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そば屋の出前か!というセリフを使う機会に、初めて出会った話。

去年1年間で、本気で怒ったことと言えばこれだけかも、というトラブルを振り返ったらなかなか学びがあったので、綴ってみたいと思います。

それは、上京して以来お世話になっている、婦人科での出来事です。

更年期の入口にさしかかり、漢方薬を処方してもらっているのですが、処方期間が最長3か月とのことで、その日も3か月分出しておく旨医師より言われ、処方箋を受け取り、帰り道に薬局で薬を受け取りました。

その際一瞬違和感を覚えたものの、急いでいたので深く考えず帰宅してしまいました。

薬を出してみて初めて、3か月分にしては少な過ぎると気づき、薬局側のミスかと問合せたところ、処方箋が1カ月分だったと返答がありました。

嫌な予感がしながらも、婦人科へ電話をしました。電話を取ったのは、40~50代の、いつも非常に不愛想な、というか不愛想を通り越して失礼な受付の女性。

事情を話すと「あ、お薬をまだ受け取っていなければ、訂正してお出しできますので」とのこと。

既に受け取った旨を伝えると「ハァー」と溜息。「受け取られましたかぁー。じゃあ、もう1度来ていただくしかないですね」と一言。

処方箋の有効期限は4日間ですし、当日受け取ることは自然なことなのに、あたかもこちらに責任があるような物言い。

処方箋を確認しなかった私にも非はあるけれど、8-2でそちらのミスが大きいでしょうよ、と思ったものの飲み込みました。

しかし、共感どころか責任を回避し一言の謝罪もないことに、非常に腹が立ちました。

さらに、“もう一度病院に来い”という状況を、他の選択肢を一切考えることなく、躊躇いもせず平気で言うことに、信じられない気持ちになりました。

というのは、その婦人科はいつも激混みで、予約は不可で毎回1~2時間待ちだからです。

自分側のミスについて一切考慮せず、お金と労力と大量の時間を一方的に負担させられることは、どうしても納得がいきませんでした。

私は精神的に穏やかな生活を好むので、衝突は避けたいタイプなのですが、ここは一歩踏み込もうと思い、怒りを抑えて「通常の診察と同じように、また2時間近く待つということですか?待たずに受付で渡してもらえるようにしてもらえないですか?」と聞いたところ。

その人はまた「ハァー」と溜息をつき、不愉快そうな態度で「お待ちください」と投げるように言い放ち、保留にしました。

これでも通常診察でと押し切るようなら、もう一言言うつもりで身構えていましたが、しぶしぶ不満そうにではあったものの、何とか要望が通ったので、これで手打ちとすることにしました。

これで終われば良かったんですが、さらに半年後、輪をかけて酷いトラブルが勃発しました。

それはまたしても処方箋でした。またミスがあっては面倒だ、とそれ以降自分もより注意して見ていたところ。

合計4種類の薬を出してもらうはずが、処方箋に3種類しか記載がなかったので、もう一種類あるはずなので確認してほしい旨を伝えたところ。

若い受付の女性に「これで間違いありません」というようなセリフで、目も合わせず突っぱねられました。

もう一我慢、と再度丁寧に、「いえ、前回ここで受け取ったもう一種類の薬をお願いしたはずなので」と再度依頼しましたが。

そんなことはないと、けんもほろろに冷たく言い切られてしまいました。埒が明かないので、「とにかくあと一種類足りないんです。確認してください」と強めに言ったところ、その女性はムッとして背を向け、不機嫌そうに「お待ちください」と言い放って診察室へ入っていきました。

その後は、訂正も謝罪も、「お待ちください」の一言もなく、目線も合わせず受付に座って仕事を続ける状態。そして待つこと20分弱。

その間、その若い女性と、一度目のトラブルで電話対応をした女性が受付でぺちゃくちゃとおしゃべりをしています。

私は、仕事をきちんとしていれば雑談は気にならない方で、円満な人間関係のため、寧ろある程度あった方が雰囲気が良いと感じているので、通常なら気になりません。

……が、一向に出てくる気配がない中、2人が自分達の世界に入っているのを見ながらひたすら待ち続けるうちに、さすがに堪忍袋の緒が切れました。

つかつかと受付に近づき「まだですか!?」と怒りを込めて言った瞬間です。受付内のレジそばに置いてある薬が目に入りました。

なんとそこには私の名前が。2人がおしゃべりをしている最中、ずっとここに置いてあったってことですよね……と思った瞬間、その中年女性と目が合いました。

向こうにも、私が自分の薬だと認識したことが伝わったと感じました。その後の彼女の言動は、想像をはるかに超えてきました。

どう謝るのかなと思ったら。私と目線を外しながら「あ、大丈夫ですよー。今出ますから」と猫なで声気味に一言。そして、何事もなかったかのように会計をしようとしたんです。

