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「キレ」

サリエリと聞いてどれぐらいの人が知っているのか分かりませんが、
モーツアルトを主人公にした映画「アマデウス」で、一番の主人公は
モーツアルトと同じ時代で先んじて活躍していたもう一人の音楽家「サリエリ」のような気がします。ある意味「身につまされる」。

流行作家だったサリエリは、いち早くモーツアルトの天才ぶりを見抜いていた。そして嫉妬して、その挙句夭折したモーツアルトの後ろにはそのサリエリの存在があったのではないかと言われています。

もちろんそれは、「創作」かもしれません。

なぜ急にそんな話をしたかと言えば、ある動画でやはり早くして亡くなった版画家の話があって、その人物について一番詳しいと思われていた版画家の残した文章にはどうも辻褄が合わないところが見つかって来て、どうも謎が深まるばかりという話を知ったからです。

わたしも検索でその両者の作品を調べてみて、様々な要職を務めてこられた先輩の作品には正直ぴんとこなかった。一方夭折した版画作家には「キラキラ」とした才能が明確に感じられたわけです。

これは版画や絵画の世界の話だけではなく、デザイナーでも同様です。

一応カタチにはなっているけれどどこかで見た事があるようであり、使いたいという気持ちが起きない製品もあれば、その値段が幾らかも調べないで欲しくなってしまうものもありそれをデザインするデザイナーがいる。

その差はなにかと言われれば「キレ」としか言いようがありません。

2023/10/19 秋田道夫



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