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ことのは編集室 松永英明氏の著作物を継承・保存するためのアカウントです。 松永英明氏の著作物のうち、一般出版社からの刊行物以外のもの(Web、個人冊子等)の複製・公表を委託されています。

マガジン

  • 事物起源探究 創刊号(2010年5月)

    松永英明による個人誌『事物起源探究 創刊号』(2010年5月)のウェブ復刻版です。「たいやき」「坂本龍馬伝説」「靖国神社の教義」「リフレクソロジー」「蜘蛛の糸の原典」などを扱っています。

  • .review論考再録(松永英明)

    2010年~2011年、西田亮介氏らによるプロジェクト「.review」に松永英明が投稿した論考の再録です。 プロジェクトの運営には、他に塚越健司氏、淵田仁氏なども関わっていました。 なお、一部論考のデータが失われてしまっています。もしデータをお持ちの方がいらっしゃいましたらページ末尾の「クリエイターへのお問い合わせ」からご一報ください。

  • まぼろしの五色不動 ~大江戸《霊的都市計画》伝説の真相~

    江戸五色不動は江戸時代には存在せず、五色不動が揃ったのは明治末以降でした。その伝説がいつ、なぜ、どのように生み出され、定着したのかを検証しています。 2005年2月~2006年9月、「マチともの語り」サイトにて連載された「まぼろしの五色不動」(松永英明著)の復刻です。

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ことのは編集室 松永英明氏の著作物を継承・保存するためのアカウントです。 松永英明氏の著作物のうち、一般出版社からの刊行物以外のもの(Web、個人冊子等)の複製・公表を委託されています。 論考・探究まぼろしの五色不動~大江戸《霊的都市計画》伝説の真相~ 2005年2月~2006年9月、「マチともの語り」サイトにて連載された「まぼろしの五色不動」(松永英明著)の復刻。 ◉まぼろしの五色不動 解題/ごあいさつ ◉まぼろしの五色不動【1】「大江戸五色不動」伝説の謎 ◉まぼろし

    • 「靖国神社」の教義はどのようにして生まれたのか【事物起源探究創刊号】

      ※松永英明個人誌『事物起源探究 創刊号』(2010年5月)より。 「近代」再考1 「靖国神社」の教義はどのようにして生まれたのか◎事物起源から「近代」絶対視への懐疑  私、松永は「近代」懐疑派だ。  事物起源を探っていると、どうしても日本の近代化、あるいは明治維新という時代における「断層」にぶつからざるを得ない。今、私たちが特に批判も持たずに「日本的なもの」と思っている事物の非常に多くの部分が、実は明治維新・近代化によって生まれたものであるという事実が、事物起源研究によっ

      • 「坂本龍馬」伝説はどのように語り継がれてきたか【事物起源探究創刊号】

        ※松永英明個人誌『事物起源探究 創刊号』(2010年5月)より。 ◎坂本龍馬のイメージNHK放送文化研究所『日本人の好きなもの――データで読む嗜好と価値観』(NHK出版生活人新書、2008)によると、好きな歴史上の人物は、織田信長(12%)、徳川家康(9%)、坂本龍馬(8%)が三傑となっている(以下、豊臣秀吉、聖徳太子、武田信玄、源義経、西郷隆盛、福沢諭吉、野口英世と続く)。私のように、日本人でいえば平将門・松永久秀・明智光秀・天海・渋沢栄一が好き、というのはどう考えても少

        • 「足ツボ」ことリフレクソロジーの起源は中国ではなく二十世紀アメリカだった【事物起源探究創刊号】

          ※松永英明個人誌『事物起源探究 創刊号』(2010年5月)より。 ■リフレクソロジーの起源を探る 二〇〇六年はじめ、私は座骨神経や大腿神経に痛みが走って困っていた。そうなると街中の「マッサージ」とか「鍼灸」といった文字に目が行ってしまう。  そんななかで、最近目立つようになったのが「英国式リフレクソロジー」など足裏系の「反射区療法」である。「反射区」というのは、足の裏か手のひらとか(実は他に耳というパターンもある)の「この部分は心臓に対応」とか「この部分は胃に対応」といった

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        • 事物起源探究 創刊号(2010年5月)
          7本
        • .review論考再録(松永英明)
          6本
        • まぼろしの五色不動 ~大江戸《霊的都市計画》伝説の真相~
          9本

