アイディア農場プロジェクト:大企業におけるイノベーションマネジメントシステム(ISO56002実装の下調べ編)(2022/01/10更新、2019/11/2開始)

「このページは通読用のものではありません。
ここにあるのは、思考の断片、アイディアの種です。
毎日ひとつを取り上げて読み、それに対して考えを巡らせてください。
そこから、新しいアイディアが芽を吹き、成長することを期待します。」(野口悠紀雄さん)

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2022/01/10更新

2022/01/10追記:CVCやマイノリティ出資は、このイノベーションマネジメントシステムにおいては、どこに位置付けられているのだろうか?

▼イノベーションマネジメントシステム

2019/10/16開催 ISO56002発行記念:
JINイノベーション・マネジメントシステム フォーラム
https://ims-jin191016forum.peatix.com/

イノベーションマネジメントシステムとは、イノベーションに関する施策を円滑に動かすためのOSである。アプリを実行しようと思っても、合致するOSにのせなければ、うまく機能しない。当たり前のことだ。

イノベーションマネジメントシステムの国際標準規格であるISO56002には、リーガル、法律、法的リスクのようなコンポーネント・要素がある。 

過去、プロジェクトマネジメントという仕事が生み出されたように、今後は、イノベーションマネジメントという仕事が生み出される、というお話。

以下は、イノベーションマネジメントシステムの国際標準のISO56002などの56000シリーズを踏まえた経産省が策定した行動指針。 

経済産業省
@meti_NIPPON
日本企業における #価値創造 マネジメントに関する行動指針を策定
#イノベーション ・マネジメントシステムの国際標準化の動き等を踏まえ、企業のイノベーション創出加速の観点から課題克服の重要項目、企業の取り組み等について整理しました
経営変革の一助にご活用ください
https://www.meti.go.jp/press/2019/10/20191004003/20191004003.html

▼大企業のパターン、構造、メンタルモデル

以下は、スタートアップに限らず、大企業でも同じ構造かもしれない。特に、人的リソースが不足すると、同じ循環に陥る。 大企業はどう解決してきたのか? 

繰り返しのパターンには、構造が潜んでいて、構造にはメンタルモデルが潜んでいる。まずは、パターンに気づき、構造を捉えることが大切だ。構造が見えてきた場合は、ゲームの手法を使って、共通体験化することが大事。そうすると、日常に戻った時に、共通の体験をしているので、共通言語化が進みやすい。日常とは別の世界での共通体験が手段のキモだ。

▼JIN・西口氏の話

『SHIFT:イノベーションの作法』によると、モノに対する態度が4つに分かれる。

そうすると、たった一つの冴えたやり方(だと思われるもの)を国際基準化することで、逆に、イノベーションを起こしにくくなる企業が出てくるのではないか。なぜならば、イノベーションの本質は差を生み出すことだからだ。

イノベーションマネジメントシステムをマニュアルと捉えるか、骨法と捉えるかで、効果は大きく異なるだろう。その点でも、イノベーションを起こすことは非常に難しい。

個人技でのイノベーションは時代遅れに。イノベーションマネジメントの標準化が進む世界の最新動向についてJIN・西口氏が語る。
https://eiicon.net/articles/953?_c=OS0002


■大企業におけるイノベーションに関する「アプリケーション」例

大企業における新規事業起案コンテストの目的は何なのだろうか? その目的に自覚的になる必要がある。実はその目的意識が統一されていない場合が多いのではないか。そうなると、目的、戦略、戦術、実行のどこかに不整合が起き、無駄な投資(時間、金など)になる。あらかじめ、狙いを定めておく必要がある。

ただ、新規事業起案コンテストなどのアプリケーションは、合致するOSが企業に備わっていないと、機能しない、動かない。

■その他

大企業におけるイノベーションについて、イノベーションの定義、目的、戦略を明確にすることが最重要。それがなければ、優秀なビジネスサイド、優秀な法務がいても、うまくイノベーションが形にならない。イノベーションの目的、戦略策定の方法論が必要。

大企業でイノベーションを起こすためには、自由と規律が重要。自由と規律は相反しそうな概念だが、両方が必要だ。もちろん、真のイノベーターが社内にいれば、自由が乏しく、規律が緩くても、イノベーションは起こせるかもしれない。大事なポイントは、チームや組織として、再現性のある形でイノベーションを起こすこと。そのプロセスを磨くのが、日本企業の勝ち筋。

日本の大企業で、再現性をもってイノベーションの生み出せているのは、どこだろうか?

