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80年代アイドル「ザ・ベストテン」ランクイン週数ランキング-ロングヒットアイドルソング映像集-

前回の記事、取り上げるアイドルについて、私個人の、何と言いますか「思い入れ」「個人的趣味」「ひいき目」で人選を行った感がありましたので。――いや、それでも、「必ず押さえるべき80年代アイドル」は、しっかり取り上げていたと思うんですけど!!
(完全に「趣味全開」で書いているだけなので、見逃してください!!!笑)

その「埋め合わせ」というわけでもないのですが、今回は純粋に、公平に、「ザ・ベストテン」ランキングデータを使ったランキング形式で(ややこしいな。笑)、「より長くザ・ベストテンにランクインしたアイドル楽曲」を、紹介していこうかと思います。
(前回はそんなこんなで、48人も取り上げてしまって記事が長くなり過ぎたので、今回はベストテンだけに映像まで取り上げるのは10人…にしようかと思ったけどやっぱり15人(組)にしてしまったよ。笑)
(ランキング自体はベスト25まで、つまり25人(組)紹介しています。)

さて、ヒット曲のその大小について、厳密に順番を付けようとする時に使う「指数」としては、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが、レコードやCDの「売上枚数」だと思うのだが。――但しこれも曲者で、時代によって、そういった音楽ソフトが「売れやすい」時代もあれば「売れにくい」時代もあったわけである。
(あくまでまず一例としてだが)例えば、世の景気はそれに大きく影響するであろう。で、「景気が悪い時は売り上げ自体が少ないのだから、その分、ヒットも少ないとみて当然」という考え方にも一理あるかもしれない、けれども、――さて、果たして。
純粋に「どれくらいのヒット曲か」を測るのに、世の景気の善し悪しが作用するのは、何となく違和感を感じないだろうか?
また、今や形あるCDなどの「音楽ソフト」自体が、もう主流としては存在しなくなりつつあって、では、ダウンロードの100万回と、CDの、あるいはレコードの100万枚は、同じと言えるのだろうか?というところもある。――うむ、もう、今現在と昔とでは、時代を越えてその「ヒットの大小」を、売上に関する数字で比較し順位付けすることは、不可能であるし、と、なると、時代があまりにもかけ離れているところの比較は、そもそもあまり意味も持たなくなるものかもしれない。

ところで、この「ヒットの大小を売上件数で比較すること」については、同時代の中の比較においても難しいと言える場合がある。
例えば80年代、音楽ソフトは、レコードからCDへと移行され、で、その「過渡期」には、音楽ソフトの売り上げには減少傾向が見られた。(もちろん、「レコードからCDへの過渡期だったからそれが主な理由で売上が落ちた」というのは、検証のしようもないのであくまで「推測」の域は出ないのだが、にしても、)ちょうどその時期にあたる特に86年後半~88年前半は、売上枚数として、顕著な落ち込みが見られたのは事実である。(「長方形ジャケット」でおなじみの「8センチCD」が登場し、売り場で置いてある商品もそっちのほうが主流になるくらい世に浸透したのって、88年後半くらいからだった印象がある。但し、アルバムのほうは、CD主流に切り替わったのがそれより半年から1年くらい早かったかもしれない。)
そこで、私が目をつけたのが、「いかに長く売れたか」という指標である。
ザ・ベストテンという番組で言うならば、その時どきの上位ヒット曲を押しのけて、どれくらい長くベストテン内に留まれたか、というのは、ヒット度を測る指数としては、なかなか有効な数字ではないかと思ったのだ。(…相当、独断的な意見ですけど。笑)

…って、また、前置きが長くなったので、そろそろここまでにいたしまして(笑)、
では、ランク付けのルール説明から、始めてまいりましょう。

いや、私、「同率」で、例えば3位が2つある、とかそういうのが嫌いなんです。(笑)
なので勝手に、「同率順位」を発生させないために、以下のようにルールを設定しました。

ランクイン週数が同じ場合、最高位が高いほうが上
→最高位も同じだった場合、最高位に留まった週数が多いほうが上
→それも同じだった場合、他の曲で次にランクイン週数が長かったほうが上

