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400字書評集

205
400字以内で書いた書評をまとめています。
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記事一覧

書評 206 「砂糖の世界史」

表題からは人間の食文化の歴史、甘いものがどの様に食卓を変えてきたかといった話を期待するが…

書評 205 「人間の大地」

「ちいさな王子」(星の王子様)で知られるサン=テグジュペリの私小説的作品。 飛行機の操縦…

書評 204 「人間はどこまで耐えられるのか」

面白おかしい科学エッセイの様なタイトルだが、限界環境で人間の身体はどの様になるのかを生理…

書評 203 「日本アニメの革新」

日本アニメの歴史解説本は作品のストーリーや設定、いわゆる世界観とかターゲット層に視点をお…

書評 202 「仕掛学」

他者にある行動をさせたい。そこで、相関する事象をデータから読み解いて導き出す。そんなこと…

書評 201 「怖い絵」

名画と呼ばれる西洋絵画。美術館や画集で見て、美しいとか引き込まれるといった感覚を得る一方…

書評 200 「大胆推理! ケンミン食のなぜ」

食にまつわる文化史の著作が多い著者によるエッセイ集。都道府県ないし大きな市の特色ある料理や味付けを取り上げて、考察した22編が束ねられている。 著者は生活史研究家を称しているが、歴史学や社会学などの学者ではない。言って見ればライターなのだが視点が面白く、なおかつ等身大というか市民目線で調べて考えているのが読者としては馴染みやすい。 本書では福岡の豚骨ラーメンなど誰でも聞いたことがあるものから、さほど知られていないものまで同列に書かれている。元々は雑誌の連載だったこともあり

書評 199 「OPEN」

米国シンクタンクのシニアフェローである著者。日本語では評論家になってしまうが、社会の分析…

書評 198 「逆ソクラテス」

伊坂幸太郎の短編集。5編はどれも子どもが主人公。伊坂幸太郎と言えば、犯罪者や悪人が主人公…

書評 197 「最後通牒ゲームの謎」

経済学の範疇にあるゲーム理論。交渉する際の意思・行動決定をモデル化して見出そうという学問…

書評 196 「為末メソッド」

著者が長年唱えている「人間を知りたい」。その探求と、自身が現役時代に考えて実行したことを…

書評 195 「遺跡が語る日本人のくらし」

著名な考古学者で国立歴史民俗博物館の館長を務めた、故佐原真さんの著書。考古学の面白さを中…

書評 194 「風の谷のナウシカ」

数十年ぶりの再読。 ジブリアニメとして有名な作品だが、これはアニメ専門誌に宮崎駿さん自ら…

書評 193 「コーランを知っていますか」

阿刀田高さんによる宗教聖典解説エッセイシリーズを読むのも旧約聖書、新約聖書に次いで3冊目。本書も同様に軽妙な文章で読みやすい。 前の2冊とは構成がかなり異なっているが、それは原典の違いにある様だ。著者によれば旧約聖書は神話的な物語で、新約聖書はイエスの伝記。コーランはストーリーではなく、講釈の集成。なのでストーリーの要約版にすることがそもそもできない。このため、本書は解説的な記述が多くなっている。そうなると読んでいて面白くなくなるものだが、著者の筆力がそれをカバーしている。