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声は楽器であり人間

ずっと私の音楽遍歴(聴くだけw)を語ってきたけど、改めて私はジャンルを超えて、出会うべくして出会ったアーティストたちの「沼」に落ちることを楽しんできたのだと実感。そのキーファクターは間違いなく彼らの「声」でした。

声は楽器の一部という考え方もできる。だとすると、声はその人しか奏でることのできない唯一無二の楽器なわけで。その声の持つ不思議な波長のようなものが、私の何かと共鳴するともうはまるわけです。理屈じゃないケミカルのような何か。

私の惚れた声たち : Tom Jones, Jon Bon Jovi (Bon Jovi), Rod Stewart, Gerald Way (My Chemical Romance), Taka (One OK Rock), 星野源。別に共通点もないし、「なぜ」を説明できるようなものじゃないんだけど、どこか『』とか『憂い』とか、そういうものを感じることが多いかもしれないです。

☆この中で二人をピックアップします。まずは My Chemical Romance の Gerald Way. 彼は歌がすごくうまいんだけど、それより声の操り方がうまい、というところが特徴かな。いわゆるロックの発声だけでなく、ドラマチックな使い分けをする。可愛かったりグロかったりする。アルバム"Welcome to the Black Parade"の中に "Mama" という変わった曲があるんだけど、これが実に面白い。あの大御所ライザ・ミネリが参加してます。(かなり独特な曲です)

☆もう一人は星野源。彼は自分の声があまり好きではなく自信がなかったそうで、最初は SAKEROCKというインストバンドで活動していたんですが、10年ほど前からボーカルにチャレンジ。とても独特なマットな声で、不思議な世界観があります。面白いのは、彼はレコーディングでも声にエフェクトを使わないんです。素の声そのままをずっと貫いています。だからなのか、ライブにはアルバムを凌駕する迫力と魅力があり、独特な孤独感漂う声が、人間星野源に素手で触れたような生々しさを感じさせるのです。ライブでの「くだらないの中に」沁みます。

声にフォーカスすればもちろんそこには「歌詞」が付随します。シンガーソングライターの場合は、そこでその人の「人間」が浮き上がる気がします。洋楽にありがちなのは、リズムや流れメインのせいか、歌詞がどうでもいいような曲が多くて魅力が半減するんですが。例えば星野源の場合は、言葉のチョイスがすごくて、詩的で、抽象的。魅力が多層的でいつの間にか中毒になる感じですね。

歌はうまけりゃいいってわけでもない。歌がうまいことに酔ってるのも、こっちは冷めます。やっぱりですね。そこにあってほしいのは。

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