また、年末年始等で放送がお休みになった場合のカウントの仕方ですが、
例えば、
12月24日 ランクイン
12月31日 ザ・ベストテン放送お休み
1月7日 ランクイン
と、こういう場合は、「3週分」とみなすことにしました。
但し、
12月24日 ランクイン
12月31日 放送休み
1月7日 圏外
といった場合は、「1週」とカウントしております。

また、15位以内の各歌手の方々の「その他の長くランクインした曲」として、5週以上ベストテン内にランクインしていた曲も併せてご紹介しております。その表示順も、上記のルールに準じております。

というわけで、お待たせしました。



ちなみに、
【16位】は、「まちぶせ」 石川ひとみ 8週 最高位3位 
でした。



【15位】
「エスカレーション」河合奈保子 9週 最高位3位


河合奈保子さんのその他のランクイン週数が長かった曲は
「夏のヒロイン」(最高位3位)
「UNバランス」(最高位5位)
「スマイル・フォー・ミー」(最高位6位)の7週、

「けんかをやめて」(最高位4位)
「INVITATION」(最高位6位)
「17才」(最高位9位)の6週、

「ラブレター」(最高位6位)の5週。


当時の洋楽大ヒット曲である、Blondieの「Call Me」を彷彿とさせるような曲で、こういった曲調はシングルでは初挑戦だったかと思いますが、いともたやすく自分のものにして、自身最大のレコード売上枚数の曲にもなりました。
どんな曲が来ようとも、ピタッと自分のものにしてしまうという意味で、河合奈保子さん80年代アイドル最強説を唱えたい私であります。(笑)





【14位】
「はいからさんが通る」南野陽子 9週 最高位2位(1回 3位は3回)

ナンノさんのランクイン週数が長かった曲は
「楽園のDoor」(最高位3位)の8週、

「話しかけたかった」(最高位1位)
「吐息でネット」(最高位2位)
「秋からも、そばにいて」(最高位3位)の6週、

「涙はどこへいったの」(最高位4位)
「あなたを愛したい」(最高位5位)の5週。

ご存知「はいからさん」スタイル発祥の地がこちらになります。(笑)
それにしても、この曲では、週替わりでザ・ベストテンはもちろん、どの音楽番組にもだいたいこの「はいからさん」衣裳で登場していたナンノさん。なるべく毎回違う色柄にしていたそうなので、この曲で一体何パターンの羽織袴を身に着けたのでしょうかね?? ナンノさんの楚々とした雰囲気だからこそ、この羽織袴スタイルがばっちりハマったということもありますね。

レコード売上枚数だけでいけば、「吐息でネット」が一番売れているのですが…、ジャケット写真が「通常盤」の他に「初回盤」とか「特装盤」とかで違う場合は、コアなファンは全て購入したりしてしまうし、それを考慮すると、ジャケットが複数種類存在する曲のほうが多少売上枚数がその分伸びたりもするかなあ?…と、考えると、そもそもレコードやCDの売上も、ヒット度合いを測る指数としては、必ずしも?ってところはあるのかなあ、と。(ちなみに「はいからさんが通る」は非売品のプロモーション盤を除けば、シングルジャケットは1種類。)





【13位】
「春なのに」柏原芳恵 9週 最高位2位(1回 3位は3回)
 


芳恵さんのその他のランクイン週数が長かった曲は、
「ハロー・グッバイ」9週(最高位4位)、

「最愛」7週(最高位4位)、

「カム・フラージュ」5週(最高位7位)。

同じ80年デビュー組でも、女性シンガーソングライターからの楽曲提供については、
ユーミン(呉田軽穂)は聖子、竹内まりやは奈保子、
で、中島みゆきは芳恵、…みたいな何故か「住み分け」がされておりました。
確かに、声質とキャラクターイメージでもし分けるなら、こういう分け方になるかなー、と、納得ですよね。(笑)
ちなみに、ユーミン、みゆき、矢野顕子のこの三人から提供曲をもらっているアイドルといえば、松本典子さんがおられますし、
また、薬師丸ひろ子さんは、ユーミン、みゆき、まりやはもちろん、大貫妙子、吉田美奈子、尾崎亜美、上田知華、平松愛理と、ありとあらゆる女性アーティストから提供曲をもらっている。

