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昨シーズン振り返り 柏レイソル編

今回は柏レイソル編です。

文字通り開幕直前となってきたのでかなり焦っていますが、要点を押さえてシンプルでわかりやすい記事を目標に頑張ります。


昨シーズン振り返り

監督成績

近年の監督成績です。

柏のレジェンド監督であるネルシーニョ氏はシーズンごとに成績の波が激しいことがわかります。そして昨シーズンについてはとにかく点が取れなかったことに尽き、井原正巳コーチが引き継ぐこととなりなんとか残留に漕ぎ着けました。

成績が安定しない理由ですが、これは指揮官だけの問題ではなさそうです。
選手移籍の動向を見てみましょう。

選手動向

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成

これは、それぞれの選手がシーズンをまたいでどれだけリーグ戦の出場時間を増減させたかを表にしたものです。
(※基本的に増減が500分以上の選手のみを抜粋)
(※オレンジ色の枠は、シーズン中を含めたその年の新加入選手)
(※紫色の枠は、前シーズン中を含めた退団選手)

柏の選手構成は「クラブの看板となる技巧派ブラジル人選手と優秀なアカデミーから上がってくる生え抜き日本人選手」で構成されるイメージがあります。
ところが、ブラジル人選手が長く在籍する一方で日本人選手が簡単にチームを抜ける傾向があります。
特に昨シーズンでいえば、右側の表の紫の枠にあるように上島拓巳大南琢磨髙橋裕治というCBレギュラー陣が一気に抜けるという異常事態が発生しました。
これはチームの守備に大きな影響が出そうに見えますが、結果としては意外なことに2023年のネルシーニョの指揮するレイソルは失点率はむしろ下がっていて、代わりに得点率が大幅に減っていたことがわかります。

CB移籍で失われたもの

その理由は、Jリーグのスタッツを紹介するサイトであるFootballLABさんが出している攻撃戦術に関わる指標から見えてきそうです。

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成

22年シーズンから23年にかけての柏は、特に武器だったロングカウンターの指数が大きく減っています。22年のレイソルは左右のCBである上島古賀太陽のロングパスによるカウンターを得意としていて、その右が失われた影響があるようです。
同様にポゼッションに関する成績もいくつか落ちていて、こちらも後方からの繋ぎ役である大南らCB陣の移籍の影響が大きいようです。

つまり得点率の低下の理由は「足元を持ったDF陣の移籍によって後方からのパスの精度が落ちてしまった」ということなのかもしれません。

ボールの狩りどころ

柏レイソルの特徴は強力なプレッシングであり、このnoteではたびたびハイプレスのチームのカテゴリーに柏を入れていました。
ところがこれもFootballLABさんの新指標を参考によれば大きな間違いだったようです。

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成

上の表を見てみると、昨シーズンの柏の守備戦術においてハイプレスはむしろリーグワーストクラスの数値だったことがわかります。
柏が得意としたのはFWがガンガン突っ込んでいくハイプレスではなく、FWとMFで相手を前後に挟み込むミドルプレスだったようです。

ネルシーニョ監督から引き継いだ井原監督が完成させたものとは、スピードにあふれた細谷真大山田康太のプレスバックを“上顎”とし、同じく機動性に富んだ椎橋彗也戸島祥郎らが“下顎”となって相手のビルドアップを噛み砕く強力なプレッシングサッカーでした。
ところで、プレス戦術にとって生命線となるのはFWの守備力です。
つまり昨シーズンの柏を総括するからば、重要なポイントは「DFの攻撃力とFWの守備力」だったということになります。


さて、今シーズンについて少しだけ触れておくと、先ほど挙げたプレスのキーマンである山田や椎橋が抜けた影響はそれなりに大きいかもしれません。
一方で前線に木下康介といった尖った才能が入っているので、昨シーズンの戦術を深めるのか、それとも新たな戦い方で幅を広げるのか井原監督の選択に注目しようと思います。

今回は以上になります。


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※記事内データ引用元サイト紹介

FootballLABさん

Sofascoreさん
https://www.sofascore.com/tournament/football/japan/j1-league/196


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