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発達障害児の挨拶支援を考える〜挨拶できない大人にプンプン!

2022.11.7 音声配信より
Summaryfmを活用して。


残念!挨拶ができない大人

今回は、挨拶できない大人ってかっこ悪い!からヒントを得たテーマです。いろんな社会には大人がいますよね。特に私がいつもモヤーっとしてしまう出来事について話します。

放課後等デイサービス、という小学校から高校生までのお子さん。ちょっと発達に不安定さがあったり特性があったりするお子さんが多いですけれども、学童保育のような形で通える療育施設に、私は週3回、どれもA店舗、B店舗、C店舗という感じで同じ会社の別店舗に3カ所行くんですけれどもね。ある店舗ではですね、出勤時「こんにちは」「今日もよろしくお願いします」って私が挨拶したとき、どうなるか。
挨拶が返ってこないという店舗や、絶対これ無視してるだろうっていうスタッフさんもいます。残念ながら。これはまあね、反面教師ですから。

まあいいや、私がこれで挨拶しないで入っていくっていうのもちょっとなぁと思うし、これから社会に出ていくお子さんに

「挨拶って大事だよ」とか
「こういうふうにしたら、相手は悪くは絶対思わないからね」とか
「こういうふうにするとトラブル少なくなるよ」っていう、
いわゆるソーシャルスキル。社会性を養うような、そういうコミュニケーションスキル。生きていくための、だからライフハックですよね。なかなか学校では身につけられないこととか、集団でしか身につけられないこととか、個別性があるものをサポートしていくような機関ですよね、療育機関って。

なのにその現場で、大人同士で挨拶がままならないっていうことは、いかがなもんかなーって思っちゃうわけです。私は誰かに好かれようとか、そういうことは思ってないし。そういう残念な大人がいるっていうのも、事実なので、その人をどうにかしようとは私は思わないですけれども。お子さんに対して、この挨拶の支援をどうしていったらいいのかなーということは、真剣に考えていきたいなと思います。

発達障害児に対する挨拶支援について

今回は、発達障害をお持ちのお子さん。特にこれは、自閉症スペクトラムや、それに似通った特性があるようなお子さんを想定してお話ししますが、挨拶の声かけにはコツがあるよというのをお話ししたいと思います。

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例えば「こんにちは」って言ったとしても、この自閉症スペクトラムの特性があるお子さんは、"こんにちは"と空間に放たれた言葉が、どこに向けて言われたものなのかなというのが察知することが難しいことがあります。なので、ただのBGM的な感じになっちゃうというか、聞こえてるけども聞こえてない、キャッチしないということが往々にしてあるんですね。

なので、なんでこのお子さん挨拶しないの?とか「ちゃんと挨拶させてください」っていうふうに、学校の先生から怒られることもあるんです。ちゃんと挨拶をさせるように!みたいな。なんで挨拶しないの?ほら、挨拶は?みたいに怒る人がいるんですよね。それは私から見れば、ナンセンスっていう感じです。

コツは、聞く注意をまず向けることですね。まず放課後等デイサービスにお子さんたちが来ましたっていう時に、施設によると思うんですけど、おかえりなさいってまず言うんです。お家に帰ってきた時みたいにね。おかえりなさいって。それを言うときに、例えば「鈴木くんこんにちは 」「田中さんこんにちは」みたいにお名前を呼んでから 挨拶してあげるということがポイントです。
これは名前を呼ばれると、振り返りますよね。そこで別に目が合っても合わなくても全然いいんだけど、「あ!俺に話しかけられてる」「私に話しかけられてる」っていうことをお知らせしてあげるということが、その子にとっては助けになるんです。
いろんな話し声やいろんな言葉かけが、全部耳にわーって入ってきちゃうと疲れてしまうので、成長と共にそれを取捨選択できるようになってゆきます。


挨拶の重要性

このように、お名前を呼んで"あなたに挨拶してますよ" "どうもこんにちは" と声をかけると、挨拶を返してくれたり、恥ずかしかったら会釈だけでもいいし。

まずは大人が手本を見せて、大人同士がしっかり手本を見せて。そこから真似するとか生活に汎化していく、広まっていくっていう感じが理想ですよね。
なので先生や周りの人に、挨拶するよう言われたり、挨拶を強制させたり目標を立ててみたけど、挨拶を余計にしたくなくなり逆効果っていう事例を見ています。
なので、どうしてあの挨拶したのに返せないのかな?っていうことにはそれなりの理由があるんですね。

"ことばのしごと"ができること。

そこをもっと丁寧にみていくことができるのが、私たち「ことばのしごと」の強みかなぁとも思っています。
お名前を呼んでゆっくり挨拶しましょうとか、あの無理に目線合わせなくてもいいからまずは"あなたに話しかけていますよ"っていうことを伝える、ということは見落とされがちだけど大切なことかなぁと思います。このように、言語聴覚士が行う言葉かけや行動の一つ一つには理由があるんですね。「ことばのしごと」ってすごいな!魅力的だな!って思いませんか?

ぜひ、周囲の「ことばのしごと」の方々を頼っていただけたらと思います。

また次回お会いしましょう。
ありがとうございました。

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