…って、話がそれ過ぎました。(ランキングに戻りましょう。笑)





【12位】
「雪に書いたLOVE LETTER」菊池桃子 10週(最高位5位)



桃子さんのその他のランクイン週数が長かった曲は、
「Say Yes!」(最高位1位)
「もう逢えないかもしれない」(最高位3位) 7週、

「卒業-GURADUATION-」(最高位2位)
「BOYのテーマ」(最高位3位) 6週、

「夏色片想い」(最高位2位) 5週。

レコード売り上げで見ると「卒業」が頭一つ飛び抜けて売れているのだが、例えば、初週の売上って「自動的に」ファンが買っている枚数の方が圧倒的に多そうだし、そう考えると、初動の大きさは、「アーティストパワー」は測れても、必ずしも「その曲の」ヒット度合いは測れない、それとはやや別物のように思えてしまう。
やっぱり「曲がヒットする」って、「ファン以外にまでどれだけ浸透したか」が大きな要素になる気もするんですよねー。
そういう意味でも「ロングセラー」=「ヒット度合い」ってのは、判断の仕方として、個人的には好きだったりします。





【11位】
「時をかける少女」原田知世 10週(最高位3位)


歴代のアイドルPOPSの中で考えても、その「代表作」と言ってもいい曲だと思います。アイドルPOPSのいいところをぎゅっと凝縮している。――歌い継がれて欲しい気持ちもある、が、でも、やっぱり「この時の」「知世さん本人の」、「時をかける少女」に、到底誰も敵いません。(もちろんですね。笑)それがアイドルPOPSの良い所です。
薬師丸さんも知世さんも、角川事務所の方針で毎週出演されていたわけではないので(欠席の回の方が圧倒的に多かった)、ハガキリクエストも伸びにくかったでしょうから、テレビのランキング音楽番組の順位は少々「不利」だったと思われます…が、この曲は10週入っていたんですね。
まあ、しかし、お二人とも、主演映画のテレビCMが、当時大量に流されてもいたわけですから…下手にテレビ番組出演を重ねるより、そちらのイメージのほうで浸透させたほうがより「偶像(アイドル)化」しやすい、というのは、あったかもしれません。



さて、いよいよ。



【10位】

「C-Cirl」浅香唯 10週(最高位1位)

浅香さんのその他のランクイン週数が長かった曲は、
「セシル」(最高位4位) 7週、

「Melody」(最高位7位) 6週、

「Believe Again」(最高位4位) 5週。

御本人出演のカネボウの化粧品CMソング。オリコンのレコード・CD売上枚数でも、この曲が飛び抜けている。

親しみやすいキャラクターはそのまま、でも急速にあか抜けて大物感が出てくる、そんな「変化」も、ザ・ベストテンという番組を通して追い続けることができたのも、面白かったですね。
他の曲は生バンド演奏なのに、この曲だけは(他の歌番組でも)必ず伴奏が「カラオケ音源」なんですよねえ? なんでだろう?? CMスポンサーさんとの何か約束事でもあったんでしょうかねえ??
ザ・ベストテンの生バンド演奏、この曲は結構カッコよくなったと思うので、ぜひ聴きたかったけどなー。





【9位】
「恋一夜」工藤静香 11週(最高位1位・6回)

静香さんのその他のランクイン週数が長かった曲は、
「MUGO・ん、色っぽい」 11週(最高位1位 3回)、

「嵐の素顔」(最高位1位) 10週、

「FU-JI-TSU」(最高位3位) 7週、

「禁断のテレパシー」(最高位2位)
「Again」(最高位6位) 5週。

「アイドル歌手としてのおニャン子クラブの生き残り」としても名高い(?)工藤静香氏。
いや、唯一この方だけですから、おニャン子解散後もレコード・CD売上を、曲を出すごとに伸ばし続けたのは。――で、80年代の売上ピークがこの曲となるわけです。