        記事

          たい焼きが本当に生まれた年は?「二〇〇九年はたい焼き生誕百周年」説を徹底検証する【事物起源探究創刊号】

          ※松永英明個人誌『事物起源探究 創刊号』(2010年5月)より。  二〇〇九年は「たい焼き生誕百周年」と報道されていた。しかし、調べてみたところ、一〇〇年以上前に鯛焼の店が存在した可能性が浮上してきた。  「生誕百周年」の根拠は、東京・麻布十番のたい焼き老舗「浪花家総本店」が創業百周年を迎えること。そのため「タイヤキ百周年」と報じられているのだが、どうやらことはそう単純にはいかない。浪花家総本店の創業に当たる明治四十一年(一九〇九年)よりも以前、明治三十九年にたい焼き店が存

          たい焼きが本当に生まれた年は?「二〇〇九年はたい焼き生誕百周年」説を徹底検証する【事物起源探究創刊号】

          事物起源本レビュー第一回【事物起源探究創刊号】

          ※松永英明個人誌『事物起源探究 創刊号』(2010年5月)より。 「事物起源」そのものをタイトルとした書籍が手元にあります。「事物起源探究」のバイブルともいえる本について、今回は戦後の三冊をレビューしてみます。 速水建夫『事物起源考』魚住書店昭和八年(一九六三)二月十五日発行。このはしがきは熱く語る。  収録項目数は二四二一。日本史の用語集的な解説も多いが、「ミルクキヤラメル 大正三年四月森永太市がアメリカ見学中に学んだものにいろいろ工夫を加えて売り出したのが、はじめで

          事物起源本レビュー第一回【事物起源探究創刊号】

          私はなぜ「事物起源探究家」を名乗るようになったのか【事物起源探究創刊号】

          ※松永英明個人誌『事物起源探究 創刊号』(2010年5月)より。  もともと私は小さなころから、ものごとの起源を知るのが好きだった。というのは、奈良県の法隆寺のある街で生まれ育ったという環境もあるかもしれない。千数百年の歴史を有する神社やお寺が周囲にあり、しかも「かつて都が近くにあったが、とっくの昔に滅んでしまって今は単なる田舎」みたいな環境である。友達と一緒に駆け上って遊んだ小山が実は藤ノ木古墳だったというのも嘘のような実話だ。  私が住んでいたのは、住所表示変更前は斑鳩

          私はなぜ「事物起源探究家」を名乗るようになったのか【事物起源探究創刊号】

          「事物起源」を探るということ――創刊のことば【事物起源探究創刊号】

          ※松永英明個人誌『事物起源探究 創刊号』(2010年5月)より。  はじめまして。「文士・事物起源探究家」を肩書きとしております、本誌制作者の松永英明です。  事物起源とは、文字どおりには「モノや風習などの起源」のことを指します。これ(あるいはこのしきたり)は、いつごろ、どのように、どんな人が、どんな理由で始めたのか、ということの事実関係をじっくりと探ること。それが狭義の事物起源探究ということになります。  今、「狭義の」という言葉を使いました。それは理由があります。という

          「事物起源」を探るということ――創刊のことば【事物起源探究創刊号】

          歌枕からオタク系聖地巡礼をつなぐゲニウス・ロキ

          「歌枕からオタク系聖地巡礼をつなぐゲニウス・ロキ/松永英明(#co_article032)」は、プロジェクト「.review」に投稿され、2011年1月26日に公開された論考である。 Abstract 『エヴァンゲリオン』の箱根、『らき☆すた』の鷺宮神社などを筆頭に、漫画やアニメの舞台になった場所を訪れる行為を「聖地巡礼」と呼ぶことはすでに定着したようだ。オタクたちはその場所を実際に訪れ、作中と同じ風景を見つけて心を躍らせる。  しかし、これらの行動は決して新しいものではな

          歌枕からオタク系聖地巡礼をつなぐゲニウス・ロキ

          アーティストのプロモーション戦略論2~女子十二楽坊はなぜ失速したのか/おニャン子・ハロプロ・AKB48、そして少女時代 vs. KARAの戦略比較~

          「アーティストのプロモーション戦略論2~女子十二楽坊はなぜ失速したのか/おニャン子・ハロプロ・AKB48、そして少女時代 vs. KARAの戦略比較~/松永英明(#co_article031)」は、プロジェクト「.review」に投稿され、2011年1月24日に公開された論考である。 アーティストのプロモーション戦略論2~女子十二楽坊はなぜ失速したのか/おニャン子・ハロプロ・AKB48、そして少女時代 vs. KARAの戦略比較~2010/11/15 ver. 1.1  

