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恋ジャズ

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Jazzのスタンダードナンバーからイメージを膨らませたオリジナルのショートストーリーを掲載。毎週火曜日に更新します。 「恋ジャズ」とは、Jazzのスタンダードナンバーを朗読と歌… もっと読む
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記事一覧

恋ジャズ #26「幸せなふたり~Cry me a river~」

節のないスラリと長い彼の指が、彼女の頬にそっと触れる。 まるで、「愛してる」とでもささや…

ことばや
1年前
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恋ジャズ #25「彼は私のもの~Is you is or is you ain't my baby~」

「オトコってバカだなぁ」って思うの。 だって、ちょっとはにかんで頬を染めて笑ってみせれば…

ことばや
1年前

恋ジャズ #24「楽園~September in the rain」

その腕の中にいれば、幸せでいられる。 そんなこと、彼女はとうに知っていた。 穏やかであたた…

ことばや
1年前
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恋ジャズ #23「家路~ You’d Be So Nice To Come Home To ~」

「おかえりなさい」 そう言って僕を迎えるキミの笑顔。 それが見たくて、家路を急ぐ。 街路樹…

ことばや
1年前
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恋ジャズ #22「ハッピーエンドの続き~ Someday My Prince Will Come ~」

シンデレラは 王子様といつまでも幸せに暮らしました。 めでたし、めでたし。 ハッピーエンド…

ことばや
1年前
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恋ジャズ #21「リグレット~After You've Gone~」

別れが私の心に芽生えた日から、 私はずっと後悔を繰り返してきた。 決断できずに、立ち止まっ…

ことばや
1年前
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恋ジャズ #20「彼女は気まぐれ~ Night and Day ~」

彼女は気まぐれ。 約束もなしにふらりとやってきて僕に愛をねだる。 いつも突然で、一方的で、 けれど、そんなところもとても可愛い。 彼女は自由気まま。 隣りにいる僕を気にも留めない。 自分の好きなことに夢中な彼女を 振り向かせることは至難の業。 さて、今夜はどんな手で彼女の気を引こうか。 気まぐれで自由な彼女が 僕だけのものじゃないって、知っている。 無邪気に愛をねだる彼女にとって 僕が一番じゃないことも、知っている。 それでも僕は、彼女を手放せない。 逢えない日の寂しさは

恋ジャズ #19「愛するキミに~Gee, baby~」

彼はひざまずいて愛を乞う。 手には大きなバラの花束。 ここで、頬を染めて恥ずかしげに笑っ…

ことばや
1年前

恋ジャズ #18「すべて昔のこと~I Remember You~」

昼間のスコールのような雨が、 街の澱みを洗い流してくれたのだろう。 いつもより星が多く瞬い…

ことばや
1年前
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恋ジャズ #17「バラ色の世界~Autumn Leaves~」

恋をすると、世界はキラキラと輝き出す。 何の変哲もない街角が、映画のワンシーンに変わる。 …

ことばや
1年前
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恋ジャズ #16「川面の月~ Moon River ~」

ゆらりゆらりと揺れて滲む、 少し歪な川面の満月。 まるで私たちみたいだと思った。 日毎に月…

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1年前
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恋ジャズ #15「ピエロ~Don'cha go way mad~」

道化が踊る。 くるくると軽薄に。 わかりやすい嘘をつき、見苦しい言い訳を重ね、 ごまかしの…

ことばや
1年前

恋ジャズ #14「サヨナラは言わない~YOU'VE CHANGED~」

歩道を叩く雨の音が、今夜も私を不安にさせる。 遠ざかっていく足音が聞こえたみたいで、 ドキ…

ことばや
1年前

恋ジャズ #13「LOVE SICK~Autumn in New York~」

キミは知っているかい? 恋という病に効く薬はこの世に存在しないけれど、 失恋には特効薬があるんだ。 それはね、新しい恋。 毒をもって毒を制する、ってやつかな。 あれ? 面白くなかった? まあ、笑わせようとしたわけじゃないんだけど。 ほら、そんな苦い顔しないでよ。 でもね、本当によく効くんだ。 騙されたと思って試してみるといい。 秋に赤く色づいて落ちた葉も、寒い冬を乗り越えて 春が来ればまた、新しい葉をつける。 そうして繰り返していくんだから。 きっと恋も同じだよ。 一度失