こういった「アイドルとしての生存競争」も、残酷なようですが、見ていて楽しかったのが、80年代でした。
そうなんです、同グループ内で「総選挙」なんぞをやらなくてもよかったんです。当時は、各アイドルがそれぞれで各事務所なりレコード会社なりを背負って、作品をリリースし続けて、そしてオリコンまたはこうしたテレビのランキング番組で、毎週、「世間全体から」総選挙されているようなものだったのだから、――そりゃあ、80年代アイドルの世界は、面白くもなりますよねえ~。
それにしても、ランク付け、みんな好きよね~。(人のことをまったく言えない。オリコンもベストテン番組も見るの大好きでした、私。笑)





【8位】
「六本木純情派」荻野目洋子 12週(最高位2位 2回)

荻野目さんのその他のランクイン週数が長かった曲は、
「ダンシング・ヒーロー」(最高位2位) 9週、

「さよならの果実たち」(最高位5位)
「湾岸太陽族」(最高位6位) 5週。


この曲の後にリリースされたアルバム『ノン・ストッパー』は、87年のアルバム売上年間第1位。

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80年代デビューのアイドルでアルバム年間トップを達成できたのって、荻野目さんだけなのですよ? (70年代は78年にピンクレディーのアルバムが年間1位奪取。アイドルとしてはそれ以来の快挙。)明菜も聖子もアルバム年間1位は獲ってないのです。当時、「荻野目ビート」なる言葉も生まれました。
で、この辺りからは、シングルよりアルバムが売れるアイドルになったこともあって、シングルのほうのレコード・CDの売上順位から点数加算するザ・ベストテン等のランキング番組では、チャートアクションの面で少し荻野目さんも不利だったかもしれませんね。




【7位】
「夢の中へ」斉藤由貴 12週(最高位2位 3回)

80年代前半まではまだ、じわじわチャートを上り続けるタイプのヒット曲って多かったんですが、80年代後半に入ると、めっきり減った。それこそ「オリコン初登場」が最高位で、後は下っていく、で、下り方が緩やかなものがロングヒット、みたいなものも多くなり、その影響はザ・ベストテンのランクにも反映されていた。――しかし、この89年に入って、だんだんヒットチャートに、「かつてのようなヒット曲らしいチャートアクション」回帰が見られるようになってきた気もします。
で、この曲なのですが、ザ・ベストテン初週こそ圏外の12位でしたが、その後順位が、7→5→4→4→2→2→4→2→3→4→4→6と推移、粘り強くランクインし続けたのでした。

さて、そんなふうに、12週もランクインしていたこの曲ですけど、斉藤さんがスタジオに登場できたのって、2,3回だけだったのではないかな?
80年代中はもう、歌手業も俳優業も売れっ子過ぎて、超多忙な斉藤さんでした。

また、斉藤さんのその他のランクイン週数が長かった曲は、

「悲しみよこんにちは」(最高位2位)8週、

「卒業」(最高位6位)5週、

と、意外な感じがあるかもしれません。斉藤さんもまた、1stシングル・アルバムから、アイドルにしては珍しく、シングルよりアルバムのほうが枚数売れるタイプのアイドルだったんですよね。なので、シングルのほうのレコード・CDの売上順位から点数加算するザ・ベストテン等のランキング番組では、これまた若干不利だったかも?というところはあります。

「何故シングルカットしなかったの??」というアルバム曲が、たくさんありすぎるのが斉藤由貴。参考までにこちらの斉藤さんのCM集をご覧いただくと、「あれ、そういえば、この曲はシングル曲じゃなかったの?」という曲もたくさん入っております。







【6位】
「人魚姫-mermaid-」中山美穂 (12週 最高位1位 3回)

中山さんのその他のランクイン週数が長かった曲は、
「Witches」(最高位2位)
「You`re My Only SHININ` STAR」(最高位3位)
「ROSE COLOR」(最高位5位)
「VIRGIN EYES」(最高位6位)※最終回も10位にランクイン中 10週、

