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生成AIを使って翻訳してみよう 〜文脈、自分のパーソナリティやターゲットにピッタリの表現に〜

翻訳が生成AIの日常的な利用方法の一つに

フワちゃんもツイートしてましたが、日本語から英語、英語から日本語への翻訳に生成AIがよく利用されるようになりました。今回の記事では、生成AIに翻訳を手伝ってもらうときに、生成AIとどう話せば良いのか見てみましょう。


「〇〇を翻訳しなさい」は一対一じゃない

現在の外国語教育は少し違ってきていると思いますが、一昔前の外国語では、授業で習った語彙や文法の習得に重きが置かれおり、以下のように一対一で問題の英語とその答えとなる日本語を暗記するようなことが多かったように思います。

以下の英語を日本語にしなさい。
She often visits used bookstores on weekends to look for Japanese classical literature.

答え: 彼女は週末によく古本屋を訪れ、日本の古典文学を探します。

しかし、私達が母語で話すときは無意識のうちに、文脈や話し相手に合わせて、言葉の選び方を変えています。これは、母語でない言語で話すときでも、同様に考慮されるべきところです。例えば以下のような点を考慮しないと、正しい語彙と文法を使っていたとしても、相手にとって失礼な言葉を使ってしまうようなことにもなりかねません。

  • 文脈や背景を考慮した翻訳: ある文章を翻訳する場合、その文章が書かれた文脈や背景を理解することが重要。例えば、ビジネス文書を翻訳する場合、文法間違いがないか、ミススペルがないかなどだけでなく、専門用語やフォーマルな表現を適切に使用しなければなりません。

  • ターゲットとなる読者を意識した翻訳: 翻訳された文章は、誰に向けて書かれているのかを意識する必要があります。例えば、子供向けの絵本を翻訳する場合とビジネス記事を翻訳する場合では、選択される表現は異なってくるでしょう。

このように、翻訳は単に言葉を変換するだけでなく、文化や背景、ターゲットとなる読者などを理解した上で、適切な表現を選択するタスクで、文法や語彙を理解するだけでは不十分な場合があります。

生成AIは、こうした複雑な翻訳タスクにおいても威力を発揮します。従来の機械翻訳ツールと比べて、生成AIは以下のような利点があります。

  • 文脈や背景を理解した翻訳: 生成AIに、文脈や背景を伝えることで、より状況、自分のパーソナリティに合致した翻訳が可能です。

  • ターゲットとなる読者に合わせた翻訳: 生成AIは、ターゲットとなる読者を意識した翻訳を行うことができます。

翻訳プロンプトの言葉の選択肢と選び方

まずは、シンプルに、「以下の文を英語に翻訳して」と言って、生成AIに翻訳してみてもらいましょう。生成AIに翻訳をお願いする場合、「この文章を翻訳しなさい」と指示するだけで翻訳してくれて、いくつかのオプションを出してくれるものもあります。

以下の文を英語に翻訳して
今日風邪で調子が悪いので行けません

プロンプト: 指示→入力値(翻訳ソース文)

ChatGPTClaudeは、英語訳を一つ返してくれます。

英語での訳は以下の通りです:
"I'm feeling under the weather with a cold today, so I won't be able to make it."

ChatGPT

Here is the English translation:
I'm not feeling well with a cold today, so I won't be able to go.

Claude

Geminiの場合、文脈が指定されていないということで、フォーマルな場合、インフォーマルな場合など、色々とオプションを提示してくれます。

The Japanese sentence "今日風邪で調子が悪いので行けません" can be translated into English in several ways, depending on the context and the level of formality desired. Here are a few options:

"I'm not feeling well today due to a cold, so I won't be able to make it." This is a neutral and polite way to express your reason for not being able to attend something.
"I'm coming down with a cold today, so I'm afraid I won't be able to go." This is a slightly more informal way to say the same thing.
"I'm under the weather today with a cold, so I won't be able to participate." This is a more formal way to express your reason for not being able to participate in an activity.
"I'm feeling a bit under the cosh today with a cold, so I'm going to have to give this one a miss." This is a very informal way to say the same thing, using British slang.
"I'm feeling a bit peaky today with a cold, so I'm going to have to bow out of this one." This is another informal way to say the same thing, using British slang.

