わからない。

頭の中で、矛盾した複数の意見を併走させる。
どれもが私の中で、好みとして必ずしも等価値ではない場合があっても、論理的には等価値に存在する。
ひとつの見方が出現すると、すぐそれと真っ向から対立する意見が、矛盾しながら共存して立ち現れる。
他人の意見に対して行う前に、すでに自分の中に複数の矛盾が生きている。

世界をわかったりなんかできない。
わからないことが、悲しくなんかない。
わからないことが、求めない理由にはならない。
新しい気もちよさを作らない理由にはならない。
好きにならない理由にはならない。

私はその場所(相手がいる)に立ったことがない。
だから、わからない。

私とこの人は別人であり、でも、同じように、一人の人間である。

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