「50/50(フィフティー・フィフティー)」(最高位2位)
「WAKUWAKUさせて」(最高位3位) 9週、

「ツイてるねノッてるね」(最高位3位) 8週、

「CATCH ME」(最高位2位) 7週、

「色・ホワイトブレンド」(最高位5位) 6週、

「『派手!!!』」(最高位4位) 5週。


中山さんも、80年代、出す曲出す曲、比較的「長く」「粘り強く」売れ続ける方で。でも、なかなかザ・ベストテンでは1位には届かず、最高位2位、3位までで止まるということが多かったのですが。
ザ・ベストテンでの唯一の1位奪取曲がこの「人魚姫」。……の、割に、意外と他の曲に比べて「影が薄い」曲かもしれませんね。オリコンでも80年代の美穂さんの曲の中では一番売り上げた曲なのですが。
Cindyさんと組んだここからの流れは、当時の中山さんの声質にもうまくはまったと思われ、こういった中山さんのブラコンテイストの作品群、そっちに向かったディレクション、私は結構好きでした。






(ここまではどうでしょう? 割と、予想通りだったりするものでしょうか?)






【5位】
「探偵物語」薬師丸ひろ子 (13週 最高位1位 4回)※2位は4回


薬師丸さんのその他のランクイン週数が長かった曲は、
「セーラー服と機関銃」(最高位1位 3回) 12週、

「メイン・テーマ」(最高位4位)
「あなたを・もっと・知りたくて」(最高位5位) 7週、

「Woman”Wの悲劇より”」(最高位4位)
「語りつぐ愛に」(最高位7位) 5週。

同名映画の主題歌。薬師丸さん、この曲ではザ・ベストテンに出演したのはこの中継の一回だけでした。
この頃の「テレビの歌番組への出演回数を抑えてあまり露出し過ぎない」という「戦略」は、当時としてはなかなか画期的だったと思います。(但し、これは売れている人が、売れている間しか通用しない手だとはもちろん思いますが。)
でもこの、(角川女優さんに特に多く見られた)「テレビ露出を控えめにする戦略」のおかげで、こうした限られた出演回が、見ている側からすると「貴重!」となったし、「鮮度」は保たれやすかったでしょうね。
で、御本人も、妙に「芸能人然」としてこなくて、それもまた新鮮だったと思う。
この曲、元々はB面の「すこしだけやさしく」がA面予定だったのを、薬師丸さん御本人の希望により、こちらの「海辺のスケッチ」(というのが元タイトル)をA面にした、いう経緯がある。
「すこしだけやさしく」も名曲だし私も大好きな曲なのだが、こちらの「探偵物語」でなければ、ここまでの特大ロングヒットにはならなかったかも?という気もまたする。(83年オリコン年間ランキング4位 売上枚数84.1万枚)






で、なんと。
ベスト3入り前で、この方が?!




【4位】
「風は秋色」松田聖子 (13週 最高位1位 4回)※2位は4回


…ええっ? ここで聖子が出ちゃうの? もっと上でしょう? ――という声が聞こえてきそうですが。
でも、13週、つまり3か月ベストテン内にランクインされれば、もうこれ、言うことなしでしょう?(笑)
だって当時のアイドルのシングルリリース間隔の主流って、3か月ごと、年4枚だったし。(86年の中山美穂はそれ以上の6曲ザ・ベストテンにランクインさせていたけどね…。)
まあ、この曲の時は、両A面のこの曲が秋の曲、もう片方「Eighteen」が冬の曲だったので、珍しく、元々「ロングヒット狙い」だった気もする。(この次のシングルが「チェリー・ブラッサム」。)

ちなみに「ガラスの林檎/SWEET MEMORIES」(85.7万枚)に次いで、80年代ではオリコン売上枚数でこのシングル「風は秋色/Eighteen」(79.6万枚)は2位です。――聖子の他の曲のインパクトがあまりにもそれぞれ強すぎて、割とこの曲、ヒット度合いの割には影が薄い気も…。といっても、大ブレイク作「青い珊瑚礁」に続く、アイドル聖子を「一発屋」にさせなかった、とても大事な曲だと私は思う。(他の全く違う曲が来ていたら、この後に繰り広げられる「聖子伝説」は、存在していなかったかもしれない。――アイドルは、大ブレイクのその次の曲こそが大事なのです! 明菜の「少女A」の次の「セカンド・ラブ」然り、薬師丸さんの「セーラー服と機関銃」の次の「探偵物語」然り。)


