菊池良

芥川賞をぜんぶ読んでわかったこと

約1年かけて芥川賞を受賞した作品をすべて読みました。

芥川賞は84年の歴史があり、受賞作は180作あります。

そのすべてを読むことは会社員をしながらでは無理だと考え、会社をやめて完読しました。そしてつい先日、それを書籍にしました。

せっかくなので、すべての芥川賞を読んで感じたことを書きます。ただ、あまりにも鮮烈な体験だったので、自分のなかでもまだ咀嚼しきれていないところがあります。なので、暫

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村上春樹はなぜ芥川賞を取れなかった? ~『1973年のピンボール』編~

『芥川賞ぜんぶ読む』という本を執筆した菊池良といいます。しばらく執筆の過程でわかった芥川賞のトリビアを、短いコラム形式で書いていこうと思います。今回は村上春樹についての続きです。

 村上春樹は『1973年のピンボール』で2回目の芥川賞候補になります。1980年上半期のことでした。この作品は村上春樹の2作目です。つまり、デビューから2連続で候補なりました。前作ではまだ1作だけでは判断できないと評価

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村上春樹はなぜ芥川賞を取れなかった? ~『風の歌を聴け』編~

『芥川賞ぜんぶ読む』という本を執筆した菊池良といいます。しばらく執筆の過程でわかった芥川賞のトリビアを、短いコラム形式で書いていこうと思います。今回は村上春樹についてです。

 村上春樹はノーベル文学賞の最有力候補とも言われていますが、芥川賞は受賞していません。しかし、候補には2回なっています。今や世界的にも有名な村上春樹は、いったいなぜ芥川賞を受賞しなかったのでしょうか?

 まず、初めて候補に

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歴代の芥川賞受賞者のなかで、一番意外な人物はだれ?

『芥川賞ぜんぶ読む』という本を執筆した菊池良といいます。しばらく執筆の過程でわかった芥川賞のトリビアを、短いコラム形式で書いていこうと思います。まずは芥川賞と松本清張、そして坂口安吾についてです。

 「芥川賞の歴代受賞者のなかで、一番受賞していることが意外な人物はだれか?」となると、松本清張かもしれません。『点と線』や『砂の器』などの社会派の推理小説で有名な松本清張は、1953年に『或る「小倉日

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書籍の出版を記念して、本ができるまで何があったかのメイキングを連載します。全6回。第1回は前作の『もしそば』を終えて、新企画を立ち上げるまでの話です。

「荒行なんて志向してはいけない」なぜか1年で芥川賞を180作も読むことになった話
https://eonet.jp/zing/articles/_4103219.html

新刊『芥川賞ぜんぶ読む』が発売されます

こんにちは、菊池良です。5月25日に書籍『芥川賞ぜんぶ読む』が出ます。ほんとうに、ほんとうにたいへんでした。

この本はその名のとおり、芥川賞を受賞している作品をすべて解説したものです。また、芥川賞に関するコラムや出身地別データ、受賞年齢データなども収録しています。

全作品をすべて1人で読み、1人で書きました。気の遠くなるような作業でしたが、とても楽しかったです。

そして本書を、老若男女、あら

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