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東京の玄関口を彩る、京都の伝統工芸発WAZAI

つい先日新年が明けたと思ったら、もう2月に突入しようとしている事実に衝撃を受けていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。能登大地震という心痛むニュースからスタートした今年。被災された方々が1日も早く平穏な日常を取り戻せることを願いながら、現在、私も理事として名を連ねているNPO法人DENTOからの支援を考えているところです。

さて、前回の投稿からずいぶんと日にちが空いてしまいましたが、前回は、日本の伝統工芸から生まれたマテリアル「WAZAI」を活用したグローバルビジネスについてご紹介しました。今回は、最近の日本国内での採用事例についてお話ししたいと思います。


伝統工芸✖️現代デザインから生まれた内装マテリアルWAZAI

私たちが「WAZAI」と呼んでいるのは、木工、竹工、金工、陶磁器、織物、漆、和紙、畳など日本の伝統的なものづくり技術に、現代デザインを掛け合わせて生まれた内装・インテリア向けマテリアル。日吉屋のインテリア部門JDLI(JAPAN DESIGN LIGHTING & INTERIOR)プロデュースのもと、全国各地のつくり手と国内外の気鋭のクリエイターをつなげて、毎年コレクションを増やしています。

その中でも京都のつくり手だけに限定したWAZAIのショールームが、こちらの記事でご紹介した「京都アンプリチュード」。これまでなかった京都発の地域商社として、昨年末のオープン以来、さまざまな設計事務所やインテリアデザイナーの方々の空間づくりにご活用いただいています。

コワーキングスペースも備えた、和モダンな献血ルーム

そんなご活用事例のひとつが、今年5月に東京八重洲口ヤンマー東京ビル3Fにオープンした「東京八重洲献血ルーム」。近年、急速に需要が高まっている血漿成分献血のニーズに対応するために誕生した、血漿成分献血専用の施設です。

ここには日吉屋のデザイン照明KOTORIのほか、西陣織のファブリックを貼った家具、絹ガラス(絹織物の紋様が楽しめる合わせガラス)や竹のパーテーション、唐紙などがあしらわれ、和モダンな雰囲気を醸し出しています。

献血ルームといえば、病院の一室のような味気ない空間を想像される方も多いかもしれませんが、ここはそんな先入観を打ち破るスタイリッシュ空間。血漿成分献血には40~90分程度の時間を要するため、少しでもリラックスして心地よく過ごしてほしいという思いが伝わってきます。さらに、ちょっと仕事もできるコワーキングスペースも備えており、至れり尽くせりです。

この空間デザインを担当されたのは、デザイナー集団である「デザインギルド・トーキョー」代表で、株式会社C&DC代表の佐久間圭介さん。デザインギルド・トーキョーは日吉屋のデザイン照明KOTORIの開発に関わってくださった照明デザイナー長根寛さんが副代表を努めており、弊社とは長年協業関係にあります。そのご縁で弊社がプロデュースするWAZAIにも早くから目を留め、積極的にご活用くださっていました。京都発のWAZAIが、東京の玄関口の一角を飾っていると思うと、なんだか胸が躍る気がします。

竹の意匠パネルを生かした、丸ノ内・丸ビルエントランス

次にご紹介するのは、丸ノ内オアゾに隣接する丸ノ内北口ビルディングの1階エントランスです。このビルには京都市役所の東京拠点がテナントとして入っていることから、エントランス改修に当たって、オーナーである三菱地所様が、京都の素材を生かして「日本の美」を表現することを検討。その流れで、この改修を受託された設計デザイン事務所からご相談を受け、弊社もWAZAIを生かした空間づくりにご協力させていただきました。

今回、この空間のためにセレクトしたのは、竹を生かした意匠パネル。輪切りにした竹のサークルモチーフがいくつも連なって、リズミカルな印象を生み出しています。竹のサークルモチーフを縦に貫通しているのは、組紐に真鍮棒を通したもの。これも艶やかなアクセントになっています。

この意匠パネルは、京都の伝統工芸の担い手を対象に、弊社がプロデュースした新商品開発プロジェクト「あたらしきもの京都インテリア」にて、前述の「デザインギルド・トーキョー」協力のもと開発したもののアレンジ版。今回の空間演出にあたっては、日吉屋所属のインテリアデザイナーが竹の配置に少しずつ角度をつけて動きを出し、このエントランスに合うように仕立てています。

弊社・日吉屋のデザイン照明KOTORIも空間を彩っています。

このように皆様にも見ていただける場所に、WAZAIを生かした空間が少しずつ増えていくことを、大変喜ばしく思っています。お近くに行かれる機会がありましたら、ぜひお立ち寄りの上、WAZAIの持つ雰囲気に触れてみてください。


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