「瞳はダイアモンド」(最高位1位 8回)
「ガラスの林檎」(最高位1位 2回) 12週、

「渚のバルコニー」(最高位1位 4回)
「青い珊瑚礁」(最高位1位 3回)※2位は2回
「Rock 'n Rouge」(最高位1位 3回)※2位は1回
「赤いスイートピー」(最高位1位 1回)※2位は5回
「天国のキッス」(最高位1位 1回)※2位は2回
「夏の扉」(最高位2位)
「野ばらのエチュード」(最高位3位) 11週、

「チェリーブラッサム」(最高位1位 2回) 10週

「白いパラソル」(最高位1位 4回)
「秘密の花園」(最高位1位 3回)
「天使のウインク」(最高位1位 2回)
「小麦色のマーメイド」(最高位1位 1回)
「風立ちぬ」(最高位2位 5回)
「ハートのイヤリング」(最高位2位 3回) 9週

「Strawberry time」(最高位1位 4回)
「ボーイの季節」(最高位1位 2回)※休業宣言後で番組出演は一回もなし
「ピンクのモーツァルト」(最高位2位 2回)
「時間の国のアリス」(最高位2位 1回) 7週

「Marrakech~マラケッシュ~」(最高位2位)
「旅立ちはフリージア」(最高位4位) 6週

「SWEET MEMORIES」(最高位8位) 5週
ゴメンナサイ!この大事な曲を書き忘れていました!!(21.5.30追記)

※言わずと知れた「ガラスの林檎」カップリング曲
次のシングル「瞳はダイヤモンド」と同時に初登場してからの5週ランクイン。
同じ歌手の曲が2曲同時に初登場というのは、この時が初めてでした。

(トーク部分のみですが、)記念すべきその回の様子(映像)をどうぞ!

(おまけというかデータの続き)
「Pearl-White-Eve」(最高位4位) 4週

「裸足の季節」(最高位11位)※デビュー曲
「Dancing Shoes」(最高位11位)※12インチシングル
…ベストテン入りならず!惜しい!!

(ザ・ベストテン放送期間中の聖子の全シングルはこれで紹介したはず!)







さていよいよベスト3。
80年代アイドル、後は誰が残っているでしょうか??




(あ、16位から25位までは、一番最後に書いてあります。)
(ザ・ベストテンだったら、ここで「今週の11位から20位」の発表なんですけどね。笑)




【3位】
「木枯しに抱かれて」小泉今日子 (14週 最高位1位 3回)

小泉さんのその他のランクイン週数が長かった曲は、
※カッコ内は(ザ・ベストテンランクイン週数 ザ・ベストテン最高位 / リリース年 オリコン売上枚数)

「艶姿ナミダ娘」(11週 最高位2位 / 83年 34.4万枚)

「ヤマオトナデシコ七変化」(9週 最高位1位1回 / 84年 30.1万枚)※2位は4回
「なんてったってアイドル」(9週 最高位1位1回 / 85年 28.4万枚)※2位は0回

「迷宮のアンドローラ」(8週 最高位1位2回 / 84年 37.7万枚)

「The Stardust Memory」(7週 最高位2位 / 84年 37.4万枚)
「夜明けのMEW」(7週 最高位6位 / 86年 15.8万枚)

「水のルージュ」(6週 最高位3位 / 87年 18.7万枚)
「渚のはいから人魚」(6週 最高位4位 / 84年 33.1万枚)
「まっ赤な女の子」(6週 最高位7位 / 83年 22.7万枚)

「常夏娘」(5週 最高位4位 / 85年 26.7万枚)
「半分少女」(5週 最高位4位 / 83年 21.9万枚)
「GOOD MORNING-CALL」(5週 最高位5位 / 88年 17.0万枚)