Gemini

選択肢1: 文脈や背景を伝えてから翻訳してもらう

生成AIに翻訳をお願いする場合、文脈や背景を伝えることで、より自分の目的に合致した翻訳を生成してくれます。例えば、「今日風邪で調子が悪いので行けません」を翻訳してもらう際に、友達とのキャンプを断る文脈と会社を休むという文脈と生成AIに伝えることで、どのように翻訳が異なってくるのか見てみましょう。

以下の文を英語に翻訳して。仲が良い友達にキャンプを断るという文脈と会社の取引先に打ち合わせに参加できないと伝えるという文脈を想定して、それぞれの文脈に合致した翻訳をして。

文: {今日風邪で調子が悪いので行けません}

指示→状況設定→入力値(翻訳ソース文)

ChatGPTの場合から見てみましょう。


以下の二つの文脈で、それぞれ適した翻訳を提供します:

仲が良い友達にキャンプを断る文脈:
"Hey, I'm really not feeling well today because I've caught a cold, so I won't be able to make it to the camp. I'm so sorry!"

会社の取引先に打ち合わせに参加できないと伝える文脈:
"I regret to inform you that I am unwell due to a cold and will be unable to attend the meeting today. I apologize for any inconvenience this may cause."

ChatGPT

仲の良い友達の場合はカジュアルな表現で、取引先への連絡の場合はフォーマルでビジネス英語っぽく翻訳してくれています。

続いてClaudeの場合です。

友達にキャンプを断る文脈では:

"I'm not feeling well with a cold today, so I won't be able to make it to the camping trip."

この翻訳は、親しい友人に対して丁重ながら率直に、風邪で調子が悪いため予定を変更せざるを得ない旨を伝えています。

取引先への打ち合わせ欠席の文脈では:

"Unfortunately, I am under the weather with a cold today and will not be able to attend the meeting."

この翻訳は、取引関係にある相手に対してよりフォーマルかつ丁重に、風邪のため欠席せざるを得ない旨を伝えています。状況に応じて、適切な言い回しを使い分けています。

Claude

ChatGPT同様、Claudeも、仲の良い友達の場合はカジュアルな表現で、取引先への連絡の場合はフォーマルでビジネス英語っぽく翻訳してくれています。

Geminiの場合はどうでしょうか。

仲が良い友達にキャンプを断る場合

申し訳ないんだけど、今日風邪で体調が悪くてキャンプに行けないんだ。楽しみにしてたのに、本当にごめんね。
English: I'm so sorry, but I'm not feeling well today with a cold, so I won't be able to make it to the camping trip. I was really looking forward to it, and I'm so bummed to miss out.
体調が優れなくて、キャンプに行けそうにないんだ。楽しみにしてたのに、本当に残念だよ。
English: I'm not feeling well enough to go camping today. I was really excited to go, and I'm so disappointed to have to miss out.
急遽体調が悪くなってしまったので、キャンプは欠席させてください。
English: I'm so sorry, but I've come down with a sudden illness and won't be able to make it to the camping trip.

会社の取引先に打ち合わせに参加できない場合

誠に申し訳ございませんが、本日風邪をひいてしまい、貴社との打ち合わせに出席することができなくなりました。
English: I am so sorry to inform you that I will be unable to attend our scheduled meeting today due to a sudden illness.
本日体調不良のため、貴社との打ち合わせを欠席させていただきます。
English: I apologize for any inconvenience this may cause, but I will be unable to attend our scheduled meeting today due to poor health.
急用のため、本日貴社との打ち合わせを欠席させていただきます。
English: I apologize for any inconvenience this may cause, but I will be unable to attend our scheduled meeting today due to an unforeseen urgent matter.

