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田舎の草刈り問題を考える


移住してからというもの、地域にいるときはなるべく地域行事にも積極的に参加したいと思っているこっしー夫婦。
この1年で、おそらく月に1度ぐらいのペースで草刈りや神社の掃除(と言う名の草刈り)に参加していました。

例に漏れず、草刈りに集まるのは毎度60代後半〜80代のおじいちゃんおばあちゃん。。。仕方ありません。住民の9割が高齢者なのですから。

皆さん農業や林業など1次産業に従事していることもあり、我々よりも体力面ではタフだなと尊敬する一方、終わった頃には皆さん異口同音に「もう来年は無理やな・・・」と言うし、実際5年後を考えても、持続可能性めっちゃ低いやんと思えてなりません。

でも、移住した人や方々の田舎に住む人に聞いても、そもそも漁村地域は草刈り活動がないとか言う人もいます。

草刈りってやらなきゃダメなの?

正直、これに対する明確な答えを誰からももらったことがありません。みんな暗黙の了解でやらなきゃ死ぬって感じで毎年汗水垂らしてやってるうちに、やらずにいるとバチが当たるふうになってきた伝統行事のように私には感じられます。

<よく聞く「草刈りをする理由」>
安全のため
 
安全管理が必要な県道等は県が事業として草刈りを実施している。集落活動で行うのは集落有地か農道。う〜ん安全の優先順位は下がりそう。。

・景観が悪くなる
・ゴミの不法投棄につながる
・そこに住んでいるという証
 
このへんは空き家問題と繋がってそうですね。景観が悪い(人の存在が感じられれないと荒れやすい)
 
美化運動の一環の色が強そうですね。それであれば、いっそのこと巨大防草シートかコンクリートで草が生えないようにするという方法や、景観を損なわないコスモス畑にしちゃったらダメなのか。

諸外国ではどうなってるのか

撮影を交換条件に長年放置された庭の草刈りを買って出るアメリカのyoutubeをよく見るんですが、ああいった類の巨大動力系草刈機って日本で本当に見かけないですよね。家のサイズが違いすぎてマーケットが成立しないのかもしれないけど、田舎なら一定の需要が見込めると思うんだけどな。



それとも日本でも自分の家なら芝刈りや環境整備にお金を払ってもいいけど、いわゆる集落有地のような公共善に対する財源ではビジネスが成立しないということなんでしょうか。

探したらありました。トラクターに装着するタイプのアタッチメント草刈機。

助成金を利用して除草ビジネスに参入する企業も

生い先短いマンパワーに頼り続けるのではなく、機械化やICTが進めば、今まで草刈り戦力と見做されなかった女性が作業することもできるし、雇用にだってつながり得るので、本当に地域の美化や環境整備が必要なのであれば、お金を出してでも継続できるモデルを模索すべきだと思います。

そのための資金調達については、住民からの集金だけでなく、この活動で守られる地域資源をリターンとしてクラウドファンディングやNFTを活用するといったアイデアで実現させることは十分できるんじゃないでしょうか。

でもいちばんの課題は・・・

こういった問題提起や、現在の敢行から逸脱する行為を提案することそのものがとても難しいということではないでしょうか。

移住して間もない私たち夫婦のような余所者が提言する場合は、十分な戦略が必要です。うちの地域は穏やかで移住者にも寛容な方が多く、排他的なところは全然ないのですが、それでも今私たちがいきなり「機械化しましょう!」とか「やり方をガラッと変えましょう!」と提案できない空気感があります。長年地域を支えてきた方々からすれば、提案の内容の是非より、変化の多寡がいちばんの抵抗要因になりえるからです。

課題の解決のためには、この課題が地域でそもそも議論されている前提を作ったり、一緒に取り組んでいる一体感の醸成が何よりも先に必要なんだと感じている移住3年目の年末なのでした。


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