で、「木枯しに抱かれて」は86年11月リリース、オリコン売上枚数は27.9万枚。
印象としては圧倒的に「木枯しに抱かれて」が小泉さんの80年代の代表曲のようなイメージが個人的にはあるんですけど、レコード売上枚数だけで見ると、必ずしもそれとピッタリとは一致しない感はありますよねー。…とはいえ、上記のうちの、様々なタイプの、「大ヒット曲」「ロングヒット曲」が、しかしいずれも「アイドル・小泉今日子ブランド」を確立するうえで、「必要不可欠な曲」であることもまた間違いないですけど。
それにしても、既存のアイドル概念を次々ぶっ壊して突き進み続けて、しかし80年代の真ん中で辿り着いたのが、この静かなる名曲、というのが、とても何というか小泉今日子らしいなあ、と、私は思いました。


さて。







(あ、この空白の広さは、お馴染みの「ドラムロール」の長さだと思ってください。笑)








【2位】
「難破船」中森明菜 (16週 最高位1位 5回)


「1位はどーせ明菜でしょ?」と思っていた方が大半だとは思いますが、
…2位でしたね。
(笑)

「セカンド・ラブ」(最高位1位 8回)
「ミ・アモーレ」(最高位1位 1回) 13週、

「DESIRE-情熱-」(最高位1位 7回)※2位は2回
「1/2の神話」(最高位1位 7回)※2位は1回
「十戒(1984)」(最高位1位 5回) 12週、

「禁区」(最高位1位 7回)
「飾りじゃないのよ涙は」(最高位1位 1回)
「少女A」(最高位3位) 11週、

「北ウイング」(最高位1位 5回)
「サザン・ウインド」(最高位1位 2回)
「SAND BEIGE~砂漠へ~」(最高位2位)
「I Missed ”THE SHOCK”」(最高位3位) 10週

「トワイライト~夕暮れ便り~」(最高位1位 2回)※2位は3回
「TATTOO」(最高位1位 2回)※2位は2回 9週

「AL-MAJI(アルマージ)」(最高位1位 3回)
「Fin」(最高位1位 1回)
「SOLITUDE」(最高位2位 3回)
「LIAR」(最高位2位 2回) 8週

「ジプシー・クイーン」(最高位1位 3回) ※2位は2回
「Blonde」(最高位1位 3回) ※2位は1回 7週

「TANGO NOIR」(最高位1位 5回) 6週


ちなみに、12インチシングル「赤い鳥逃げた」(3週 最高位6位)は、「ミ・アモーレ」のロングバージョンの歌詞違い楽曲。同歌手で、歌詞違いだが同じ旋律の曲を、別の週ではなく同時にザ・ベストテンにランクインさせたのは、明菜さんだけですね~。…スゲーな、おい。
あと明菜さんの80年代リリースのシングルでザ・ベストテンの10位以内に送り込めなったのは、デビュー曲の「スローモーション」と、カセットのみで発売の企画盤「ノンフィクション・エクスタシー」だけという。他は80年代シングル全てベストテンに送り込んで、全て上記のような好成績。
……。
……スゲーな、おい。(それしか言えない。笑)


それにしても、並みいる明菜の「特大ヒット曲」の中でも、この「難破船」の売れ方ってやはりある種、独特だったかなー、という印象。

ちなみに、この動画内で取り上げられている通り、この時の1位獲得で、ザ・ベストテン全出演歌手の中での1位獲得回数トップに躍り出た明菜さん。もちろんその後も、他の曲でも1位を獲り続けましたので、この記録は89年9月末の番組終了まで伸び続け、誰にも抜かれることはありませんでした。
明菜あっての、ザ・ベストテン、であります。明菜様様です。
ちなみに、記録としては、
ザ・ベストテン(アイドルだけでなく全ての)出演歌手の中で、
1位獲得「回数」だけでなく、「曲数」でも1位です。
(明菜17曲、ちなみに2位の聖子が15曲。)

