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【ヨーロッパ旅行 6】🇩🇪おとぎ話の町ローテンブルク

南ドイツにはロマンティック街道というルートが存在するのをご存知じですか?直線上に点在する中世都市や城を繋げた観光街道だそうです。

photo by: https://justgotravel.jp/2019-rothenburg/

その語源ですが、恋愛的なロマンスというよりは、もっと広義に中世への憧憬を含むロマン主義を指すみたいです。つまり、中世の街並みやお城を夢見る旅人たちを丁寧に案内してくれている訳です。

もれなくその名前に釣られた私は、ロマンティック街道の中でも最も人気を集め『中世の宝箱』と呼ばれるローテンベルクへ行ってきました。

夢の町まで乗り継ぎ

正式名称はRothenburg ob der Tauberとハリーポッターの呪文みたいな名前のこの都市。観光地とはいえ、小さい町への電車移動は少々複雑でした。

フランクフルトからは2回乗り換えで2時間半ほど。しかし1本目の電車が(おそらく線路上の事故で)大幅に遅延しており、迂回ルートを走ったためローテンベルク駅には予定より2時間遅れての到着になりました。予想外に時間がかかって疲れたけど、電車の乗り継ぎが心配だった私は着いただけで安心。

ロッカーがない問題

駅から降りて最初のミッションは、荷物を預けることでした。さすがに石畳の道でスーツケースを引きずる訳にはいきません。この町の観光は次の目的地への寄り道の予定だったので宿泊先に預ける選択肢はありませんでした。しかも一応下調べで分かっていたのですが、この駅ロッカーがないんです。

そこで私が思いついた方法が、駅近くのホテルに預かってもらえないか聞いてみるというもの。無鉄砲な作戦ですが、お金は払う前提で交渉すればホテル側ともウィンウィンだろうという構えでした。

宿泊もしないのに荷物を預けるのは非常識かもしれないという不安はあるものの、背に腹は変えられないので最初に目に入ったHOTELマークへ突貫しました。カウンターからは大きな男性が出てきて一瞬怯みましたが、説明すると結構軽く「おっけー」みたいな感じで荷物を置かせてもらえることに。

私の心配しすぎだったかもしれません。とにかく身も心も軽くなって城壁内を目指し歩きました。

おとぎ話の世界

これぞ中世のお城!という想像していた通りの城壁が見えました。

門を抜けるとそこはおとぎ話の世界。あいにく天気は曇りだったものの街並みはカラフルで確かに可愛いらしく、ディズニーに来たのかと錯覚しました。こんなメルヘンな場所が現実に存在するなんて信じられません。通りはお土産屋、カフェ、クリスマスショップなどで賑わっています。

一歩進む度にカメラのシャッターを切りたくなるほど、どこを切り取っても可愛い。映えない写真を撮る方が難しいくらい。

メルヘンな町の黒歴史

そんな夢のような町ですが、私がひとつ行きたかった場所があります。それが『中世犯罪博物館』。えぇー、メルヘンどこいった…。

この都市の裏の顔、それは中世に行われた拷問や処刑の歴史でした。ヨーロッパ切手の黒歴史である魔女狩りはこの町でも行われたそうです。

有名な鉄の処女を含め、拷問器具が展示されているということでした。

入口の看板から凝ってる

こういう博物館って怖いもの見たさで惹かれるんですよね。

元々教会だったらしい石造りの建物で冷たい雰囲気でした。展示の感想は、「実際の器具を見れたのは面白かったけど、資料が多くて短時間で回るには内容を得づらかったかも」という感じ。

ひとつ知って驚いたのは、鉄の処女は実際の処刑に使われた記録がないこと。一説によると19世紀にある男爵が展示用に晒し刑器具の内側に針をつけたのだそう。実在しない架空の拷問器具かもしれないんですね。どちらにせよ作った人が悪趣味であるのは間違いない。

クリスマスマーケットで癒される

街中の小さいクリスマスマーケットでホットドッグを食べました。雨が降ってきて寒い中温かいものを口にできて体力回復しました。

Bratwurstというらしい

帰りがけに何となく寄った木彫りの店で、最初に手に取った小さい猫の置物が可愛らしくて連れて帰りたくなったので自分のお土産に買いました。ひとつひとつ店主のおばあちゃんの手作りのようで、心温まる空間でした。

ネルトリンゲンへの壮絶な道のり

この日の最終ミッションは次の目的地、ネルトリンゲンという町にたどり着くことだったのですが、これが壮絶な道のりでした。

まず前日から何故かスマホのローミングが不調でネットが使えなかったため、Wifiスポットを探す必要がありました。とりあえずは大型スーパーから漏れた微かなWifiを確保。しかし何故か乗ろうとしたバスのチケットの購入ボタンが押せない。次の電車を待つと1時間以上待たなければいけないし、アタフタしているうちにバスが来てしまいました。

まぁ乗車する時に支払えばいいかと思っていたのですが、ここで恐れていたことが。クレジットカードが使えなかったのです。現金を持っていなかった私は、運転手にそのことを伝えて降りるつもりでした。

しかしドライバーのおじさんは、いかにも観光客な私の様子を見てか、後ろの席を親指で指して「乗れよ」って言ってくれました。これはラッキー!?昨日の博物館に続き、現金がない私は優しさに救われました。

田舎道を走る

さらにその方は次に乗り換えるバスの運転手にも話をつけて乗せてくれました。さすがに4千円分くらいの乗車費をタダにしてもらうのは申し訳ないと思い、何かお返しできるものがないかなと鞄を漁るとコンビニで買った板チョコを見つけたので、それをあげると笑って受け取ってくれました。

優しさが裏目に出ることもある

と、ここで終わったらただのいい話だったのですが、まだ問題が。それは乗せてもらったバスが目的地に行かなかったことです。正確には、途中で降ろされてしまい、また乗り換えをしなければならなかったのです。今度は独りぼっちで次のバスを探す羽目になりました。

何とか掲示板頼りにネルトリンゲン行きのバス停は見つけたものの、一向にバスは来ない。寒さが辛くて泣きそうになりました。

そしてやっと来た!と思ったのが、バスと言うよりは大型乗用車を無理やりバスに変えたみたいな車。「なんだこれは」と拍子抜けでしたが、確かに行先ネルトリンゲンと書かれていたので藁にもすがる思いで乗り込みました。

バスというよりはタクシー

そして案の定ここでもカードが使えない。しかもドライバーのおじいちゃんに全く英語が通じず、これまでの経緯も説明できませんでした。ここで人生初めて「英語が通じないピンチ」に襲われました。結局はおじいちゃんも「なんだかよく分からないけど乗っていいよ」って感じで、無理やり無賃乗車させてもらう形に。

ちょっと罪悪感はあるものの、成り行きでこうなってしまったのでしょうがない。おじいちゃんには「ダンケシェーン」と言って降りました。親切にしてもらって言うのは何ですが、良かれと思った優しさが裏目に出ることもある例ですね。


とにかく変な体力を使ったせいでヘトヘト。たどり着いたホテルが夢のお城に見えました。

そして遂に進撃の巨人のモデルとなった町、ネルトリンゲンへ来ることが出来ました。

めでたしめでたし。

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