Gemini

先ほどと同様、文脈を提示した場合でも、Geminiは、断り方にも様々な言い回しがあることを踏まえて、いくつかのパターンを提示してくれています。

このように生成AIに文脈や背景を伝えることで、それに合致した翻訳を生成AIは提案してくれます。この柔軟性が今までの機械翻訳との一つの違いと言えるでしょう。

選択肢2: パーソナライズド翻訳: 自分のパーソナリティや会話スタイルを伝えてpersonalizeした翻訳を生成してもらう

自分のパーソナリティや会話スタイルを伝えてpersonalizeした翻訳を生成してもらうというアプローチは、テクノロジーの力を個人のニーズに合わせて最大限に活用する方法の一つです。

このプロセスでは、まず自分自身の性格や特徴をAIに伝えることから始め、さらに、自分や会話スタイルや、特に重要視する考え方などについて具体的な例を提供します。

提供した情報を参考に、AIはあなたの個性や好みに合わせた翻訳を生成します。これにより、単に言語を変換するだけでなく、あなたのスタイルやトーンを保ちながら、より自然で個性的な翻訳が可能になります。例えば、以下のように生成AIに話しかけます。

#状況設定
私のパーソナリティ: {ふざけるのが好き。ちょっと気の利いた言い回しをする。基本的には楽観的。}
私の会話スタイルの例: {そんなに忙しいなんて言ってないで。道端のタンポポに気付けるぐらいの気持ちの余裕持とう}

# 指示
私のパーソナリティと会話のスタイルの例を参考に、以下の文を英語に翻訳して。

文: {今日風邪で調子が悪いので行けません}

プロンプト: 状況設定→指示→入力値(翻訳ソース文)

ChatGPTからみていきます。

Here's a translation that fits your playful and witty style:
"Can't make it today, I've caught a bug and it's not the software kind!"

ChatGPT

"I've caught a bug and it's not the software kind!"(ウィルスもらっちゃったみたいだけど、ソフトウェアのじゃないよ)と洒落っ気を出してます。

続いてClaudeではどうでしょうか。

Sure, let me try my best to translate that in an optimistic and witty way that aligns with your personality:

"Aw shucks, the sniffles got me feeling a bit under the weather today. But hey, at least I'll have more time to stop and smell the roses - or maybe just binge-watch some comfy shows while cozied up with a big mug of tea. Looking on the bright side, this just gives me an excuse to take it easy and recharge my batteries for tomorrow's adventures!"

Claude (一部抜粋)

こちらもなかなか面白い翻訳をしてくれてます。"at least I'll have more time to stop and smell the roses" (バラの香りを楽しむ時間ができた)とか、recharge my batteries for tomorrow's adventures! (明日の冒険のために理チャージできる)などといった表現を入れてくれています。

最後に、Geminiでも試してみましょう。こちらも負けず劣らず、よくpersonalizeされた翻訳を生成してくれます。

Sure, here is the translation of the sentence "今日風邪で調子が悪いので行けません" into English, taking into account your personality and conversation style:

"I'm afraid I'm under the weather today with a nasty cold, so I'll have to raincheck on that. Think of it as an opportunity for me to catch up on some zzz's and emerge as a sneezing, snot-free superhero tomorrow!"

Gemini

"catch up on some zzz's "と、くだけた表現で休息を取ると行ってみたり、"emerge as a sneezing, snot-free superhero tomorrow!"(明日はくしゃみせずに、鼻水もないスーパーヒーローとして登場しよう)と楽観的なところを表現に反映してくれています。

選択肢3: ターゲットを指定して、ターゲット別にcustomized翻訳してもらう

現代の生成AI技術は、特定のターゲットオーディエンスに合わせて内容を最適化するような能力も備えています。このアプローチは、ビジネス文書、広告、教育資料など、多様な分野で有効です。

たとえば、ある製品のマーケティング資料を作成する際、生成AIはその製品のターゲット市場のコミュニティの文化や言語的ニュアンスを考慮して、原文を適切に翻訳し、ローカライズします。これにより、より響く、カスタマイズされた翻訳ができます。

また、教育分野などでは、生徒の学習レベルや興味に合わせた教材の翻訳が可能です。例えば、科学テキストを初心者向けにより簡潔で理解しやすい言葉で提供したり、上級レベルの学生には、逆に、より専門的な用語を用いて個別に知識を伝えることができます。

生成AIによるカスタマイズ翻訳は、多言語対応が必要なグローバル社会において、非常に価値の高いツールとなります。情報の正確性と感染力を高め、幅広いオーディエンスとのコミュニケーションを可能とします。

