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月世界の白昼夢

親愛なるレディース&ジェントルメン、ご無沙汰しております。
姫野光太郎です。
ようやく春が来ましたね。学生の方々はご卒業・ご入学おめでとうございます。
そして新社会人の皆様も本当におめでとうございます。花粉と体調と人間関係に気をつけながら適当に頑張りましょう。

↓本題↓

先日、僕にとって特別な存在であり伝説のロックスター、デヴィッド・ボウイのドキュメンタリー映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』を観てきまして。(大阪・高槻が生んだロックンローラー、友膳陵馬氏同伴。彼が最高に良い席を予約してくださいました。)
今回は映画の感想やら、ボウイに対する僕の想いを少し、語ります。いや、“語ります”というか“綴ります”やな。訂正させて。
多分長くなります。男前な僕に免じて許してあげてください。

-映画を観て-

まず観終わった時思いました。「え、あっという間やん?!」って。
ドキュメンタリー映画を観るというよりは、冒頭からエンドロールまでの間、デヴィッド・ボウイという一人の男の頭の中で旅をするような感覚でした。まさに月世界であり異世界でありファンタジーでした。旅の間は完全に時間を忘れてましたね。売店で買ったビールはほとんど口をつけずでした。

“ロックスター”というアイコン抜きに、人間そのものが持つ本能とか性質を弾に込めて一発心臓にぶち込まれたので、ある意味ショッキングな体験だったとも言えます。
彼の肉声然り、表情、言動、苦悩を肌で感じ、僕にとって偉大な存在であることは間違いないけど、彼も僕と同じ、一人の人間であると思えたことが何よりも嬉しかったです。大勢から注目を浴びるような人でも、色んなことでもがき苦しんだり、“辛い”と感じたり、当たり前のことやけどそれこそ人間の美しい姿でしょ。
僕はこの映画を、ボウイのことを全く知らない人に観てほしいかも。
行き詰まりを感じている人にそっと手を差し伸べてくれる、それくらいのパワーを秘めていると思います。

-記憶を辿る‐

僕がデヴィッド・ボウイを知ったのはギリギリ中学生の時やったかと。その頃の僕はまだロックは勉強中って感じで(60年代イギリスのビートグループに夢中でした)、よくロッキングオンとかを読んでました。そんな中ひときわ異彩を放ってたのがボウイでした。グラムロック期のショーの写真が載ってたんですけど、僕は一瞬にして恋に落ちたわけです。

忘れもしないこの写真

しばらくしてテレビでデヴィッド・ボウイの特集を観まして。そこで動くボウイを初めて見るわけですよ。もちろんパソコンもスマホも持ってなかったし。動くボウイがこれまた感動モノで、、。
特に衝撃的やったのが「Life on Mars?」っていう曲のミュージックビデオ。スカイブルーのシングルスーツ、濃く青く塗られたアイシャドウ、ピンクに輝く唇、全てが完璧でした。
楽曲自体もすごく刺さったし、手の動きが美しいなと思った。指がほんまに綺麗で。

せっかくなので2016年ミックスの方を。

そっから僕、高校に入るわけです。彼を真似て、できるだけ襟足を伸ばして入学しました(言うほど伸びんかった)
しかし高一の冬、突然の訃報。彼のことを知ってまだ一年も経ってないのに。あまりにも早すぎました。学校帰りやったんですが、その日は家に帰らず、ずっと公園にいました。とにかく泣いた。一度でいいから彼のステージを生で観たかった。

それまでも意識はしてましたが、亡くなってから更に憧れるようになりました。バンドで文化祭のステージに出たときには目の下に黒い星を描いて出てたし(彼のラストアルバム「★(Blackstar)」にちなんで)、「アラジン・セイン」のアルバムジャケットを真似て眉毛を剃り落として登校し、生活指導室に無理矢理連れていかれてめちゃくちゃ怒鳴られたこともあります。「気味が悪いから眉毛を描いて登校しなさい!」と言われましたが「それじゃ意味ないやろ」と言うことを聞くわけもなく。挙句の果てには先生が折れましたね。まあ、変な感じで生えてきちゃって最終的には麻呂眉になってもうたけど(笑)。高校時代の皆様、あの時は奇妙なことばっかりしてて怖かったやろうに、ごめんな。

高校時代の姫野。左目の下に“★”を描いている。

成人を迎えた自分が真剣に音楽活動をするようになって、やっぱり彼から受けた影響は凄まじいなって思います。確かに楽曲的な部分やと、前にも話した昭和歌謡とかの影響が大きかったりするんですけど、音楽的な影響以上に、デヴィッド・ボウイという存在そのものの影響がでかくてですね。思想、ステージ上でのナヨナヨしたあの感じ、ナルシストであること、常に芸術家であること、もうね、全部です。つまり、デヴィッド・ボウイのような楽曲を書きたいというよりはデヴィッド・ボウイのようなアーティストになりたいっていう感じです。この映画を観て、アーティスト(一人の人間)としての美学を再認識しました

ムーンエイジ・デイドリーム~月世界の白昼夢~ サウンドトラック

もちろんサントラも手に入れました。今や愛聴盤となっております。劇場で聴いた音も半端なかった。トニー・ヴィスコンティもポール・マッセイもやっぱり凄い。いやー、もう一回観たいな、、。


姫野光太郎・・・大阪府出身のシンガーソングライター。14歳か15歳の時にギターを弾き始め、18歳のときにはじめてライブハウスに出演。大体この頃から作曲もはじめる。まあなんやかんやありまして今に至る。


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