見出し画像

あれほど恋焦がれた海外移住を諦めた理由

今日の記事を読んで欲しい人
・海外移住を悩んでいる人
・多拠点居住を目指している人
・日本も好きだが海外にも住みたい人
・自分はどこかに根を下ろすタイプではなく「根なし草」だと思う人


2020年から暮らしの実験をしているこっしー夫婦と申します。
私たちは今、四国の限界集落のような田舎に拠点をおいていますが、かつては「ニュージーランドに移住したい」という夢がありました。

ニュージーランド移住に憧れた理由

・初めて行った外国であり、もはや初恋の君状態。

20歳の時、親の反対を押し切って、バイトを死ぬ気で掛け持ちして貯めたお金で初めて行った海外がニュージーランドでした。1年にも満たない期間でしたが、親元を離れたことがなかった私にとって、初めて「経済的にも物理的にも自立した状態で勝ち取った人生の選択」だったのかもしれません。

初めて住む外国であらゆることに心躍る一方、今まで習った英語はなんだったのかと思うほど、聞き馴染みのないアクセントや、いろんなインフラが整ってなかったりと、不便な点もたくさんありました。しかしそれでも、帰国して思うのは「いつかまたあの地で暮らしたい」という儚い希望であり、そしてそれはいつしか「移住&永住権獲得を目指すんだ!」という意志に変わっていきました。

・デフォルトが移民の国。多文化共生とはまさにこのこと。

現在のニュージーランドの人口はおよそ440万人。自らを「キーウィ」と称する国民のうち、約69%がヨーロッパ系、約14.6%がマオリ系、9.2%がアジア系、6.9%がポリネシア系(マオリ以外)となっています。

出典:100%PURE NewZealand

移民立国は世界に数多あれど、こんなに小粒でありながらリベラル先進国な国も珍しいのではないでしょうか。2017年当時37歳で首相に就任したジャシンダ・アーダーン氏のリーダーシップは、NewZealandの環境保護を進めたり、多様性と長期的な持続可能性を重視していることがメッセージとしてとても明確です。2019年に起きたモスク襲撃事件の際は、その2週間後に集会を開き残されたコミュニティに寄り添い、鼓舞するスピーチがとても印象的でした。


・NZ産ビーフはほとんどがグラスフェッド(放牧)で飼育される

私はベジタリアンなので肉は食べませんが、環境負荷・動物福祉・持続可能性のいずれの観点からも穀物飼育で狭い牛舎で一生を過ごすことは容認されるべきではありません。もし再生農業などに馴染みのない方は是非映画『キス・ザ・グラウンド』を見てください。

書籍ならこちらもおすすめです↓

現代の日本や諸外国で行われている畜産は、どれだけ短いサイクルで効率よく肉を肥やして出荷するかという「肉の生産性」だけに照準を合わせて設計されています。しかし、それは同時に土壌侵食や水質汚染を招く副作用も合わせ持つことを、私たちはあまりにも軽視しすぎているのではないでしょうか。NZでのグラスフェッド飼育は、人口が少なく土地が広いからできることかもしれませんが、それを維持させるにはやっぱり哲学が必要なんだと思います。そんな理念を見失わない国って素敵だと思いませんか。

ではなぜあきらめたのか

こんなに熱量高くNZ愛を語れるというのに、なぜ移住の夢を諦めたのか。
具体的にはNZの永住権を獲得するには4つの方法があり、いくつか理由はありますが、様々な犠牲を払ってでも「永住権取ってまでしたいこと」が見出せなかったのが一番大きいかもしれません。

永住権のメリットは、
・国内に自由に出入りすることができる
・仕事を自由に選べる(ビザに縛られない)
・市民と同じ医療サービスを受けられる
・投票権が与えられる

などが挙げられますが、(他にも子どもや教育のメリットもありますが当事者じゃないので割愛)それがどうしても欲しいかと言われると、そうでもありません。

通常、よっぽど資産がある投資家や実績のある起業家でない限り、永住権は「技能移民部門」で申請します。技能移民とは、NZが求める分野の職能を持つ人材のことで、ITや建設など伸ばしたい産業で使えるスキルを現地学校に通って習得したり、医療職や士業などの専門職の資格で書き換え可能な資格があればそれを活かして就職したりします。

私はこれをコストをかけてやりたいのか。「技能移民」になりたいのか?

答えはNOでした。

好きな国を行ったり来たり v.s. 一つの国に根を下ろす

自由な働き方を手に入れてしまった今、一つの国に暮らすためだけに学んだり就職することは、私にとってもはやあまり意味のないことです。
いや、永住権のために一生懸命努力される方を否定している訳ではありません。それはそれで素晴らしいんです。

ただ、暮らしそのものがこれだけ奥深く楽しいものだと気づいた今となっては、NZも観光ビザが許す期間で出国してまた別の国を回ってから訪れる、そんな関わり方でも良いかもしれない。そんなふうに考えるようになりました。

NZは本当に素晴らしい国ですが、世界には同じぐらい魅力的な国や地域がまだまだたくさんあるはずです。永住権を獲得するために犠牲にする時間・労力やお金を、まだ見ぬ魅力的な地域探しに費やす方が、はるかに人生を有意義に使える気がしたんです。

それに、ありがたいことに、日本のパスポートは3ヶ月ぐらいの滞在ならほとんどの国でビザが不要です。であれば、制度に縛られることなく、さまざまな国で、旅と暮らしの間のような「プチ移住」をしながら生きてみるのも面白そうじゃありませんか。

というか、コロナ禍を経て、そういう暮らしの形は国内外問わずこれからどんどん増えていくと思います。

移住をあきらめたら、可能性が広がった

NZに移住することを夢見て働き方や暮らし方を一生懸命変えた先に見えた景色は、当初思っていたものと全く違いました。

結婚すること
子どもを持つこと
大きな起業家になること
憧れた国に移住すること

人生のある時点で描いていた生き方が、本当に自分の求めているものであるかはやってみないと分かりません。思い描いていてもその通りにならないことも沢山あります。

でも

思い通りにはならないこと、それこそが人生の醍醐味でしょ。と思ってたりもします。

今日この記事を書いたのは、ひょっとするとオンラインであれば、こんな暮らし方・生き方に共感してもらえる人に出会えるかもしれないと思ったからです。

そう考えると、私はNZに憧れる日本人ではあるけど、インターネットという大海に暮らす一人でもあるのだなぁ。

さぁ、今日も人生を楽しみましょう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?