では、ここでも、具体的なプロンプトを試しながら、生成AIがターゲット層を考慮した上でどのように翻訳をするのかみてみましょう。ここでは、例として、生成AIを使った翻訳をオススメする文章を、いくつかのターゲット層を指定して翻訳してもらうことにしましょう。原文は以下のものとします。

生成AIを利用した翻訳は、言語の壁を超える最適な手段です。このテクノロジーは、ただの文字通りの翻訳を超え、文化的ニュアンスや専門用語も考慮に入れた内容を提供します。ビジネス文書から日常会話まで幅広く対応可能で、その正確さと自然さが国際的なコミュニケーションの質を向上させます。グローバルな視点での情報交換が求められる現代において、AI翻訳は多言語コミュニケーションの強力なサポートツールです。

この原文を、以下の2つのターゲット層に向けて、生成AIに翻訳してもらいましょう。

ターゲット①: SNSで日本のパン屋さんの魅力について発信している30代女性。インスタグラムを中心に展開。日本語で書いたキャプションを英語にして、日本語と英語で発信したいと考えている。
ターゲット②: 高校1年生。英語は苦手だけれども、オンラインゲームで、海外から参加しているプレーヤーとチャットでコミュニケーションできればと思っている。

では、以下のように生成AIに話しかけて、ターゲット①と②向けの翻訳を考えてもらいましょう。

# 状況設定
翻訳は、ターゲットを踏まえ、それに合致した表現を用いて行う必要があります。以下の2つのターゲットに向けた翻訳を行なっています。

ターゲット①: {SNSで日本のパン屋さんの魅力について発信している30代女性。インスタグラムを中心に展開。日本語で書いたキャプションを英語にして、日本語と英語で発信したいと考えている。}
ターゲット②: {高校1年生。英語は苦手だけれども、オンラインゲームで、海外から参加しているプレーヤーとチャットでコミュニケーションできればと思っている。}

# 指示
以下の文を英語に翻訳してください。ターゲット①に向けた翻訳とターゲット②に向けた翻訳をそれぞれ個別に提示してください。

文:{生成AIを利用した翻訳は、言語の壁を超える最適な手段です。このテクノロジーは、ただの文字通りの翻訳を超え、文化的ニュアンスや専門用語も考慮に入れた内容を提供します。ビジネス文書から日常会話まで幅広く対応可能で、その正確さと自然さが国際的なコミュニケーションの質を向上させます。グローバルな視点での情報交換が求められる現代において、AI翻訳は多言語コミュニケーションの強力なサポートツールです。}

プロンプト: 状況設定→指示→入力値(翻訳ソース文)

このプロンプトに対して、ChatGPTは以下のように回答しました。

### ターゲット①: SNSで日本のパン屋さんの魅力を発信している30代女性向けの翻訳

"Using AI for translation is an optimal way to transcend language barriers. This technology goes beyond mere literal translation, incorporating cultural nuances and specialized terminology. It supports a wide range of uses, from business documents to everyday conversations, enhancing the quality of international communication with its accuracy and naturalness. In today's world, where global exchange of information is essential, AI translation serves as a powerful tool for multilingual communication."

### ターゲット②: 英語が苦手な高校1年生向けの翻訳

"AI translation is a great way to overcome language barriers. This technology isn't just about translating words; it also considers cultural meanings and special terms. It can be used for everything from business papers to chatting about daily stuff, making it easier to talk with people from other countries. In our world where sharing information globally is important, AI helps a lot with talking in different languages."

ChatGPT

高校1年生向けの翻訳は "chatting about daily stuff, making it easier to talk with people from other countries"など、インスタグラマーの女性への翻訳に比べて、シンプルな表現が利用されています。ChatGPTは比較的忠実に原文を翻訳しようとしてくれています。

次に、Claudeはどうでしょうか。

ターゲット①: {SNSで日本のパン屋さんの魅力について発信している30代女性。インスタグラムを中心に展開。日本語で書いたキャプションを英語にして、日本語と英語で発信したいと考えている。}

Translation powered by AI offers an optimal way to bridge language barriers. This technology transcends literal translation, providing content that takes into account cultural nuances and specialized terminology. Capable of handling everything from business documents to everyday conversations, its accuracy and naturalness elevate the quality of international communication. In today's world where global perspectives on information exchange are essential, AI translation serves as a powerful support tool for multilingual communication.

