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トコノマヒストリー第10話:toconomaアマチュアバンドとして歩み出す

2008年。初ライブを終えたtoconomaは生まれたての子鹿よろしく、よちよちとアマチュア・バンドとして歩み始めたのだった!

前回はこちら↓

演奏の出来はさておき、ひとまず初ライブは成功した…と言ってよかっただろう。お客さんは身内だけとはいえ、明確に手応えはあった。「これ誰の曲?…え!オリジナルなの!?いいじゃん!」みたいな。当初の目的であった「彼女をつくる」は誰も達成できなかったが、いよいよtoconomは本格的に活動していく……

わけでもなかった……。

いかんせん入社2年目の新米である。とにかく仕事が忙しい。当時の会社員生活はこちら↓のnoteで書いたが、とにかくブラックな毎日を送っていた。漆黒!

今思い返してもほぼ仕事の記憶しか出てこない。バンドに費やす余力がなかったので、特段ペースアップするでもなく、なんとなくスタジオに入り続けていた。

記録を見返すと、初ライブから4ヶ月後(2009年3月)に同じライブハウスHOMEで演奏をしている。この日はHOME主催の「ブッキングイベント」だった。無名のバンドなんてワンマンなどできるわけないので、ライブハウスが色々なバンドに声をかけて主催するブッキングイベントに出演し続けて、地道に集客を増やすのが2009年の王道スタイルだったのだ。

2023年現在でもそういうバンドはたくさんいると思うが、今はyoutubeなりtiktokで1発当ててステップアップするアーティストが目立つ気がする。レコード会社の新人発掘の方に話を聞いても(もちろんライブハウスにも足を運ぶが)やはりネットで目立つ若者に声をかけているらしい。今は自分でリリースまでできちゃうからね。DTMの敷居も下がったし、簡単なMVなら個人で作れる。

さて、そんな初のブッキングイベントで、僕らは現実を思い知らされることになる。

お客さんがいないのだ。フロアがスカスカ。東京スカスカ・パラダイス・オーケストラ(無人)である。快適すぎて泣けてくる。


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いしばなし

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インストバンドtoconomaのギター石橋がお届けするよもやま話。バンドにまつわること、デザインのこと、コラムなど。SNSでは書ききれない…

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