肌で感じるバイクではなく、暖かく包まれ小気味よい音楽の流れる車内であるということ。少し危なげな運転に安堵を繰り返し目的地へとたどり着く。  冷たいアイスで喉を震わせた。車内との気温差に体内に残るアイスの温度が喉を通る際に居場所を知らせる。  2人の間にできた往復する言葉に埋められた心の落差。最近私達はよく

        プライド人間  1

          一発だけの打ち上げ花火

           中学校に入って初めての夏休みが始まった。部活で忙しく夏休みらしいことなど何もしていない。特にこの夏は祭りや花火などすら無縁の生活をしていた少し寂しい夏であった。  私は常々疑問に思っていた事が一つあった。それは生命の誕生についてである。昔おじいちゃんに子供の作り方を聞いた事があった。おじいちゃんは頬をそめながら「コウノトリ」とだけ発する。サンタと同等の謎ができた。  少し時間はたち下の毛が心もとなく生えてきた頃私は知った。性行為についてである。世の中の心理に知ったような気

          一発だけの打ち上げ花火

          生態系

           小学生の夏休みあなたは何をしただろうか。いや、何を成し遂げられたのか。私達は1つの生態系を作り変えてしまった。  アスパルトの溶ける匂い。灼熱のマンホール。強い光にあてられ色濃くなる自身の影を見つめながら私達は小さな探検にでた。無限とも思えるこの自由な時間にいてもたってもいられなくなった少年達の行動力は凄まじい。とわいえこの山に囲まれたド田舎にできることなどせいぜい川遊びくらい。  そんな毎日に少し刺激を求めた私達はとある場所にいく。そこにあるのは道路に面した人の家の庭で

          ECCプレイ

           教師とは誰もが経験する身近な尊敬に値する大人の姿ではないだろうか。私の定義する大人とは働いてるいる者を指す言葉である。勿論親も大人であるが実際働いている姿を毎日身近に見ている人など少数だろう。学校に行けば教壇に立ち指導をする姿は正しく大人そのものである。   少し年季の入った木造建築。いつかは付いていたであろう階段の手すりの後。響く鉄筋階段を登ると小綺麗な白い扉がある。手を引かれ中へ入ると整頓されたきれいな部屋だ。棚には見知らぬ英単語が書かれた書物の数々。そうだ、彼女は中

          覚悟の向き合い方

           私は自身の事を芯がある人間だと自負している。何故なら学校に友達が1人もいずとも、いきなり一人暮らしが始まり困窮した生活を送ろうとも、私は夢の為にやる事をやれる人間だからだ。  要するにメンタルが強い人間なのである。  話しは変わるが私は一つ心に誓っていることがある。それは女性であればどんな人間であろうとも怯まずに抱くということである。誤解を招く前に言っておきたいのは相手の同意なしに夜を越すということでは無い。そういう空気になればどんな相手であろうとけして断りなどはしない。

          覚悟の向き合い方

          偏見を乗り越えた先には軽蔑が

           人は断片的な視覚情報だけで物事を決めつけてしまう。そんな当たり前の事に苦しめられた私の話である。  高校の3年に上がったころ彼女と出会った。新しいクラスで前に座っている彼女。一見人当たりの良い彼女であったが距離感の掴めぬ彼女に少々困惑をした。おそらくビッチなのであろう。そんな偏見を彼女に抱く。カーテンの隙間から差し込む光のように白く、輝きを放つその瞳を見ると体が金縛りのように固まる。そんな彼女の顔を見て偏見は確信に変った。  私は勘違いをしていたようだ。彼女といちクラスメ

          偏見を乗り越えた先には軽蔑が

          過信からの傷心

           私はプライドが高い。それを自覚したとあるきっかけがある。  夏休みも始まりひと夏の冒険に心震わせていた頃、私にはパートナーなる女性がいた。彼女はよく笑い、よく話し、そしてよく涙する人だった。そんなあどけなく人間味に満ちた初めての彼女を持つことができる日々に充実感を感じていた時である。恋人としてノルマをこなしていく内にとうとう来てしまった大人の扉へのノック。だが私に焦りなど毛頭ない。幼い頃からこの日の為の努力と研究を惜しまなかった私であるためだ。むしろ、努力と練習の成果を発

          過信からの傷心

          10分の1にかける想い

          昔狼人間の話が好きだった。昼は善人夜は悪人という自身の意に反し苦しむ狼人間。そんな主人公とも敵ともとれる人物に酷く魅力を感じていたのだ。 私は狼人間である。というのも本来の狼人間とは少し異り、毛が生え顔が変わることなどない。ただ夜になると自分の意に反し肉を欲する狼のように性欲が高ぶる。それは正しく獣とも呼べる性の狼の姿がそこにある。私が昔憧れた者に思春期という必然により偶発的にも近づくことはできただろうか。だが現実は厳しいものである。絵本の中では肉つまり人間を襲う事など単純

          10分の1にかける想い