ターゲット②: {高校1年生。英語は苦手だけれども、オンラインゲームで、海外から参加しているプレーヤーとチャットでコミュニケーションできればと思っている。}

Using AI for translations is the best way to get past language barriers. It doesn't just give you a word-for-word translation, but also considers cultural differences and technical terms to give you the right meaning. It can handle all sorts of stuff, from official documents to casual chats, and gives you accurate and natural-sounding translations. This really helps with communicating internationally. In today's world where we need to share info globally, AI translation is a great tool for talking to people who speak other languages.

Claude

ClaudeChatGPTと同様に、高校1年生向けの翻訳のほうがインスタグラマーの女性への翻訳に比べて、シンプルな表現を用いています。

では、Geminiではどうでしょうか。

ターゲット①:30代女性向け英語翻訳
AI-powered translation: The perfect way to bridge the language gap and connect with the world

Gone are the days of clunky, inaccurate translations. AI-powered translation tools like [Tool Name] are here to help you share your bakery's story with the world in a way that's both accurate and engaging.

With AI translation, you can:Capture the nuances of your writing: AI goes beyond just translating words; it understands the cultural context of your message and ensures that it resonates with your English-speaking audience.
Translate specialized terms with ease: Whether you're talking about sourdough starters or the art of croissant-making, AI translation can handle even the most technical language.
Reach a wider audience: Share your passion for baking with people all over the world, regardless of their language skills.

ターゲット②:高校生向け英語翻訳
Hey there! I'm using AI translation to chat with you guys.
I'm not the best at English, but I'm really into this game and I want to make friends with players from all over the world. AI translation helps me bridge the language gap so I can talk to you guys about the game, share strategies, and just have fun.
What's your favorite class to play?

Gemini (一部抜粋)

Geminiは、ClaudeChatGPTと比べて、意訳ではなく、だいぶ踏み込んだ超訳のようになっています。超訳が良い場合と、厳密に意訳してほしい場合とそれぞれあると思いますが、このような生成AIごとの違いを考慮して、利用目的に合わせて、生成AIを使い分けるのもオプションですね。

生成AI翻訳の注意点

本記事では、生成AIと一緒に翻訳する場合に、どのように生成AIに話しかけることができるのかみてきました。生成AIを活用することで、文脈や背景を考慮した翻訳ができます。また、自分のパーソナリティや会話スタイルを伝えることで、personalized 翻訳をすることもできます。さらに、ターゲットを明確に伝えることで、ターゲット別にcustomized翻訳することもできます。このように、生成AIを翻訳に利用することで、今までの機械翻訳とは異なる柔軟性が高く、かつ、プラグマティックな翻訳が可能となります。

しかし、この柔軟性のため、以下のような問題がある場合もあります。

  • 内容の欠落: 翻訳を行う際に、原文の一部の内容が反映されず、伝えたかった全ての意味が伝えられていない場合があります。

  • 内容の挿入: 翻訳を行う際に、原文にない内容を勝手に付け加えてしまうような場合があります。

このような問題点は、プロンプトを工夫することである程度解決することができますが、他のタスクの場合と同様に、生成AIと翻訳する場合は、生成AIを代わりに翻訳してくれる機械と思わず、あくまで、自分が翻訳をしていて、そのお手伝いを生成AIがしてくれていると考えて、生成AIの翻訳を自分でレビューしたり、修正したりして、さらに質の高い翻訳をするよう心がけることが重要です。

もっと挑戦、翻訳プロンプトスキル

本記事で紹介した翻訳プロンプトの選択肢3つ以外にも、以下のような選択肢があります。生成AIの力を活用し、より自分らしく目的やターゲット層に合致した翻訳を実現しましょう。

  • 選択肢4: 語彙を指定して翻訳

  • 選択肢5: 参考ソース文を指定して、真似っこして翻訳

  • 選択肢6: 気持ちや態度を伝えて翻訳

参考文献

佐野大樹 (2024) 生成AIスキルとしての言語学 かんき出版

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