          アーティストのプロモーション戦略論2~女子十二楽坊はなぜ失速したのか/おニャン子・ハロプロ・AKB48、そして少女時代 vs. KARAの戦略比較~

          秋葉原のゲニウス・ロキ

          「秋葉原のゲニウス・ロキ/松永英明(#co_article015)」は、プロジェクト「.review」に投稿され、2010年5月2日に公開された論考である。 ただし、現時点で論考本文のpdfが失われているため、Abstract(概要)のみの再録とする。 ※もし論考本文pdfをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ページ最下部の「クリエイターへのお問い合わせ」からご連絡ください。 Abstract中村雄二郎によれば「ゲニウス・ロキは、それぞれの土地がもっている固有の雰囲気であり、

          秋葉原のゲニウス・ロキ

          「小悪魔ageha」における「地方志向」の正体

          「週刊メルマガクリルタイ」Vol.57 (2010/09/01 配信分) への寄稿原稿の再掲。 「小悪魔ageha」における「地方志向」の正体今回の話は「.review」の論考『ライフスタイルとしての「小悪魔ageha」と「森ガール」分析』の中で特にage嬢の中に見られる「地元志向」について考察してみたものである。 ◎age嬢の二つの志向性  age嬢の中には歌舞伎町や六本木などのトップクラスキャバクラで成功することを目標とする人たちもいる。一方で、あくまでも地元で活動

          「小悪魔ageha」における「地方志向」の正体

          ライフスタイルとしての「小悪魔ageha」と「森ガール」分析

          「ライフスタイルとしての「小悪魔ageha」と「森ガール」分析」(#co_article006)は、プロジェクト「.review」に投稿され、2010年4月7日に公開された論考である。 Abstract「ライフスタイルとしての「小悪魔ageha」と「森ガール」分析」  雑誌「小悪魔ageha」は「age嬢」というスタイルを生み出した。これは単なるファッション領域にとどまらず、age嬢という生き方、ライフスタイルを示している。それによって、雑誌自体はキャバクラ嬢を主要ターゲッ

          ライフスタイルとしての「小悪魔ageha」と「森ガール」分析

          女子十二楽坊はなぜ売れたのか

          「女子十二楽坊はなぜ売れたのか/松永英明(#co_article003)」は、プロジェクト「.review」に投稿され、2010年4月4日に公開された論考である。 ただし、現時点で論考本文のpdfが失われているため、Abstract(概要)のみの再録とする。 ※もし論考本文pdfをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ページ最下部の「クリエイターへのお問い合わせ」からご連絡ください。 Abstract2003年7月24日に日本デビューした「女子十二楽坊」は爆発的なヒットとなった

          女子十二楽坊はなぜ売れたのか

          まぼろしの五色不動【8完】五色不動伝説の誕生

          (1)五色不動の実態  以上の内容をまとめると、以下のようになる。 ・目黒不動 古来、不動尊像で有名。家光の鷹狩りと関連する説話がある。 ・目白不動 家光が鷹狩りのときに目白と名付けたという説がある。 ・目赤不動 伊賀の赤目に由来する不動像を家光が目赤と改めさせたという。 ・目黄不動(浅草勝蔵院明暦不動)江戸時代中期にメキ不動と呼ばれた可能性があるが、現在には伝わらない。 ・目黄不動(三ノ輪永久寺鼠不動)目黄不動の名は明治13年に新設された可能性が高い ・目黄不動(本所最勝

          まぼろしの五色不動【8完】五色不動伝説の誕生

          まぼろしの五色不動【7】目青不動の流転

          (1)不動の旧跡を訪ね歩く さて、残るは目青不動である。目青不動とされたものは二つある。 ・明治14年、横浜野毛新田に安置されたと報じられた目青不動。成田山延命院の野毛山不動尊のことであろうと思われるが、建立時期は合致するものの、目青不動と呼ばれたという資料はほかに見つからない。 ・現在、世田谷区三軒茶屋にある教学院の目青不動。  横浜野毛山の不動尊についてはすでに記したとおり、明治初期の報道が一件あるだけで、その後、五色不動と関連づけられて呼ばれたことはない。現在の「天

          まぼろしの五色不動【7】目青不動の流転