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春から音大生のみなさんへ

Twitterを見ていると、どういうアルゴリズムか音大関係や春から音大生な投稿がタイムラインに表示されていました。

というわけで、今日は音楽系コラム回。
春から音大生のみなさんへ贈る〜大切な5つのことについてお届け!

1、1日20時間練習できますか?

さて、みなさんは音楽の天才ですか?
天才である自信のない方、まずはKotaro Studioのコラム記事に目を通してみてください。
大丈夫!
あなたは天才です!

あれ?練習時間ってその程度でいいの?
と音大生になった方であれば思うかもしれません。
週30時間以上、通算1万時間。

このコラムは脳のニューロンのお話。

音楽の天才になるには、週30時間以上通算1万時間はスタートラインです。

最低でも1日20時間、練習または音楽のことを考え続けてください。

  • バイトの時間はBGMを脳内で楽譜に書き起こしてください。

  • あなたが管楽器奏者ならマウスピースを溶接しちゃいましょう。

さすがに溶接というのは冗談ですが、マウスピースが一体型になっているトランペットがあるのもご存知ですよね!
つまり、ウォーミングアップをしなきゃいけないくらい練習時間を空けてはいけないということ。

それくらいのガッツで練習しましょう。

2、考える力を身につける

音符を演奏する?
これに一体なんの意味があるでしょうか。

考えずに演奏することになんの意味もありません。

音符には必ず意味があり、ミクロなシークエンスがあり、マクロなストーリーがそこにはあります。
それがあるから音が芸術へと昇華していくわけです。

E=mc2はアインシュタインのシンプルなエネルギーを生み出すための方程式。
これだって考える力が備わっていると、モノ(≒質量)とは詰まるところエネルギーであることがわかるわけです。
モノとはエネルギーであることがわかるともっともっとたくさんのことが見えてくるはず。

音楽も同じです。

そのフレーズはなんのために存在するのか?
考える力が備わっているとそのフレーズはその楽曲の解ではない可能性に気付くことだってあるかもしれません。

その音はなぜそこにあるのか?
しっかり考える癖をつけてください。

楽譜に書いてあるからただ演奏する・・・
こんなことはコンピューターがやってくれるのであなたがやる必要はありません。

楽曲アナライズにおいてフルスコアを見る、作者の他の作品を分析する、同時代の背景や同世代の作家の作品を分析する。

常に思考を巡らせ、目の前にある音と対話するようにしてください。

3、楽器に盲信しないこと

楽器の技術を競い合うだけが音楽ではありません。

演奏能力だけに長けた人、作曲能力に長けた人、音響のアナライズが得意な人、歴史考証が好きな人。

それぞれ特性は違うのになぜか演奏能力だけで評価がつけられてしまう傾向があります。

もし自分が演奏能力に長けた人物ではないと判断するのであれば、早々に得意分野に切り替える勇気を持ってください。

音大では西洋音楽を軸に音楽を学びますが、一度世界各地の民族音楽に目を向けてみると全く違う文化や世界観が広がっていたりします。

楽器の演奏技術だけに盲信して自分の得意分野や可能性を犠牲にしないようにしてください。

4、重い房ほどよく垂れる

ユダヤの叡智タルムードにはこんな言葉があります。

ブドウの房は重い房ほどよく垂れる。
そして、風が吹いても動じない。

ユダヤの言い伝え

音大生になるくらいですから、入学するまでは地域で、周りで一番楽器がうまかった人たちでしょう。

入学してもなお一番になる人ももちろんいるかもしれません。

しかし、重い房ほどよく垂れることを覚えておくと、あなたの音楽人生に必ずプラスになります。

あなたの房が本当に重ければしっかり頭を下げる(挨拶や礼儀)ことができます。

あなたの房が中身のない軽いものだったら下げようと思っても下がらない。
そして風が吹いたらパニックで暴れまくることでしょう。

ちなみに日本ではこんな言葉があります。

実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな

稲の穂というのは、実るほどに穂先が低く下がります。

5、不完全な美しさを認めてあげる

  • 大事な演奏会で失敗した。

  • 実技試験で大失敗した。

  • スランプに陥ったかも?

試練にぶち当たった時、完全なアートなんてこの世にないことを受け入れてみてください。

あなたは"不完全な人間"だからこそ"不完全な音楽"を"完全に再現"できるのです。

まとめと一番重要なこと

音大生に贈ることばとして一番重要なことは、卒業後のことを一回生の時から考えておくこと。

音大生は特殊な空間で、特殊な世界観で生活することになります。

周りは就活をしないですし、卒業後にどうするかの情報交換も一般の大学生と比較しても非常に少ないかと思います。

昨今だとミュージックビジネスに関する授業などがあるところも増えてきましたが、まだまだ卒業後に一体どうすればいいのか?
教えてくれるところはほとんどないでしょう。

  • CDはどうやって作るのか?

  • あなたの演奏はどうやって記録するのか?

  • 著作権のこと、原盤権や著作隣接権とは?

  • 演奏会の運営はどうすればいいの?

これらのことを授業で教えてくれる大学は最高です。
もしなければ・・・
必要ですよね?

しっかり意識を持って春から音大生活をエンジョイしてください・・・といってもあなたのやることは1日20時間の練習あるのみです!

では。