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幸せの形

小学校時代、昼休み図書室で借りた本をその日の昼休み中に返しにいったところ、司書さんに「もっと外で遊びなさい」と怒られたことがあります。
人生で初めて理不尽というものを学びました。世の中は理不尽だらけですね。


ところで大学は春休みということもあり、バイトと遊び以外にやることがない私は、昔読んだ本を読み返すという行動に出ました。先のことを考える必要のない暇人の思いつくことです。

まず選んだのは瀬尾まいこさんの「僕らのごはんは明日で待ってる」

瀬尾まいこさんといえば、国語の教科書で初めて出会ったことを思い出します。以下、ネタバレを最低限におさめつつ、読書感想文・推薦図書として文章を書いていきます


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確かこの本を買ったのが中学生くらいの頃。多分その頃は高校生活や大学生活のイメージはあまりわいていませんでしたが、この物語は主人公のさえない高校生活から始まります。

非常に読み手の私自身にも重なる暗めの生活を送っているために、共感を呼ぶことは間違いありませんでした


そんな中でも主人公は出会いを経て、少しずつ変わっていきます


家族とは。進学とは。仕事とは。恋とは。愛とは。
多くの10代や20代が経験するであろう悩みを経る主人公と、周りの人々。


守りたいものができて、自分の行動軸がちょっとずつずれていく。気づいたら自分が変わっている。愛すべきものが身近になりすぎて、気づいたらぞんざいにしている。さみしさを埋めようとして、大事なものを見まがう。

人の心とは本当に弱くて、もろくて、ちょっとしたことで移ろってしまう。でも、ときに大きな力を発揮する。


人との出会いは必然かもしれない。でも、それを守っていくかどうかの決定は常に自分が握っている。

恐ろしくも、はかなくもあるけど、幸せなこと。


幸せとは。そんな止めどなき問いに、ひとつ答えがでるような、そんな小説でした。


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さて本日は久しぶりに読んだ本シリーズ第一弾でした。
またいつかお会いしましょう。





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