ところで、この曲の衣装で、皆さん憶えていらっしゃるのは、裾の大きく広がったロングドレスではないでしょうか?(NHK紅白ではつばの広い帽子とスリムなシルエットのドレス、夜ヒットでは一度着物で登場した回もありました、が、)基本的にはいつもこのシルエットの衣裳で統一されていましたよね。――これ、90年代にブレイクしたあのアーティストとか、結構影響受けていたと思うんですよね~。
明菜さんは、曲ごとに衣裳のコンセプトがしっかりしているので(80年代後半からはとりわけそうでした)、もう映像で多くの人が「あの曲はあの衣裳」または「あの衣裳はあの曲」って鮮明に記憶に刻まれている。ここがすごいし、「曲ごとに衣裳にも明確なコンセプトを」ってアプローチを、それも「セルフプロデュースで」、ここまで成功させたアイドルは、他にいなかったのではないかと思われます。「見せる」という意味では、アイドル界、いや、歌謡界の「女王」は、明菜で間違いないんじゃないの?…と、私は個人的に思っている。(自分で自分に異議なし!笑)






では、今週の…
じゃなくて、歴代の、
(…はい、ドラムロールっ!!笑)










第、【1位】は?


「愛が止まらない~Turn it into love~」Wink (17週 最高位1位 1回)

Winkのその他のランクイン週数が長かった曲は、

「淋しい熱帯魚」(最高位1位 2回) 11週※最終回も6位にランクイン中
「涙をみせないで」(最高位1位 1回) 11週。


この映像回がこの曲でのランクイン最終週。
この曲のチャートアクションが、89年の年明け一回目の放送で初登場6位→8→4→4→3→2→2→2→1→2→2→2→3位(この週に次のシングル「涙をみせないで」も7位に初登場してここから2曲同時ランクイン)→4→7→8→8位、と、粘り強くて、「昔懐かしい、昭和な感じの大ヒット曲の売れ方だあ」と、平成の始めに思っていた自分を昨日のことのように思い出します。(笑)

時代と時代の狭間だったせいもあるのでしょうか、89年のWinkの勢いについて、割とみなさん、忘れてしまっている感がある。(…そうでもないです?笑)
89年のレコード大賞受賞者だし(曲は「淋しい熱帯魚」)、89年のオリコン年間ベストテン内にも立て続けにこの曲から続くシングル3曲送り込んでいるし、なんだろう、平成の一番初めにありながら、この売れ方が「歌謡界」っぽい、という気もしてしまった。…「スター誕生!一曲の大ヒットから、一気にスターダムを駆け上がる!」みたいな。



以上、こうして並べてみると、やっぱり特に「息の長いヒット曲」って、「浸透している」感があって、同じヒット曲でも「手応え」がしっかりある感じがしますよね~。
特に自分は80年代アイドル狂者なので(笑)、自分で見返して、ふぁ~と、溜息まじりの底知れぬ充実感を感じております。(また自記事を自画自賛。笑)
(でも、この記事がすごいのではなく、完全に80年代アイドルがすごいということなのですが。笑)

で、
「あの人が入っていないのでは?」「まさか入れ忘れていませんよね?」という声も聞こえてきそうなので、
16位以下の方々も、念のため、ランキング形式でご紹介しておこうと思います。

【16位】「まちぶせ」石川ひとみ 8週
【17位】「1986年のマリリン」本田美奈子 7週(最高位2位)
【18位】「少女人形」伊藤つかさ 7週(最高位4位)
【19位】「冬のオペラグラス」新田恵利 6週(最高位2位)
【20位】「夏色のナンシー」早見優 6週(最高位4位)

※次にランクイン週数が長かった曲は「渚のライオン」の4週。
【21位】「青いスタスィオン」河合その子 6週(最高位4位)
※次にランクイン週数が長かった曲は「涙の茉莉花LOVE」の3週。
【22位】「セーラー服を脱がさないで」おニャン子クラブ 6週(最高位5位)
【23位】「センチメンタル・ジャーニー」松本伊代 6週(最高位6位)
【24位】「くちびるNet Work」岡田有希子 5週(最高位4位)
【25位】「プロフィール」倉沢淳美 5週(最高位7位)

【26位】以下に、最長4週の方々が続きます。

とはいえ、なにぶんデータブックから自分で拾ってきているもので、本当にどなたか「入れ忘れ」があったら、ゴメンナサイです!(その時は、コメント欄で教えてください!)……大丈夫だと思うけどな~??(たぶん。笑)


では、また!