怒髪天を衝くとはこのことか、と怒りが頂点に達しつつ、その厚顔無恥な言い訳としらばっくれ加減がもはや呆れるほどおかしくて、「今出ますから、って、おまえはそば屋の出前かぁー!!」と叫びそうになりました。

This is a pen.じゃないけど、このセリフを実際に使う状況ってあるもんやな、と変な面白さも覚えていました。

震えるほど腹が立っていましたが、狭い待合室で、妊婦さんや具合が悪い人もいる訳ですから、そこでクレームをつけることも憚られ。

かと言って怒りが収まらず、その後は一言も話さず会計を済ませ、半ば乱暴にカードなどを受け取って険悪な空気を残してその場を去りました。ベターな対応があったかについては、今後の課題として考えることにしました。

この経験を振り返り、私が感じたことは、

①私は、自分という存在を酷く蔑ろにされたことにとても傷ついて、その悲しみがあれほどの怒りとなって放出した、ということ。

②嫌々働いて、やっつけで仕事をするということは、本当に周囲に悪影響を与えるということ。

③入った時からそういう環境で、自分の考え方が定まる前にそれが当たり前になってしまうと、その考え方から出ることは非常に難しくなる。

の3つです。

ペイシェント・ハラスメントも大問題であって、過剰なサービスを求めるつもりは全くありませんが、お金をもらっている以上プロ意識を持って、ニコニコせずともせめてニュートラルな対応が必要だと思います。

さらに、この件を下書きしている間に、友人から考えさせられる意見をもらいました。

彼女は歯科助手として長年働いてきましたが、英語を磨いて違うキャリアを目指したい!と、その業界から出て単発のアルバイトや全く毛色の違う仕事にチャレンジしている最中なのですが。

今の職場の中国人女性のリーダーにとても感銘を受け、考え方が大きく変わった様子でした。

行政サービスの窓口を含め、いろんな案内をする受付の仕事だそうですが、その中国人女性は最初日本語が殆ど話せず、バカにされたり罵倒されたり、酷く苦労されたとのこと。

それでも歯を食いしばって頑張り、相手に不快な思いをさせない、正確な案内を心がけるなど、目標高くいろいろと努力して、今では他のスタッフを束ねていらっしゃるとのこと。

それを見聞きした私の友人は、言語も文化も異なる異国で働くことの大変さを思い知ったそうです。

その中国人女性の謙虚な姿を見るうち、歯科助手という仕事では、クレームは殆どないしお給料も安定していた。そして何より、お礼を言われることが当たり前だったが、世の中には全く違う面があるということを思い知らされたと話していました。

収入は、比較にならないほど減ったようですが、新しい環境に飛び込んで、このものの見方を身につけられて本当に良かった。彼女を平気で罵倒できる人は、彼女の立場がどれだけ大変か、その偉業を分かっていないと涙を溜めて怒っていました。

とても気が合う方だなと仲良くさせてもらうようになりましたが、この話をする彼女を見て、改めて好きになりましたし尊敬の気持ちが湧きました。

彼女の話を思い出したら、世の中にはもっと大切なことがある、こんな小さなことで怒っている暇はない!と思えてきました。

また、医療の仕事に就いている人は、一見ステータスや待遇などに満足していそうでもストレスを抱えた人が多いと感じる、という感想にも考えさせられました。

タバコを吸う人や、イライラしている人、悪口や愚痴三昧の人が多く、やはり具合が悪い人達が常に集まる場所での長時間労働は、ストレスが多いのだと思う、とのことでした。

自分には経験がないことなので、これには、なるほどと考えさせられました。そして、引き続き医療従事者の方々に敬意を払い、できるだけ診療に協力しようと改めて思いました。

とは言え、このエピソードのように日々の中で怒りが湧く出来事があるのも事実。

無理に抑え込む必要はないですが、自身の健康のためにも、怒りは早めにササッと払って、面白くネタにするなど自分らしく感情処理をして、できるだけご機嫌でいたいと思います。

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