久しぶりの海外旅行を前に、最新のスーツケースを購入した。小さな機械が内蔵されている。その分容量が少ないし、重いのだが、かなり画期的な機能がついている。

移動中に中の衣類を綺麗にしてくれるのだ。
どういう仕組みなのかわからないが、洗濯機がついている様なことらしい。試しに朝、衣類を放り込んでスイッチオン。仕事から帰ってスーツケースを開けてみると、確かに綺麗になっていた。ちょっと皺が目立つが、普段着のTシャツやジーンズなら気にならないレベル。これは良い。

海外旅行出発の当日。普通なら綺麗な衣類を詰めていくのだが、敢えて着終わった服を放り込んだ。タイマーセットもできるので、現地のホテルにチェックインする時間に合わせて洗濯が終わる様にした。

成田空港を離陸、定刻に旅行先のA国に到着。順調だ。スーツケースを受け取って、入国手続きに並ぶ。税関で開ける様に言われて、困った。洗濯機能が動いている間は開けられないのだ。それを必死に説明するが、全く理解されない。やむを得ず無理矢理開ける。すると、ドバッと水が溢れ出した。検査台は水浸し。検査官も泡だらけ。

超高圧で圧縮した洗濯水を内蔵し、洗濯後には衣類から完璧に吸い取り、濾過して圧縮再収納していると知ったのは帰国後。