グーグルベンチャーズは、内製のリーガル・法務部門を持っているのだろうか? M&Aは外注していそうだ。買収後のスタートアップ支援時のリーガルサポートは内製化しているのか?

大企業におけるイノベーション創出において、今本質的に必要なのは、大企業同士の連携なのではないか。大企業同士での競争ではなく、大企業同士の連携が必要。

大企業において、真に危機感を持つのは難しいが、危機感を演出することは可能かもしれない。また、逆に、危機感がない大企業だからこその強みはないのだろうか。危機意識がイノベーションを生み出すことも真理だと思うが、優雅に苦労せずにイノベーションを起こすことは、本当にできないのだろうか?


▼大企業内のイノベーション

・全社戦略、事業戦略など、戦略にもいくつかのレイヤーがあるが、そもそもの目的とその戦略への理解なしに法務が対応しても価値が乏しい。案件が発生してから理解しようと思っても手遅れで、日常的に意識し、調べ、人に聞くことが大事。そのためにも、日々の雑談が重要。

・管理部門内の各部門ごとに、それぞれテックサービスが導入され、より部門間の断絶が起き、非効率になっていく。また、テックサービスは、以前よりも安価に手に入り、それもあって、断絶が進んでいる。テックを導入する際は、特定の課題に飛び付くのではなく、部門内、関係しそうな外の部門の課題を洗い出した上で、テックサービスを導入する必要がある。

・管理部門向けテックサービス各企業の長期的な戦略ストーリーの一つに、管理部門の1機能から入り、徐々に範囲を広げていくというものがあるだろう。もしくは各サービスを統合するプラットフォームサービスができるかも。部門を越えた一気通貫サービスが欲しい。

▼大企業とイノベーション

・人担保で、属人的に大企業でイノベーションを起こそうとしても、その人は自分で会社を立ち上げられるはずなので、長期的には大企業に居続けない、はず。なので、大企業では、人担保ではなく、チームや組織担保でイノベーションを考える必要がある。

・平成29年10月2日設立のJapan Digital Design株式会社について研究したい。大企業におけるイノベーションの方法論が見出せるかもしれない。 https://www.japan-d2.com/company

・ファーストリテイリングの柳井さんは、大企業×イノベーションについて、どう考えているのだろうか?

・大企業の新規事業・イノベーションについての法務支援については、大企業そのものの取り組みよりも、ファイナンシャルリターンを重視しているCVCやVCの法務支援を研究した方が筋が良いように感じてきた。投資家からの要請もあるので、効果的な法務支援をしているはず。

*パナソニックは、株式会社BeeEdgeやパナソニックベンチャーズ合同会社を作り、大企業でのイノベーション創出を進めている。

*株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループは、Japan Digital Design株式会社を作り、大企業におけるイノベーション創出を進めている。 本業そのものの事業戦略をどの部署の誰がオーナーになって、絵を描いているのだろうか?


▼大企業×新規事業立ち上げ

・グーグルは、世の中の各種サービスの動向をどの基準でモニタリングしていて、どのタイミングでプロジェクトを立ち上げ、どのタイミングでサービスをリリースするのか? 社内の体制が気になる。グーグルとて、無尽蔵にリソースがあるわけではないので、基準に従った優先順位付けがあるはず。

・どんな人材が最低限必要か?長期的な目線でどんな人材を何人配置するのがベストか?

以下の記事は面白い。ただ、大企業における新規事業立ち上げには必ずしもフィットしない。

「現代のスタートアップチーム構成における6つの役割とは」
https://blog.btrax.com/jp/6-roles-in-startups/

以上


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