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BGMとオーディオブランディング

こんにちは。
音楽家育成塾のこうたろうです。

本日はBGMのマーケティング効果とオーディオブランディングについて。

音楽家の仕事としては、昨今だと、どこかのYoutubeチャンネルや企画のチームの音楽担当だったり、企業のマーケティング担当だったり、各種販促企画のプロデュース的な側面が重要になってきます。

こういう仕事を担当するときに重要になってくる技術が

  • 作曲能力

  • 編曲能力

  • 録音技術

  • サウンドメイキング技術

になってきます。
作編曲はまたの機会に紹介するとして、録音技術に関してはKotaro Studioの方でもマイキング含めてしっかりレクチャーしていますので、ステレオ録音から楽器収録まで学んでみてください。


本日はBGMのマーケティング効果と、企業やチームにブランディング音楽を制作、提供する際の基礎知識としていくつかの情報をシェアします。

この記事を見るだけで、BGM制作やオーディオブランディングの依頼を受けた際に柔軟に対応できるようになります。



BGMと購買意欲の関連性について

イギリスでのBGMに関する研究に「BGMが顧客の購買決定とどのように影響するのか」調べました。

実験場所はワインショップでした。

フランスの音楽とドイツの音楽を1日おきに流して調査されました。

すると、フランスの音楽を流した日はフランスワインの売り上げがあがり、ドイツの音楽を流した日はドイツのワインが他のワインよりも売り上げが数倍にも上がったということです。

ここで面白いのが、やはりワインの購買意欲というと、一般的にはフランスの方が優位性が高いと考えるのが自然です。

ドイツワインというと白ワインがベースになりますし、品種もリースリングとかなり限定的。

やはりビールの国ですから、豊富な気候と土壌を持つフランスワインには勝てません。

このベース軸があるにも関わらず、ドイツ音楽をBGMにするだけでドイツワインの売り上げがあがるというのは非常に興味深い結果であると言えます。


学習速度と効率

また、別の研究では、心を落ち着かせるBGMがあると、情緒障害や行動障害を持った子どもたちの数学の学習速度がはやくなることもわかっています。

他にも銀行にBGMを流すと、その銀行に対する顧客の意識がどれほど変わるのか?という研究でも、クラシック音楽が流れていると、その銀行を「元気付けられる」と評した人が音楽のない状態と比較し、233%も増えたというデータもあります。

では、心を落ち着かせるBGMとは何か?

そのあたりは筆者のオーディオ配信ブランドであるCuranz Soundsにて詳しく研究レポートをアップしていますので、是非記事に目を通してみてください。



BGMの制作基準

これらのことから、何を売るのか?どこの誰に売るのか?によって、制作内容を変えていく必要があります。

自分はドイツ音楽しかしないから、フランス音楽は演奏しないというのは、あまりにも社会性がない判断であると言えますね。



ブランディングで求められる音とは?

社会は音楽家に何を求めているのか?

300年前であれば、オペラの楽曲制作だったり、交響曲の作曲だったり、教会音楽の作曲だったりするでしょう。

ただし、現代において四楽章からなる40分の音楽や、2時間のオペラ作品が求められていないのは明確でしょう。

もちろん、現代音楽で一曲演奏するのに1年かかります!というおもしろい企画はある程度のマーケティング効果があることでしょう。

しかし演奏者と指揮者はリレー形式で交代しなければいけませんね。

音作りというのは企業やチーム、ブランドのイメージを決める極めて重要な要素であると言えます。

あのメルセデス・ベンツには、ドアを閉める音を開発する専属のチームがいるのをご存知でしょうか?

ドアを閉めるときにはベンツのCMのような音はなりませんよね。

しかし、あの音を聞けばなぜか「高級感、安定性、重厚感」といったイメージを誰もが持つはずです。

それほど音の印象は強烈になってくるのです。

現代で求められるブランディングサウンドとは、たった数秒〜数十秒の世界です。

昨今だとAIには決してできない音を作る必要があります。
サウンドデザイン、サウンドメイクはAIでもある程度可能になってくるでしょう。

ただし、AIは録音ができません。

高い録音技術を持った人間を超える録音能力(マイクロフォンの選定やセッティング方式の創造)をAIが持つようになるのはもっと先でしょう。

それは人間と同じ演奏能力を持つ頃・・・であると個人的には推測しています。


何十年も使うことを想定する

ブランディング用音楽の制作で特にテーマソング、テーマ曲を制作する際には、基本的に何十年先にも使える音楽を心がえける必要があります。

ラジオ番組で筆者が好きなのはジェットストリーム。

あの音楽が流れるとジェットストリームなんですよね。

他にもユナイテッドエアラインは、ガーシュインの曲で大成功を納めました。

企業やチームから依頼が来た場合、1からオリジナルを作るという選択肢以外に、既存の曲をアレンジするという方法も検討できるように、著作権に関する知識は日々アップデートしていく必要があります。


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