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「帰りました!」って言葉の偉大さ。


今日の胸の高鳴りはそれだけが理由じゃない。仕事終わりに「実家へ帰省する」っていうのも、胸の高鳴りを助長させる一躍になっている。

幸せいっぱいの気持ちで金曜の仕事を終えると、そのまま車に飛び乗って夜の街をひた走った。

車を走らせること90分。道中は“無心”だった。
疲労感を感じてはいたが、それすらどうでもいいように感じてしまうほどの虚脱感が身体を襲った。帰れるっていう高揚感はありながらも、疲れがその感情を阻害している感じがする。

でも不思議なもんで、実家に辿り着くと活力が全開になる。車を停め、暗がりのなか歩を進める。見えてきたのは一筋の光だ。家族のいる家の明かりが見えてきた。

田舎で、周りになにもないからこそ、より輝いて見えるその光は、僕の心まで照らしてくれた。不思議と疲れが飛んで、高揚感が湧き上がってきた。顔が自然と弛んで、笑顔がとまらない。

湧き上がってきた感情そのままに、帰りを声高に叫んだ。

「帰りましたーーー!!!!!!」

近所中に響き渡るその声は、やがて複数の足音へと変わっていく。ドドドド...。

「お帰り〜!」

家族が出迎えてくれた。

小学校に通っていた10年前は、「行ってきます!」って叫んだら「行ってらっしゃい」って返ってきて、「帰りました!」って叫んだら「お帰りなさい!」って返ってきてたことを不意に思い出した。

当時は儀式的なものだと認識していて、そのやり取りに特別深い意味を感じたことはなかった...。

今こうして大人になって、そのあいさつの意味が初めてわかったような気がした。自分自身の心が晴れやかになるし、なぜか前向きで明るい気持ちになれる。

「帰れる場所」があって、挨拶をするだけでこんなにも晴れやかな気持ちになれる。あいさつの力は素晴らしいものだ。

ちょっと疲れたらまたここに帰ってきて、それで心が休まったらまたやりたいことを全力でやろう!改めて家族の素晴らしさ、そしてあいさつの素晴らしさを感じた社会人初めての帰省でした。

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