ラディッキオ・ロッサ・デ・トレビーゾ・タルティーボ
もうちょっとマシなタイトルとも思ったんですが、名前が長いのでそのままです。
「ラディッキオ・ロッサ・デ・トレビーゾ・タルティーボ」という長ったらしい名前の野菜です。
冬のイタリア野菜の代表格みたいなもので、栽培にも手間がかかりちょっとお高めな高級野菜。
名前の意味は?
長い名前ですが、一般的には「タルティーボ」と呼ばれています。
ラディッキオ=チコリのイタリア語
ロッサ=赤
デ(ディ)=イタリア語の「of」つまり「~の」
トレビーゾ=イタリアの都市の名前、ヴェネチアの北の方
タルティーボ=晩生(ばんせい、またはおくてと読みます)、種をまいて出来上がるまで時間のかかる野菜
トレビーゾ地方の赤い晩生のチコリ、ということ。
まぁ、「タルティーボ」でOKです。
ところでチコリって何?
ラディッキオとはチコリのこと。
チコリはキク科の野菜で、主にヨーロッパで栽培されています。
日本でも出回ってますが、生産量はまだまだ少ないようです。
チコリで有名なものは白菜の芯のようなアレ。「チコリ」「チコン」「アンディーブ」などと呼ばれ、スーパーなどでも見かけるかと。レストランにでも行かないと食べないかもしれません。
もうひとつチコリといえば「トレビス」
ソフトボール大の赤キャベツのような野菜。見た目は似てますがキャベツとは全く違います。
キャベツはアブラナ科ですが、チコリはキク科。
もちろん味も違います。
代表的なチコリはこの2種類ですが、これ以外にも、「カステルフランコ」「エンダイブ」「プレコーチェ」「プンタレッラ」などいろいろ。
どれも特徴的なのは「苦味」
もちろん苦くて食べられないような苦味ではなく、季節によりますがさわやかな苦味。品種によってその苦味の強さも違うし、栽培方法によってまた変わってきます。
タルティーボは手間がかかります
野菜って種まいて育ったら収穫して店頭に並ぶイメージかもしれませんが、タルティーボはもうひと手間ふた手間かかります。
種まきは初夏、だいたい7月ごろです。
畑で大きく育てたタルティーボを11月ごろから一度掘り上げます。
暑い時期は緑色ですが、寒さにあたると赤みがでます。
それを水耕栽培に移します。
土で育てることを「土耕」
水で育てることを「水耕」
つまり土で育てたタルティーボをわざわざ水でもう一度育てます。
写真がいまいちですがご参考までに。
右下の写真が水を張ったプールに入れた状態。
この状態から光を遮って2~3週間程度。
写真は左から掘りたて、そして1週間後の全体と内側。
最初は綺麗だった緑の葉も色が薄くなり、葉先が傷んできます。
もうちょっと我慢して外の葉をたくさんむくと、きれいなタルティーボが現れてきます。
ほのかな苦味、あまみもありシャキシャキ
チコリは苦味が特徴ではありますが、水耕にうつして光を遮ることにより(軟白といいます)、苦味が弱くなり、すっきりとした味わいになります。
寒い時期なのでほのかな甘味もあり、なんともいえない美味しさです。
食べた感じはシャキシャキとしており、他の野菜にはない食感、味わい。
なかなかお目にかかることなないかもしれませんが、イタリアンのお店でデてくるかもしれません。
葉っぱ一枚一枚がしっかりしているので、サラダやバーニャカウダのような感じで1枚だけ添えられているかも。
もしレストランで見かけたら、遠慮なく聞いてみてくださいね。
「これってタルティーボですか?」
サラダや付け合せ、そして火を通しても
ちょっとした付け合せなどに使われることも多いタルティーボですが、もしまるごと手に入ったら、バルサミコ酢を使ったソテーもおすすめです。
縦に割いたタルティーボをオリーブオイルでソテーして、そこにバルサミコ酢とブラウンシュガーを入れるだけです。
苦味、酸味、甘みが渾然と一体化て、シャキシャキしながらもやわらかくなったタルティーボは、この世のぜいたくかもしれません。
なかなかお目にかかることはないかもしれませんが、もし見つけたらちょっと高いですが、ぜひお試しくださいね。
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